マガジンのカバー画像

雷雨の翌日にわたしは生まれた

139
波瀾万丈の私の半生を綴った手記。不定期連載。写真は私の誕生花、ニゲラ。花言葉は「とまどい」「夢の中で会いましょう」「不屈の精神」。
運営しているクリエイター

記事一覧

雷雨の翌日にわたしは生まれた(仮)<139>

Lange Nacht 夜が長い。熱のせいか冬のヨーロッパにいるせいかは分からない。フランクフルト…

Noe
5か月前
8

雷雨の翌日にわたしは生まれた(仮)<138>

舞姫 ベルリン行の便は私と同じく観光客らしき人々、出張帰りのビジネスマン風の男たち、家族…

Noe
5か月前
10

雷雨の翌日にわたしは生まれた(仮)<137>

冬のヨーロッパ 8泊9日の駆け足の東欧旅行。デパートの両替所で導入されたばかりのユーロ紙幣…

Noe
5か月前
9

雷雨の翌日にわたしは生まれた(仮)<136>

苦き珈琲 今年ももうすぐ終わりだ。去年の今頃はなにをしていただろうか。そうか、スーパーと…

Noe
5か月前
9

雷雨の翌日にわたしは生まれた(仮)<135>

visitor 今夜はお世話になった春山さんの送別会だ。ここらでは有名な鶏料理のお店が会場だが…

Noe
6か月前
9

雷雨の翌日にわたしは生まれた(仮)<134>

Go East 初めてのヨーロッパ、初めての一人旅は旅とはとてもいえない、しまりのないものにな…

Noe
6か月前
5

雷雨の翌日にわたしは生まれた(仮)<133>

都会のノイズ せっかくロンドンまで来たのに、有名な観光スポットには足を運ばなかった。バッキンガム宮殿もビッグベンも見ずに美術鑑賞と街歩きだけで一日が終わる。一体なにをしにロンドンまで行ったのかと呆れられるかもしれないが、私にはこういう旅が合っているのだと思う。ああ、出発前に勲さんに絵葉書送るね、と言ったっけ。けれどいいや、書くことなんて思い浮かばないから。 2年前の今頃はクラブ遊び仲間のリサとロサンゼルス旅行をしていた。あの時も観光地には行かず、連日ショッピングとジャンク

雷雨の翌日にわたしは生まれた(仮)<132>

ひまわり 夜中に目覚め、お菓子を食べながら大英博物館で買った図録を眺めた。今日はどこへ行…

Noe
6か月前
11

雷雨の翌日にわたしは生まれた(仮)<131>

Mind the gap 何時間眠っただろう。時計を見る前にカーテンを開けるとどうやら本当の朝のよう…

Noe
6か月前
12

雷雨の翌日にわたしは生まれた(仮)<130>

グリニッジ時間では退屈と 朝早くアパートを出発し、ロサンゼルス旅行の時に買った安物のスー…

Noe
6か月前
10

雷雨の翌日にわたしは生まれた(仮)<129>

では、また 久しぶりに会った勲さんの第一声は 「真っ当な服、着てるじゃんか」だった。 真っ…

Noe
6か月前
6

雷雨の翌日にわたしは生まれた(仮)<128>

カオス 24回目の春を迎える頃、私はまた新しい店で働くことになった。今度は今までのように夜…

Noe
6か月前
10

雷雨の翌日にわたしは生まれた(仮)<127>

Sweet Memories スーパーも夜のお店ももう行かない。私は無断欠勤を続けた。夜の店はともかく…

Noe
6か月前
7

雷雨の翌日にわたしは生まれた(仮)<126>

All I Need Is…… いつものように駅のデパートの大きな本屋に寄ってから、そしてこれまたいつものようにコンビニでチキンドリアとコーヒー牛乳を買ってから店に行った。 今日も私は暇そうだ。部屋に一人で寝転がって面白くもないテレビをボーっと見ていると、廊下から声が聞こえてくる。私以外は忙しいのだろう。 この頃にはちっとも客が付かなくなっていた。お客が2人付いて1万少し貰えればかなりマシな方。指名客だったあの人やあいつは一体どこに消えたのか。私が好きになってしまった勲さ