研究室選びについて補足

研究室を主宰して、色々な学生を見てきた観点から、研究室配属もしくは大学院選びについて、数あるアドバイスとは違った観点での選び方を示したい。
以前、博士課程に進学する人向けに同じテーマでしたためたが、今回はそれの一般的なバージョン。

直感を信じよう

こう書かれては元も子もないと思うだろうけど、結局は自分の直感を信じるしかないように思う。理由はいくつか。

・研究室の雰囲気は今いる人でころころ変わる。見学に行ったときにいた先輩が配属されたらいなかったなんてのもザラ。
・研究テーマは望みのテーマをやらせてもらえるかわからない。特に大学の研究室で行う研究は、進捗によって変えられたり、別の方向に向かったりするので、必ずしも研究室選びの条件に入らない。
・指導教員は見学者(特に優秀そうな学生)には是非入って欲しいと思うので、いい人ぶったり、研究を誇張したり、あの手この手で引っ張ろうとする。
・所属学生やOBの話は、その人が研究室でどういう立場だったか、によって感じ方が違うので、参考にする程度にしておく。

結局、自分でココ!と思ったところに決め打ちするのがよい。但し、研究室見学にはいくことをおすすめする。
正直、数時間見学しただけでその研究室の本質は見抜くことができない。経験のない学生ならなおさら。これは、明らかにやばいと思われる研究室に次々と配属希望を出してしまう学生がいることからも察することができる。

スタッフが元気かどうか

とはいえ、何かしら指標が欲しいと思う人がこの記事を見るのだと思うので、一つだけ。日本の研究室は指導教授の他に准教授と助教がいる、講座制をとっている場合が多い。教授は自分の研究室なので元気であることが多いのだけど(ここがダメなら終わってる)、その下にいる准教授や助教の扱いが散々であったら要注意。
講座制ではこの准教授や助教が主に学生の実験を指導することが多い。ここが優秀でないと、もしくはバリバリやっていないようだと研究室としてはうまく回っていないケースが多いと思われる。

これはある意味、よく言われる指標である「博士課程に進学した学生がいるかどうか」と似ている。しかし、博士課程に進学する理由は様々。一方でスタッフは研究がやりたくてその職についていることは前提なので、より明確な指標になるかと。

バリバリやっているかどうかは、その助教や准教授の科研費獲得実績や論文、受賞歴を見るとわかる。指導教授よりもこっちを見ることのほうが研究室の実態としては分かりやすいのでは??

負の実績がある研究室は避ける

いわずもがな。負の実績は
・ドロップアウトの学生がいる。
・学位を取得できずに指導認定退学した博士課程学生がいる
・研究費・研究設備がほぼない
など。これは研究室見学のときに確認することができる。何故か隠したり、お茶をにごしたりするようなら要注意。
学生を募集しているのに、HPに卒業生の就職先が書いてないところは怪しげ。

以上、補足的に書いてみました。

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