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Q3.一般書・ビジネス書の選び方ってありますか?

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おともさーん!

この前に教わった通り他の心電図の本を見てみました!

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どうだった?

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教えてもらったかげさんのイラスト心電図本から始めてます!まずはこの本をマスターして卒業を目指します!駆け出しの自分には、こういうわかりやすいのから始めればよかったですね。

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そうだろうそうだろう、同じテーマでもいろんな本があるのはいろんなターゲットに向けて書いているからね。いつかはパーフェクトマニュアルも読みこなせるよ。

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ところでおともさんは何を読んでいるんですか?

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独学大全だよ。

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ブックガイド

独学大全 絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法 読書猿/著

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でか!そして分厚っ!!なんですかこれ、鈍器じゃないですか!ていうか医療の本じゃない……そういうのも読むんですね。

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医療や看護の勉強も大事だけど、それだけだと偏るからね、最近は一般書とかビジネス書とかを読むことが多いよ。

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へぇ……私は今は臨床に使う知識を拾うのでもうお腹いっぱいだから、あまりそういうのは読まないですね。そういうのにもおともさんなりの選び方ってあるんですか?

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よくぞ聞いてくれました!じゃあ早速語らせてもらおう!!

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えーーーー!!やぶへびだったーーーーーーー!!!

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【専門書と一般書は何が違うの?】

前回の記事、医学・看護書の選び方では選ぶときにSTEPを踏むといいという話をしました。一般書・ビジネス書に関して言えば、個人的には「読みたいと思ったものを読んだらいい」と思います。

っていうと、「いや、それだけの言葉で有料記事にするつもりかい!!!」って購入者からお叱りを受けそうですし、自分としてもそんな浅い記事にするつもりはないので最後までお付き合いください。

一般書やビジネス書にももちろんターゲットはあります。例えば、新入社員向けとか管理職向けとか、営業職向けから企画者向けなど、医学書などと同じように職位や職種別に向けてそれぞれのものが出ています。

我々医療者(医学・看護学・薬学など、研究された科学に立脚した資格を持った専門家)がその領域のために読むものはいわゆる専門書と呼ばれます。ではそもそも一般書、ビジネス書とはいったいどういうものでしょうか。

一般書とは?

”出版物は大きくいって読者の対象別に一般書と専門学術書とに分けられる。
一般書は文学から歴史、社会科学、自然科学、芸術など幅広いジャンルにわたるが対象はごく一般の読者。
専門書は研究者や大学院生などかなり限定された人たちが対象になる。”

引用元:レファレンス協同データベース

ビジネス書とは?

”ビジネス書は、仕事(ビジネス)関連の事柄を取り上げた書籍の総称・ジャンルである。ビジネスに関する指南書(ハウツー本)を指すニュアンスが強い。いわゆる「自己啓発書」もビジネス書に含めて扱われることが多い。”

引用元:weblio辞書(ビジネス書で検索)


となっています。あくまで辞書的な意味合いとターゲットの分類ですね。ここに個人的に加えたい、医学・看護書と決定的に違う点が1つだけあると僕は思っています。

皆さんは【医学書・看護書】と【一般書・ビジネス書】の違いはなんだと思いますか?



それは『科学に基づいていなくてもいい、著者の経験だけでも充分な学びが得られる』ということです。

これは決してネガティブな意味合いで言っているのではありません。むしろポジティブな面だと思っています。


【経験こそが強みのひとつ】

医療の分野において、経験則や己の信念だけでその知識や体験を広めるというのはその対象にとって全人的なリスクを伴います。だからこそ科学的に証明された安全な方法であったり、再現可能な手法を明らかにして参考文献や引用文献に寄って記述される必要があります。

一方で、一般書やビジネス書を読むと参考文献が一つもないものは珍しくありません。著者の体験であったり、その人の人生観や仕事で得られた知見をシェアして話が進んでいきます。つまり経験が重視されています。

医学・看護がevidence basedならば一般書・ビジネス書はexperience basedと言えます。そして強みがまさにここにあります。

著者の経験がもとになっている為、タイムリーに世に出すことができます。また書籍になる時点である程度何かしらの成功を収めた時の手法、ロジックが閲覧可能となるわけです。科学的検証は必要ないため、その分だけ早く共有することができます。だからこそ誰がやっても上手くいくということはないですが、逆にハマる人にはものすごくハマるというものがあります。

例えば、『転職と副業のかけ算』という本は、著者であるmotoさんの経験と考え方がギュッと詰まった本です。

ブックガイド

転職と副業のかけ算 生涯年収を最大化する生き方 moto/著

てんかけ

また、前田さんが出している『メモの魔力』というのも前田さんの哲学や仕事観がぎっしり詰まった一冊です。

ブックガイド

メモの魔力 -The Magic of Memos- 前田裕二/著


メモま

これらはその方法を科学的に検証されたものではもちろんありません。しかし、「この方法は使えそう!」「こういう考え方があったのか!」「これを真似しよう」と学びになるところも非常に多くありました。こうしたメソッドが研究で立証されるのを待っていてはもったいない時間が過ぎてしまいます。まずは試してみる、合わなかったら他の方法を探したらいいのです。トライアンドエラーが大事ですが、医療でこれと同じことをやると生命にとって取り返しがつかない事態を招くので難しいですね。


こうしたビジネス書の中には『◯◯流(海外の超有名大学名)のナントカ学』のように学術っぽいタイトルの書籍も存在します。これらは往々にして引用文献や参考文献がそれなりに多く網羅され、学術内容をビジネス向けにアレンジされた書籍です。これは各章のラストや巻末に、参考文献や引用文献がふんだんに掲載されており学術的な知見を多数紹介しつつ、ビジネス書として成立したものです。これは経験よりもエビデンスが重視されており、先述した著者の経験というものは少ないか、むしろ全くないため同じビジネス書でも受ける印象や知見がだいぶ変わってきます。経験よりも根拠が欲しい、説得力を持たせたいという方にとっては向いているビジネス書と言えます。

タイトルで傾向をざっくり見極める方法として『◯◯流(個人名とか企業名とか)のナントカ学』のビジネス書の場合には、エビデンスよりも経験則が強くなる印象があります。

なので、興味のある分野の本を選ぶときには自分が得たいものが著者の経験なのか、根拠を持ったより実践的な知見なのかを把握して選ぶと良いと思います。本の選び方に正解はありませんが、より多く学びが得られるチョイスをしたいですね。


【自己啓発書との付き合い方】

またビジネス書の中に多く出ているものが自己啓発書です。

自己啓発書はおそらく初めて読むとかなりの衝撃を受けるかもしれません。自己啓発書の分野を読む時点で、ある程度の意識が高さがあると思いますがそういった方に対して「自分も何者かになれる、いやなる。自分もできるんだ!」という心持ちを与えてくれます。これは心理的には有用に働きますが、厄介なもので読むと気持ち良くなる部分があるので自己啓発書を次々に読んでしまって、肝心の行動が伴わないというデメリットがあります(これは個人の経験です)

自己啓発書は世に数多く出ていますし、それなりに多く読んできましたが、超要約すると最終的に言っていることはどれも大きな違いはないと感じました。だから自分の好みの自己啓発書は1冊でもあればそれで充分です。

ちなみに僕が自己啓発書で冊選べと言われたらこれを選びます。

ブックガイド

覚悟の磨き方 〜超訳 吉田松陰

かくみが


そして自己啓発書の古典として万人受けしやすいのは、以下の2冊ですね。

ブックガイド

人を動かす デール・カーネギー著

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思考は現実化する ナポレオン・ヒル著

思考は現実化するイメージ


どんな自己啓発書でも言っていることは大体同じです。

・考える前にとにかく動け、やれ

・コミュニケーションをとってうまくやれ

非常に雑、かつ乱暴ですが自己啓発書が言うところはほぼこの2点に集約するんじゃないかと思っています。

では、今回の話をまとめます。

一般書・ビジネス書は根拠よりも経験に立脚したものが多く、それが強みである。中には科学的な考察を交えた傾向の書籍も少なくない。自分が求めている方向性にあったものを選ぼう。確かめる方法は前書きの内容と、巻末の参考文献の数がある程度傾向は読める。自己啓発書は自分が一番好む内容のものが1冊でもあれば十分。最後には好きなものを選んで、読むといい。

医療職者など専門職者は大きい本屋にいくと、真っ先に自分の分野のコーナーに行って安心してしまいがちではないでしょうか?人の家にお邪魔するような心持ちになるので、他の領域に足を踏み込むのは少し勇気がいるかもしれません。ですが少し分野が変わるだけで新しい世界がたくさん開けるのでぜひ自分の好きな領域を探してみてください。

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