東京ゆらんミニ〜一の湯編〜
ササウナ視点
北関東の言い伝えを教えよう。結婚には大切な3つの袋がある。それは、池袋、大袋、沼袋である。
-アルベルト・アインシュタイン-
冒頭からクソつまらない大嘘を書いてしまった。ここも別々に攻略している。
一の湯を語るのに避けて通れないのは、番頭さん、いや、先に行ったサシミンクさんにならい、親しみを込めて「おかみさん」と呼ばせてもらおう。
おかみさんの優しさがすごい。
まず、ゆらんミニのシールラリーで来ている旨を伝えると、遠くから来たことを大変労われて、「雨とかで濡れないように」と、それ用の小さいクリアファイルをくれた。こんなジャストサイズのクリアファイルを、わざわざ買って用意してあったのだ。
「ありがとうございます、貸しタオルもお願いできますか、おいくらですか」
「お金なんていいのよ、2枚でいいかしら」
「2枚!」
千鳥のノブさんが「イカ2貫!」というときのようなテンションで驚いてしまったが、マジで無料で2枚貸してくれた。
感謝しかない。お金は受け取らないというし、そうなると他に私にできることはおかみさんに交際を申し込むくらいしかないのだが、私は妻子がある身であるし、おそらくおかみさんもそうだ。休憩室の漫画ラインナップ「白竜レジェンド」「20世紀少年」などのチョイスは、あの菩薩のようなおかみさんから繰り出されているとは考えにくい。何も返せなくてごめんなさい。おかみ…。
みたいなことを考えながら入浴した。
露天風呂が気持ちいい。そして特筆すべきはミストサウナである。立派に体が温まるのだが、これも無料だ。ここまで来ると優しいとかそういうことじゃなくて、シンプルに商売が下手なのではないかと心配の域に達してしまう。
ウサマ・ビンラディン似のおじいさんと、ゆっくりとミストサウナをご相伴させていただいた。いい入浴だった。
沼袋、いい街であった。
最後におかみ礼賛をすべて台無しにする余談を書くが、過去に北関東の某県警の方が新郎で、半数以上の出席者が警察関係者であったにも関わらず、新婦側代表、乾杯のご挨拶としてとして「3つの袋」のエピソードの、どシンプルに下ネタのやつを披露したことがある。最悪、服役まで頭をよぎったが、五体満足で済んだし、というかけっこうウケた。
ウケたなら良かった。このマインドだけで生きている。
サシミンク視点
沼袋駅を出て商店街を通り抜けると、一が見える。そう、一の湯だ。訪問日は生憎の雨。なんなら強い。なのでこの看板が目に入ったときに安心したと同時に小走りをする。入り口の前は大きい屋根があるので落ち着いて傘を畳む。既に身体は冷え切っている。
中に入るとすぐに番台があって、おかみさんの姿が見えた。早速お金を払いゆらんのシールをもらい、お遍路スタンプの用紙を出す。すると、『どこから来たの?』とおかみさんに声をかけられた。そこから会話が弾み、おかみさんの優しさに触れ続けた。東京ゆらん巡りの中ではこうした出会いがあるのも魅力だ。
番台、休憩スペース、更衣室は全部一部屋になっていてとても広い。お風呂も通常の浴室とミストサウナ、露天風呂とあって、こちらも広い。露天風呂でじっくり体を温め、ミストサウナに向かう。
一定時間にものすごい量のスチームが出るタイプのやつで、音がすごい。『スチームが出ています!』という感じが強くて良い。
最後に通常の浴槽でゆっくりして上がることに。着替えているところにおかみさんがやってきた。『クリアファイルどうぞ』と。おかみさんの優しさがより染み渡る。ありがたくいただき、今でも用紙を入れるのに使っている。
その後飲み物を買い、広い椅子に腰をかける。他のお客さんも新聞や雑誌、漫画を読みながら各々がのんびり過ごしている。
一の湯は三つの広さがある。休憩室兼脱衣所、浴室、おかみさんの心だ。
この日の体験は後に一の湯に行くであろうササウナさんに申し伝え、帰宅の途につくのであった。
一の湯メモ
煙突と看板が目立つ。
入り口前の屋根が広い。
おかみさんがとても優しい。
迫力のあるスチームサウナがある。
露天風呂も広い。
休憩スペースがとても落ち着く。
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