研究室の選び方:博士課程進学を考えている人編

こんにちは。
今回は研究室の選び方についてコメントします。すでに色々なサイトが研究室の選択について指標を示していますが、ここでは博士課程進学を考えている学生、もしくは可能性を考えている学生に向けて、どのような基準で選ぶと良いかを提案しようと思います。
自らの経験、および、PIとして色々な研究室を見てきた経験に基づくものですので、絶対ではないことを最初に言っておきたいと思います。

JSPSの特別研究員に採用されたことがある、もしくは、指導学生が特別研究員に採用されたことがある研究室

博士課程進学の際、必ずと言っていいほどM2の春にJSPSの特別研究員の申請書を書きます。これに採用されると、大体に人は初めての自分の研究費を獲得できるほか、月20万円の奨学金(返済不要)をいただけるので、生活費を考えることなく研究に集中することができます。
ただし、採用率は2割から3割の狭き門です。これに採用されるかどうかでその後の研究生活に影響が出ることは間違いないでしょう。

この申請書ですが、採択されるのに最低限必要な書き方があります。それを知っているかどうかでだいぶ採否に影響すると言っても過言ではありません。なので、それを知っていそうな教授がいる研究室に行くと良いでしょう。指標としては、
・過去に自身が特別研究員に採択されたことがある
・指導学生(もしくは研究員)が特別研究員に採択されたことがある
人が良いでしょう。検索で「教授の名前 日本の研究」で調べると「日本の研究.com」というサイトが引っかかります。ここには、これまでその研究者が採択された研究費の履歴が載っています。このうち、「特別研究員奨励費」が特別研究員に採択された、一応の指標です。
これを見て、考えると良いでしょう。

博士学位取得までの平均年数が短い

 重要な指標です。日本の研究職およびアカデミア界隈では、キャリアのスタートが早ければ早いほど良いです。なぜなら、色々な研究費および賞は年齢制限があるからです。博士課程は3年と規定されていますが、最長6年まで延長することができます。しかし、博士の学位取得条件は大体、論文の発表数で決められることが多く、修士課程から所属していると5年間、この数をこなせないことはほとんどありません(特に化学系では)。
 個人的には、博士の学位取得年数が長引いてしまうのは、指導教員のせいだと思っています。自発的に研究をする課程という人もいますが、日本のシステムでは博士課程も指導を受けている状態ですので、学位が必要年限数で取得できないようであれば、何らかの(不都合な)理由が存在します。ただし、博士課程から研究室に所属した場合は、3年間で条件を揃えないといけないため、年限を超えてしまう、いわゆるオーバードクターにならないと学位が取れないことも多いです。ここは博士課程の学生がいつからいるのかも判断の基準にする必要があります。

学生の国際学会での発表を積極的に行なっている

 国際学会での発表は学生にとって世界の研究者と知り合える数少ない場です。一方で、研究費的には海外渡航費や参加費などを含めると通常の海外旅行よりもかかりますので、悩ましいところです。しかし、積極的に国際学会に学生をいかせている研究室は学生を育てようという気はあると思いますし、国際学会に行かせるだけの財力を持っていることになります。
ただし、やはりお金がかかりますので数少ない研究費(それも科研費など国税が原資となる資金)を無駄に使いたくはない、と思うのが普通で、博士課程のみや、博士課程進学希望者のみなど対象を限定しているところが多いと思います。発表履歴などはHPに載せている研究室もありますが、載せてないところが大半なので、実際に見学に行ったときに聞いてみましょう。

以上、思いつくままに書いてみました。参考になれば幸いです。

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