高永 しゅん
過去のショートショート作品をまとめています。
自分の内側にあるものを、外側に現していく。
この気持ち、この感覚、世界のどこかに共感してくれる人がいる。
たましいのみなと。それは、すべてがはじまる場所。命の煌めきも、感情の揺らめきも、この港から旅立っていく。
今までに投稿した短歌をまとめています。
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「その中であの子だけが、ひどく綺麗に見えた。あまりに美しかった。」 そう呟いた彼は、とても苦しそうに目を伏せました。 まるで片時も「あの子」を忘れることなどできないというように、 昼も夜もぼうっとしている姿は、外から見ていればよくわかりました。 彼は「あの子」に恋をしているのでした。 およそ「あの子」に出逢うまでの自分自身など忘れてしまったように、 世界のありとあらゆることは、「あの子」を映して彼へ届きました。 宵闇が明けゆく、空の果てに。 咲き乱れ風に舞う、一片の行方
照りつける太陽に じんわりと血が温まる 生まれた季節の喜び それはすべてを照らし出す光 顔をあげて 空の海へ飛びこめば 目に鮮やかな空の青さ 彩りは心まで届いて 涼やかに吹きわたる風に 清らかさを取り戻して 先をゆくのはしろい龍 悠々たるそのすがたを 瞬く間にかえながら この地球に恵みをもたらす
20年に1度のグレートコンジャンクションによって、風の時代に突入したと言われる2021年。 今年に入ってからふと興味を惹かれて、それ以来、毎日のように私を幸せな気持ちにしてくれるのが、エンジェルナンバーだ。 夜中に目が覚めて時計を見たときの、4:44。 通勤中の信号待ちで目に飛び込んできたナンバープレートの、9999。 職場に着いてパソコンを立ち上げたときに表示される、11:11。 いつも寄るスーパーのお会計、¥777。 寝る準備が終わって布団に入ったときの、22
胸が痛むよ 苦しくて潰れそうなほど 何かが僕を壊そうとして こんな悲しみを与えているの? 僕が望んだのはたったひとつ 君と僕の未来 僕にとってただひとりきり 君だけがすべてだったよ 君はいつも僕に 優しさを与えてくれたね 寒い日には欠かさず 冷えないようにあたためてくれた 落ち込んだ時は隣で 静かに相槌を打ってくれてた 今日までずっと 忘れたことがなかったよ 夏の太陽に溶けるように 流れていった雫の煌めき 一生大切にするって 君が言ってく
#人生を変えた一冊 #サヨナライツカ #辻仁成 サヨナライツカ いつも人はサヨナラを用意して生きなければならない 孤独はもっとも裏切ることのない友人の一人だと思うほうがよい 愛に怯える前に、傘を買っておく必要がある どんなに愛されても幸福を信じてはならない どんなに愛しても決して愛しすぎてはならない 愛なんか季節のようなもの ただ巡って人生を彩り飽きさせないだけのもの 愛なんて口にした瞬間、消えてしまう氷のカケラ サヨナライツカ 永遠の幸福なんてない
曇っているのに 空は明るい 小雨がキラキラ 光のシャワーみたいに この街にそそいで 私の心にそそいで 潤っていく 何でもない5月の 風の強い午後
会いたいと願っても 叶わない僕らの涙が 昼となく夜となく 雨となってふりそそぐ 君を想えば、ほら またひとしずく