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バックオフィス(官庁)とフロントオフィス(民間)について

フロントオフィスはプロフィットセンター、バックオフィスはその管理。で、中央官庁たるものは管理の総本山、ということで正直新しいことをアグレッシブにやっていく組織ではない、ということを改めて認識しているところです。

よって、コロナ下という人類初の環境下での政策決定というものは実はどんなに優秀でもバッグオフィスのプロフェッショナルという方々が作っているとすると、それはそれは慎重にならざるを得ない、ということなのだな、と中にいると改めて思うわけです。そして、正直無理なのでは、と。私もよく言われます、「とにかく前例に倣え」と。

フロントオフィスで良かれとされる、新たな発想・チャレンジ精神などを、バッグオフィスの方々がそれを売りとしたら?Vice Versaで、バッグオフィスで良かれとされることはフロントオフィスでは通用しないでしょう。

ということで、外資のフロントにいた私としては、子育てがあるから選んだ職場であって全く性格に合わないのは正直なところ。とはいえ、きちんと責任感をもって任務を遂行しようと思っている所存です。

ただ、すごく問題であるなと思うこの組織構造。
まず、異動が激しすぎる。不正をされないように、とのことなのでしょうが、元がまじめな方々なので不正をやろうということよりも、「責任感が育たない」という状況に陥る。2年前後で異動になれば、どうにかやり過ごそうという方向へなりがち…?
引継ぎがきちんとなされていない。省庁内での忖度が大きく、これこそ!という問題など曖昧にしてそのままFadeout.
日々の業務の責任の所存も曖昧。下にいる人間が一番動くので色々分かっているのだけれども、2年毎位に異動してくる方が上に立つので、指示が全く頓珍漢なことになり、何か起こると「下の人間が」ということになる。
人数が多いので、まるで伝言することだけが仕事のようになっている。
何より、新卒の時からずっと外の世界を見たことがないので、戦後のような意識のまま(もちろん進歩はあると思います)それが常識となる。
ということで、時間軸がとてもゆっくり。民間では1週間で終わるところ、5か月位かかってしまう。
ハンコ文化がしっかり生きている。いや、確かに「ハンコ」は使わなくてもよくなりました。「手書きのサイン」がOKになったのです。でもそれって、文化は生きてるということですよ!
実際の業務に関わりのない方々10人位、上の組織に決めごとをあげるまでにチェックが入る。これは、連帯責任ということなのでしょうか?

すごくまじめで優秀な方々。性格だってとてもよい方も多いのです。本当に古き良き日本人を絵に描いたような感じです。
でも、もう戦後70年以上経っています。ここだけ止まっているように思えるのです。
そして、「民」と「官」をとても分けて考えがちな気がしますが、そういう考え方も古くて、そこの距離を埋めていかないと今後日本はグローバル社会で生き残っていけるとは思えません。私達も「官」の批判をするだけじゃならなく、相互理解の元、変えていこうとする気持ちが必要なように思います。例えば、中央官庁は数年間民間企業で仕事をする、数年間留学をする、なんでもよいですが、もう少し外の世界を見なければなりません。上層部や出世コースの方々はあるようですが、限られた人数だけではなく、全員義務付けるとか。優秀な頭脳と性格の良さを持つ彼らがもっと有効に動けるような組織改革が必要です。
内閣官房で働いていた経験のある友人が言いました。「イノベーションは、省庁内からは起きないのよ。民間からじゃないとなかなか進まない」。

私の役割は、民間出身として「考え方に波風を立てる」ことだと思い、あえて色々と口を出しては意見を言わせてもらっているので、正直私も損な役割だなと思いながらもいますが、自分の子供たちにつながる社会だもの、とその時はがっちり社会派になり覚悟を決めて発言しています。
そんななので、正直採用してくれた方々も大変なはず。でも、お互い歩み寄りながらがんばってるよね、とお互いを称えたくなる、クリスマスには「Merry christmas, Mr Lawrens」と言いたくなるような、同じ日本人なのに時空を超えた世界に住んでいるような気がするこの数か月です。



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