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お菓子は人を笑顔にさせ、それを見て作った人も笑顔になる そうだといいな、なスコーン(グルテンフリー,ヴィーガン)



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景色

本日2軒目の依頼宅に着いた。

この街の建物は全てボロボロで(中には何世紀も前のものもあるらしい)、もちろんエレベーターなどというものはない。上位階じゃなくてよかった。

なんかレオンに出てきたアパートみたいだ(といっても有名どころしか知らないから例えがとても浅はかだ しかしそんな例えだったとしても、思いついた自分に少し酔ったのも事実だ)


依頼人の部屋は2階にある。
ドアを叩くと若い女性が顔を出した。

ホントに困っているのになんで早くきてくれないのよ!と口には出さないが、むくれた顔が物語っている。

早速仕事開始。今日はバスルームのドアの修理。
といっても僕は専門じゃない。知り合いに今日どうしても外せない用があるから代わりに行ってくれないか、と頼まれたのだ。
最近熱をあげている女子大生とのデートだろう。どうせうまくいかない。まあデートまで漕ぎ着けたんだからよくやった、と言えよう。

器用な僕はこんなのお手の物。あっという間に直して帰る準備をしていると、いい匂いが漂ってきた。

家主がちょうどオーブンから何かを出すところだった。

彼女と目が合う。そしてクスクスと笑われた。
どうやら子供のようなキラキラした目でそれを見つめてしまっていたらしい。きっと口元も緩んでたに違いない。

一つ勧められたが、有難いが自分は小麦粉が食べられない旨を伝えると、私も食べられないわよ、と当たり前でしょ、という顔で言われた。

しかし僕は知っている、小麦粉が入っていないものが美味しくないことを。

とりあえずかじってみる。

うまい

更にテーブルにあったクリームを付けてくれた。

う、うまーい!

昔まだ小麦粉が食べられた頃、ばあちゃんが作ってくれたやつに似ている。
ん?もしやあれも小麦粉使ってなかったのか?
今はそんなことどうでもいい。
焼き立てをはふはふしながらあっという間に平らげた。

代金はこれでいいかしらね、などと冗談を言われながら、2つほど包んで修理代とともに渡してくれた。


お菓子は人を笑顔にさせるというけど、さらにそれを見て作った人も笑顔になる、ということを今日知った。
だってさっきまで小言を言う母のような顔をしていたのに。


部屋を後にしてすぐ、知り合いから電話がかかってきた。ずいぶん早い。
きっともうお開きになったのだろう。
これから延々と愚痴を聞かされる。
今日の夜も長くなりそうだ。
でもこのスコーンをあげたらきっと女子大生のことなんかどうでもよくなるさ。
それくらい単純な男だ、いやそれくらい美味しいスコーンだ。






焼きたて、もしくはリベイク後、表面はサクサク、中はふわっと
そのままでも美味しいですが、クリームやジャムなどつけると格別でございます。


RECIPE

準備時間 15分 焼成時間 28分 合計 42分

材料 (5個分)

  • 米粉 100g

  • コーンスターチ 20g

  • アーモンドパウダー 30g

  • きび砂糖 30g

  • 塩 ひとつまみ

  • 豆乳 85g

  • 植物性オイル 40g

  • ベーキングパウダー 5g


作り方

  • オーブンを200℃に予熱する

  • ボウルに粉類を合わせておく

  1. オイルを入れたボウルに豆乳を少しづつ加え、その都度よく混ぜ乳化させる。(しっかり乳化するとどろっと濃度がつきます)

  2. 粉類の入ったボウルに1.を入れゴムベラで混ぜ合わせる。

  3. おおよそ生地がまとまったら台に取り出し、ひとまとめにまとめる。

  4. 3.5cmくらいの暑さに伸ばす。(上から手のひらで押して広げる)

  5. 直径5cmの丸型で5個切り抜く。型がない場合は、丸く伸ばして4,5等分に切り分ける。

  6. 天板にのせ、200℃のオーブンで12分焼く。

  7. 180℃に下げ、16分焼く。持ち上げて軽くなっていたら焼き上がり。


アレンジ

  • アールグレイ茶葉&クランベリー

  • スパイスたっぷりチャイ風

  • ドライトマト、チーズを入れて食事のメインに

  • あんことバターを挟んでスコーンサンドに



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