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Punk of meー私の音楽遍歴 29

私を構成する42枚<8>

20.XTC Fossil Fuel XTC Singles 1977-92
XTCのシングルA面だけを集めたアルバム。
私は「曲をすべて聴いたわけじゃないが、めちゃ好きな曲が1、2曲あるアーティスト」ってのが結構いて、XTCもその一つ。ていうかわたくし、(おそらく)すべての曲を聴いたことあるアーティストなんて数えるほどかも知れないなぁ。
XTCもね、例の「高校生の頃ダイクマで買ったコンピ盤」に入ってたんだけども、その時はピンとこなかったんだよね。ちなみに’Making Plans For Nigel'(邦題:がんばれナイジェル)が収録されてる。
私はまず、音楽は曲がカッコいいかで入ることが多い。歌詞よりも。だから初めて聴いた時は普通に聴き流し、普通にいい曲だなくらいに思ってた。しかし歌詞の内容を知った今では、すごい刺さるっていうか、いわゆるメサイアコンプレックスの人間を揶揄してるんだろうなと。そう思うとなんか曲自体も好きになってきた。

ちょっと脱線してしまうが……私の中で、音楽に初めて触れた中学生の頃から答えが出ない問題?がある。
「曲(音や歌唱)はカッコいいのに歌詞がめちゃダサい曲は好きになれるか?」ってこと。私は多少、英語は理解出来るといってもやはり母語は日本語。そして圧倒的に洋楽を聴くことが多いので歌詞を理解、意識しなくても普通に「カッコいいな」って思うことはあるんだが。予備知識ほぼゼロで音から入って、この曲めちゃカッコいいな、って感じた時歌詞やそのアーティストについて調べるという癖がついている。他の曲もカッコいいならば音源を買ってみようとか、メンバーはどんな人でどんなバンドに影響を与えたのか、逆にどんなルーツがあるのかなとかね。

なんとなく今気づいたんだけど、私があまり邦楽を聴かないのは歌詞にちょっとシビアな面があるからかも知れない。音がカッコ良くても歌詞がなんかイマイチだったり説教臭かったり(皮肉でわざとそうしてるのは別)すると「う~ん……」ってなることが結構多いから。その点、他の言語の歌詞だと理解が不充分なためにBGM的に聞き流せてしまう。

閑話休題。というわけでXTCの存在は結構前から知っていたものの、全然注目せずに来た。例のダイクマで買ったコンピ以外のパンク/ニューウェイヴ系コンピにも結構入ってるから、数曲は知っていたんだけどね。
けど、ツイッターを始めるようになって私の親しいフォロワーさんの中でXTCは神!と仰る方が何人かいらっしゃって。で、改めて聴いてみたんですわ。コンピに入ってるのや動画サイトで。そしたら「結構いいじゃん...?」って。前述の通り、全部聴いたわけじゃないし、XTCは多作なのでとてもじゃないけど一気に後追いするのは難しい(全部のアルバムが気に入るかも怪しいってのもあるのだが 汗)。
で、まず新規開拓するときはベスト盤という私のポリシー(って程のものはないが)に則って、この2枚組シングル集を買ってみたんですわ。年代順に並んでいるのだけど、私は初期の方が好みっぽいなぁ。今、色んなバンドに興味が出てきてしまってるからXTCを深堀りするのは後になりそうだけど、いずれもっと聴いてみたいと思っている。
★このアルバムで特に好きな曲★
Science Fiction
This Is Pop


21.Television Marquee Moon
知的で美しい系のNYパンク。パンクというくくりだけでは語れない文学性、色気と哀愁を帯びた独特の空気感。もろに私の好物。ああ、テレヴィジョンも例のダイクマコンピで初めて知って聴いたのだった。あのコンピに入ってるのは表題曲にして超名曲のマーキームーンのショートバージョン。このアルバムに収録されてるのはたったの8曲だけど、その内5曲が5分以上でアルバム最後の曲、マーキームーンはなんと10分超えでプログレ並みに長い。
このアルバムが発表されたのは私が生まれる直前か……。あの当時のニューヨークで青春時代を過ごしたかったと本当に思うわ、この辺りのアーティストの曲聴いてると。
メンバーのトム・ヴァーレインが今年1月に亡くなったのはショックだったな。
★このアルバムで特に好きな曲★
See No Evil
Marquee Moon


22.The Velvet Underground The Velvet Underground and Nico
これまた説明するのが野暮すぎる作品だわね。なので極めて個人的な感想や与太話だけにとどめておく。彼らの存在を知ったのは高校1年の時だったか?あ、例のコンピは関係ないよ(笑)。彼らはパンクに影響を与えたかもしれないがアートロックとか実験音楽ってやつだしな。私は何をきっかけに彼らを知ったのだっけ。まるで覚えていない。けど中二病ならぬ高二病ってやつなのか、めちゃ衝撃を受けて影響されたよね。それまでに触れたことのない系統の音楽だったけれど、なんか妙にしっくりきてしまって。
高3の時にとあるプログラムの県代表に選ばれてアメリカ東海岸へ行ったんだけども、ニューヨークではずっと頭の中で彼らの曲が流れっぱなしだった。ああ、今、彼らと同じ空気を吸っているんだなぁ、彼らが存在してた街にいるんだなぁってね。
彼らの曲で私が一番好きな'Sunday Morning'を今でも日曜の朝に聴くという習慣がある。あの気怠さ。土曜の夜更けから部屋でひとり、酒を飲んで微睡みつつも気が付いたらほんのり窓の外が白んでいて、置き時計にふと目をやったらああ、4時半か、酒瓶はもう空だ……みたいな感覚。
'Sunday Morning'は私の臨終の際にかかっててほしい曲なんだよね。僅か2分54秒の陶酔。
しかし……この曲を作ったルー・リードが日曜の朝に亡くなったというのは泣ける。

あ、これは本当にどうでもいいんだけど、わたくし、このアルバムに参加してるNicoに(雰囲気が?)似てると言われたことが数度あるのだが、それはどうなんだろね(汗)。Nicoはアラン・ドロンとの間に子供がいるんだがな…。まぁ、Nicoはこのアルバムに収録されてる彼女がヴォーカルを取ってる曲'Femme Fatale'、「宿命の女」そのものだよね。
★このアルバムで特に好きな曲★
Sunday Morning
Heroin
I'm Waiting for the Man