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SUN IS UFO side-A

 古代より信仰の対象だった太陽。夕暮れの定めに逆らえず地平線の彼方へ没しても、必ず甦り、ふたたび東の空を照らし始める姿に、人々は不死と復活のイメージを抱き、崇めてきました。

 宗教が没落し、科学が神となった現代であっても、人間は太陽の存在を欠いて生きることはできません。太陽が無ければ、人間は凍え死にます。つまり、太陽は人間の生命そのものです。ですから、今、ぼくたちの生命があるということ。それは、太陽の、存在の証明でもあります。

 しかし、太陽は人類を殺す存在であることも忘れるわけにはいきません。科学者の話によれば、数十億年後に地球は太陽に飲み込まれ、消えてしまいます。むろん、人類は絶滅します。

 ぼくたちの殺生与奪を決する太陽は、人類にとっての最重要物だということに、もはや疑いの余地はありません。ところが、来る日も来る日も大空を飛翔する太陽に、直接手を触れた者はひとりも存在しないのです。人類史上、ただのひとりも。太陽は未確認飛行物体です。

(この文章はSUN IS UFOと名付けた西部湯瓜のウェブサイトからの引用です。)