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これまでとこれから

こんばんは、竹内です。

生まれ育った九州を離れ、大阪に住んで1年とちょっと。

いとう写真館という、大阪を拠点に全国を巡回する写真館で働いていました。

今日が最終出社だったので過去形です。ざっくり振り返りと今後について備忘録的な意味合いで書き綴っています。ちっと長いです。

【振り返り】
伊東さんのアシスタントとして1年半近く行動して得た経験は、これまでの人生の中でもかなり濃いものでした。体感的には5年分くらい。

時系列で言うと、こんな感じ。

<2018>
fog linen work/東京都世田谷区
BLAUBERG an der KÜSTE/神奈川県横浜市
秋篠の森/奈良県奈良市
hanatolife/福岡県糸島市
草伝社/佐賀県唐津市
gris souris/千葉県千葉市
monogram/東京都目黒区
WONDER PHOTO SHOP/東京都渋谷区
土屋鞄製造所 西新井本店/東京都足立区
マークスタジオ/大阪府大阪市
<2019>
旅館大村屋/佐賀県嬉野市
norm/和歌山県和歌山市
スマッジコミュ/広島県安芸郡
6[rock]/兵庫県篠山市
はじめギャラリー/熊本県熊本市
ギャラリー夢雲/奈良県宇陀市
生活購買店 reed/福岡県うきは市
旅をする木/佐賀県佐賀市
隆太窯/佐賀県唐津市
草伝社/佐賀県唐津市
hanatolife/福岡県糸島市
käsi-friendly/岩手県盛岡市
問(tou)わざわざ×つばめコーヒー/長野県東御市
ソーイングギャラリー/大阪府枚方市
gris souris/千葉県千葉市
BLAUBERG an der KÜSTE/神奈川県横浜市
fog linen work/東京都世田谷区
秋篠の森/奈良県奈良市
monogram/東京都目黒区
mono.hair/大阪府大阪市
旧鎌掛小学校/滋賀県蒲生郡
TIBETAN MARKET/長崎県長崎市
WONDER PHOTO SHOP/東京都渋谷区
つくる。/愛知県一宮市
galerie6c/兵庫県西宮市
マークスタジオ/大阪府大阪市

全部で36の現場を経験したようです。数字にするとあっさりしているけど、実際はテンパることも楽しいことも悲しいことも腹立つこともいっぱいあって、それぞれが感情が大きく動く場でした。

最初のころは全く使い物にならなかったはず。それでも熱意だけの僕を拾ってくれた伊東さんには感謝しかありません。

撮影者がお客さんと向き合うために、スムーズに場が回るように見通す。非言語的で高度な要求もたくさんあるのだけど、それを一つずつできるようになると単純に嬉しかった。

一方的な思いかもしれないけど、最後の方は少しだけ阿吽の呼吸になっていたような気がします。

【1年半の足跡】

改めてまとめてみるとそんなにないような気がしますが、全部ハイエースに機材を積んで陸路で回っているので…
(毎年4万キロ=地球一周分も運転してるらしいです。そう考えるとちょっと目眩がしてきた)

バンドツアーやサーカス一座に匹敵するドサ周りかもしれません。慌ただしく駆け抜けてきましたが、全ての場所が脳味噌に色濃く焼きついています。


【それぞれの場所、僕の記憶】

<旅館大村屋/佐賀県嬉野市>
佐賀県は嬉野でかなり古い歴史を誇る旅館大村屋。天保元年(1831年)創業で伊能忠敬も泊まっていたとか。この時点でもう凄すぎるんですけど、会場のセッティングをしながら驚いたのはオーディオの充実ぶり。

現社長の北川健太さんは相当なビートルズマニア(もはや研究家)で地元でビートルズのラジオ番組を持っているほど。とんでもない歴史ととんでもない音楽沼。しかも温泉も食べ物も美味しいし、宿泊場所と会場が同じなので僕的には一番ありがたい現場でした。もちろん温泉も入り放題。最高!

旅館業を営んでいる人たちのホスピタリティも素晴らしく、その姿勢から学ぶこともたくさんありました。鹿児島県民からするとなかなか佐賀に来る機会がなかったのですが、ここを目的に泊まりに来たいと強く思える宿です。またよろしくお願いします、健太さん!

<norm/和歌山県和歌山市>
和歌山市内にある生活雑貨のセレクトショップとギャラリーのnorm(ノルム)。年月を重ねた建物にしか出せない独特の空気が、観賞する側の気持ちもキリッと引き締めてくれます。

建物の外観も内観もとても素敵な場所で、オーナーの坂上さんが覚悟をもって営んでいます。近畿圏のなかでもまた特殊な位置づけの和歌山。

独特の風土と県民性があるようで、孤軍奮闘しながらしっかりとしたギャラリーを維持しようとするその姿勢がとてもかっこいいのです。

大人しそうに見えていろんな都市伝説に詳しかったり、宇宙の話で盛り上がったり、なかなかカオスなトークの引き出しのギャップがまた最高。

norm近辺には個性的で美味しい食べ物屋がたくさんあります。焼き鳥が美味しい「きく」やシェフが殺気立っている「やんぎ」。「きく」のレバーは最高だし、カレーなのに頑なにフォークでしか食べさせてくれない「やんぎ」も絶品なので、どちらもカウンター席で行って欲しい。和歌山、おもしろくておいしい。

<スマッジコミュ/広島県安芸郡>
マツダの本拠地広島市にある美容室、スマッジコミュ。オーナーの大更さんの底抜けに明るい人柄で、いとう写真館も長く続いている会場です。

地元の方にとても愛されているサロンでカフェも併設されている素敵な場所です。

美容師さんの営業力ってものすごくて、毎回予約組数がえらいことになっていて、数多くある会場の中でも特ににぎわいがあります。

必死でついていかないと、一つ歯車がずれると大惨事になる、そんな緊張感。でも、スタッフのみなさんも一生懸命手伝ってくれて、大変だけどアットホームな雰囲気が魅力な現場でした。

お近くの方はぜひ行ってみてください!

<6[rock]/兵庫県篠山市>
篠山にある木工と暮らしのお店、6[rock]。元grafの創設メンバー荒西さんが営むお店はあたたかい人柄のつながりを感じる素敵な現場でした。

去年までは同じ篠山市の違う場所だったので桜と一緒に撮影ができたのですが、今回は新しい場所に移ったため、茶畑を背景に。

6[rock]の期間中は日替わりのケータリングが来ていて、お寿司やバインミー、うどんなど、美味しい食べ物もいただけたのは幸福としか言えません。毎回現場はあわただしくしているので昼食を取る時間は基本的にないのですが、ゆっくり食べられる貴重な現場でした。

荒西さん自身もとても器用で多趣味な方で、車やバイクのカスタム、サーフィン、アウトドアなど興味あること全てに全力で打ち込む姿は、無邪気な少年のよう。仕事に対してもとても真剣で、持ち前の明るいキャラとジョークで現場を盛り上げつつ、しっかりと細かい気配りをされていて、本当にかっこいい大人でした。

ドシっと構えた頼れる親方感となにがあってもやっていける技術、無邪気な少年心のバランスは僕も見習いたいです!

<はじめギャラリー/熊本県熊本市>
熊本の建築事務所・連空間デザインが運営するはじめギャラリー。いとう写真館は北は北海道から南は九州まで開催しているのですが、その最南端の会場が熊本のはじめギャラリーです。

熊本ということで故郷の鹿児島も近く感じるせいか、熊本市内に到着した瞬間からホーム感があって安心しながら臨めた現場です。僕が初めて伊東さんの現場を見学するために来たのもここ。その時は彼女と2人で写真も撮ってもらって、いとう写真館の良さを肌で感じた初めての時間でした。

ギャラリーの担当の方もとても親切で、しかも熊本の方って九州の中でもおしゃれな人が多い土地柄もあって、写真館の最中も落ち着いた雰囲気が漂っていました。また九州に帰った時には寄りたい場所です。

<ギャラリー夢雲/奈良県宇陀市>
奈良県は宇陀市の山間部にあるギャラリー夢雲(むうん)。オーナーの山脇さんが1人でオープンした夢雲は築300年以上の古民家のギャラリーです。

いとう写真館としては毎年開催ではなく、隔年開催の場所なのでまた特別感がある場所で、夢雲の近くの龍王ヶ淵という池でも撮影ができます。

場所も都市部から離れていてけっして便利な場所ではありませんが、展示内容や空間の使い方、山脇さん自身のホスピタリティなど、それを補ってあまりある魅力があります。

展示期間は関西を中心にたくさんの方々が来るのですが、山脇さんが全体を見渡しながら1組1組の来場者に丁寧な対応をしていて、訪れた時間を本当によいものにしてくれます。僕も個人的に写真館以外に何度も訪れているのですが、毎回作家さんらと共に晩ご飯をいただいたり、泊めさせていただいたり、とてもお世話になりました。

夢雲に行くというよりも、「大好きな山脇さんが選んだ作品を見てみたい!」という感じ。70歳の山脇さんが頑張りながら楽しんでいる姿を見ていると、「自分も死ぬまで現役でありたいな」と思ってしまいます。

本当に尊敬していますし、大好きです山脇さん!

<生活購買店 reed/福岡県うきは市>
「なにやらうきははおしゃれらしい…」

宮崎に住んでいる時にそんな噂を耳にしてずっと気になっていた、福岡県のうきは市で生活雑貨の販売をされているreed。

気さくで優しい店主の中村さんご夫妻が目利きしたモノは見ていてワクワクするものばかり。

ちょうど写真館の前日準備で到着した時には山内武志さんの刺し子ファブリックが展示販売されていて、一目惚れして勢いで買ってしまうという、reedならではの洗礼を受けたのもいい思い出。

福岡弁のイントネーションも聞いていて落ち着くし、reedのまわりの古い街並みも撮影映えする良いロケーションばかりで撮影の時間も充実していました。

reedの他にも気になるスポットがいっぱいのうきは市は良かとこでした。また行きたいー!

<旅をする木/佐賀県佐賀市>

佐賀市の三瀬という地区にある養鶏場、旅をする木。養鶏以外にも稲作、炭焼き、カフェ経営など、いろんなことをされているオーナーの小野寺さん夫妻は、もともと地元は東京で仕事も大手の広告マン。

ずっと田舎暮らしに憧れていて、会社の転勤で福岡に来た際に佐賀への移住を決めたというお話を聞きました。話してしまうと簡潔なんですが、今に至るまでの道のりは簡単なものではなかったはず。

目の奥に優しい光を宿した小野寺さんですが、自分の信じた道を突き進む意思の強さ、自分が苦労をしてきたからこそ他者に優しくできる、人間としての器の大きさを感じました。

写真館の期間中は敷地内にある家に泊めてもらったのですが、その家も移住後にセルフビルドで建てたもの。見知らぬ土地を一から切り拓くなんて、とんでもなくしんどいことだと思います。

まずは自分で考えてやってみる。できないことは頼る。困っていたら助ける。地域の人と協力できる関係を築くためにしっかり人付き合いをする。当たり前にすべきことを、粛々と実践している小野寺さんのかっこよさは、簡単に言葉にできません。

敷地内にあるカフェ燈台には星野道夫さんの本もたくさんあって、「旅をする木」もエッセイのタイトルから付けられています。星野さんのように自然と対峙し、日々を冒険している小野寺さんに勇気をもらいました。また会いたいです。

<隆太窯/佐賀県唐津市>
唐津焼の有名な窯元、隆太窯。撮影の合間に作陶風景を見せてもらいましたが、土を練り、蹴ろくろを回しながらひたすらに自分の目指す形を追求していく姿は、まさしく禅問答でした。

作り上げるものに正解はなく、でも焼きあがったものは残酷なまでに今の自分のありのままの結果。

作陶を通して自分と向き合い、試行錯誤を繰り返す道のりの果てしなさを思うと個人的には怖さすら覚えました。二代目の中里太亀(たき)さんと三代目の健太さんが和やかに作陶する姿が今も目に焼き付いています。

とはいえ、そんなストイックなことばかりでもなく、二代目の中里太亀(たき)さんは気さくで面白く、とっても酒好きなダンディな方でした。

「作陶する者は料理にも精通していなくてはいけない。作って、使って、また作っての繰り返し。」という考えもあって、自宅には料理店並みのとても広い台所を備えていて、仕事を終えた夜には美味しい料理と美味しいお酒でひたすらに酔い潰れ、ぐっすり眠れました。

いとう写真館の打ち上げの中で一番酒を飲んだ会場は間違いなくここです。

普段はあまり開放していない貴重な場所で撮影会ができたことが本当にありがたいです。唐津に来たらまた寄ります!

<草伝社/佐賀県唐津市>

さまざまな唐津焼のギャラリーの場として親しまれている草伝社は、本業は和菓子屋を営む原さんのお店です。作務衣を着て褌を締めて、おまけに丸刈り。唐津のために誰よりも動いて徳を積んでいる原さんの見た目は完全にお坊さん。

いとう写真館が九州北部のたくさんの会場で開催できているのは、原さんが各所に営業して繋いでくれたからこそ。本当に頭が上がりません…

自分と関わる人としっかり向き合って、唐津のために尽くす姿勢をみていると、本当に唐津に欠かせないキーパーソンなんだなぁということがわかります。色んな会場と繋げてくれるのは原さんの営業力もあるのですが、それよりもまず人徳を積んでいるからこそ。

いつも笑顔を絶やさずに八面六臂の動きを見せる原さんを見ていると、「自分もいつかああなりたいな…」と思わずにいられません。

写真館をする時は毎回前乗りして草伝社に泊めさせてもらいました。いろんな唐津焼に囲まれて寝るという経験は今後一生できないはず。色んな意味で貴重な時間を過ごさせてもらいました。

またゆっくり行きたいです!

<hanatolife/福岡県糸島市>
目の前に糸島湾を臨むセレクト雑貨と額装屋さん、hanatolife。

きもちのいい海辺の一軒家は二階がヘアサロンになっていて、奥さんと一緒に仕事を営む石川さんは学者のような雰囲気を漂わせる額装家でした。

実はいとう写真館は外でのロケーション撮影があまりないのですが、ここでは珍しく海を背景に撮影できる場所なんです。お店から砂浜に抜けるまでが意外と大変で、たくさんの機材とフィルムを抱えて撮影についていくのに必死だった記憶があります。

でも、それを補って余りある素敵なロケーションはやっぱりここでしか味わえません。海をバックに撮るなら絶対ここがいい。

糸島から唐津に行くまでのドライブ風景もたまらないし、九州に来るならぜひ行って欲しい場所です。

<käsi-friendly/岩手県盛岡市>
東北って遠い。運転に関するネジがおかしくなった僕でさえ、大阪から盛岡市までの980kmはなかなかしんどかったです。今改めてGoogle マップのナビで確認しても17時間半て。調子乗ってましたすいません。

九州シリーズもなかなかハードだったためか、岩手に行くタイミングで伊東さんが腰に違和感を感じはじめ、大事をとって新潟に一泊して向かうことになりました。

移動日に2日かけるのはこれが最初で最後でしたけど、それだけハードだったということを切に伝えておきたいです。東北道の景色の変わらなさもやばい。ずっと同じ風景が続くので運転していて集中力がもたない。

でもそんな困難を乗り越えて到着した盛岡市はとっても素晴らしいところでした。

käsi-friendlyのオーナーの下山さんには美味しいジャジャ麺も御馳走してもらったし、käsi-friendlyの近くには宮澤賢治ゆかりのお店の光原社もあって個人的にテンションめっちゃ上がってました。

生まれ育った九州とはまた違った風土から生まれる文化の香りというか、根本的な部分の微妙な差異が民藝ひとつとってもいろいろあって興味深かったです。全然käsi-friendlyの説明にもなってないですね。でもなんだかいろんな刺激を受けたのは間違いないです。また来たいぞ岩手県!

<問(tou)わざわざ×つばめコーヒー/長野県東御市>
岩手から大阪への帰り道に開催させてもらった長野県は東御市の問(tou)。

一昨年平田さんと知り合ったのが縁で開催させてもらいましたが、普段は関係者以外には開放していない広大な撮影スタジオを使わせてもらって、貴重な経験をさせてもらいました。

お客さんらも長野の地元の人よりも東京をはじめとする遠方の方がとても多く、改めてわざわざの知名度というか、魅力が遠方まで届いていることに驚きました。

問(tou)がある東御市の芸術むら公園も敷地がとても広く、もっともっと色々と散策したい場所がいっぱいあるので、また東御を個人的に掘っていきたいです。

<ソーイングギャラリー/大阪府枚方市>
住宅街に突如広がる謎の雰囲気の敷地。一歩足を踏み入れるとタイムスリップしたような不思議な雰囲気が漂う、昔ながらの洋裁学校の中にソーイングギャラリーはあります。

2019年の年末には伊東写真事務所も星ヶ丘洋裁学校へ移転し、いまはここの一員となっています。一言では言い表せない独特の魅力が詰まった場所なので、ぜひ一度足を運んでもらいたいです。なんというか、タイムスリップします。夏は蚊がめちゃくちゃ多いので涼しい時期にどうぞ!

<gris souris/千葉県千葉市>
千葉県は稲毛地区にある生活雑貨店、gris souris(グリ・スーリ)。オーナーの飯島さんは伊東さんとも同い年でとっても仲良し。扱っているものも飯島さんの目利きが利いていてツボにはいるものばかり。

お世辞にも広いと言えない店内ですが、明るく優しく芯のある飯島さんの人柄で毎年いっぱいお客さんを呼んでくれています。楽しい現場でした。

ちょうどこの現場に向かう途中に祖父の訃報を受けて、急遽鹿児島に戻らなければならなくなったので色々とご迷惑をおかけしました。

飯島さん、また行きますね!

<BLAUBERG an der KÜSTE/神奈川県横浜市>
店名のBLAUBERG an der KÜSTE(ブラウベルグ アン ダー キュステ)はドイツ語で「海岸に立つ青き山」。なんてかっこいい響きなんだろう。

ここのオーナーの小平さん夫妻は豪快でサッパリした人柄で、まわりを上手く巻き込んでいくとても面白い2人です。

働いているスタッフさんたちも熱い人ばかりで、横浜のオシャレ度はこのお店のおかげで間違いなくボトムアップされているでしょう。

お店が入っている建物自体もとても雰囲気があるので、デートにもいいかもしれません。近くにあったら通いたい。けど長居をしてしまいそう。

<fog linen work/東京都世田谷区>
世田谷の閑静な場所にあるfog。僕にとって初めての現場だったのでとても思い出深い場所です。

リトアニアのリネン商品を中心に取り扱っている、それはもうとても素敵なお店なのですが、2018年の2月には僕もちょうどリトアニアに行ったばかりだったので、なんか色々と運命的なものを感じました。

オーナーの関根さんもとても物腰の柔らかい素敵で可愛らしい方で、僕はいっぺんにお店のことが好きになっちゃいました。仕事とか関係なく東京に行くと必ず寄るお店です。

みんなも行った方がいいですよ。

<秋篠の森/奈良県奈良市>
くるみの木が運営するレストランとギャラリーが併設された秋篠の森。

住宅街の一角にあるので初めての方だと訪れにくいかもしれませんが、いろんな樹木を丁寧に管理していて、そこだけ森が広がっている風景はファンも多いはず。

夏の時期にここの現場だと、熱中症になりかねないほど暑くてハードなのですが、ここでしか撮れない写真もあるので気合も入ります・

残念ながら、もうすぐ秋篠の森はクローズしてしまうのですが、今後はくるみの木の別の会場、鹿の舟(繭)でいとう写真館は開催します。秋篠から移植した樹もあるみたいですし、また新たな場所でも続けていくので奈良近辺の方はご安心ください。

<monogram/東京都目黒区>
東京は学芸大学にある写真屋monogram(モノグラム)。長い間いとう写真館の会場として協力いただいている会場ですが、日本中からフィルムが集まる東京屈指のラボでもあります。

店長のアズマさんの笑顔がとっても印象的で、他のスタッフさんたちもとても気持ちの良い接客をしてくれます。

お客さんの大事なフィルムを預かるからこそ、ラボ側もお客さんとしっかりコミュニケーションを取って細かい要望に応える。そんなプロ意識をもったmonogramスタッフたちへの信頼感はとても大きいです。

モノグラムに行ったことがある人はわかると思いますが、二階のギャラリースペースを写真館にするのって結構大変で。

予約もいっぱいなので少しでも詰まってしまうと階段前に渋滞ができるのですが、アズマさんやスタッフのみなさんのおかげでスムーズに進みます。さすがmonogram!

これからも東京に行った際には必ず寄ります。アズマさん、残業しすぎないでくださいね。

<mono.hair/大阪府大阪市>
大阪市内にあるヘアサロン、mono.。

僕自身もいつもヘアカットでお世話になっていた場所で、脱力系でほどよい距離感でいてくれる森さん、気配り上手の中川さん、明るくて面白い永井さんの3人トリオが心地よい空間を創っています。

広島のスマッジでもそうでしたが、やっぱり美容師さんの営業力はすごくって大賑わいの会場でした。個人的にもいままでずっとカットをお願いしていたのでお別れする寂しさもあるのですが、またいつか来るタイミングがあると思うのでその時はよろしくお願いします!森さん!

<旧鎌掛小学校/滋賀県蒲生郡>
いま放送されている連続テレビ小説「スカーレット」のロケ地としても使われている、どこか懐かしい木造校舎の小学校です。(現在は廃校になっていますが、地元のNPOが管理されているので見学もできます。)

実は今までいとう写真館を滋賀で開催したことがなくて、僕の知人が運営に関わっているギャラリーでやってみたいなと思っていたら、ここを会場として勧められて開催にいたりました。

写真館当日はケータリングや落語寄席も開催したり、地域の人にも楽しんでもらえるようなイベントになったはず。建築的にもとても興味深い造りになっているので、この建物が長く残るように、これからも少しでも貢献できたら良いなと思います。

<TIBETAN MARKET/長崎県長崎市>
長崎はいとう写真館が10年続いている、一番長い場所の一つです。なっちゃんという心強いプロデューサーが会場手配や集客も担ってくれるので、一番えげつない数(多い日で1日60組くらい)のお客さんが来る会場でもあります。

目が回るような忙しさもあるのですが、なっちゃんが人の流れをうまいこと捌いてくれるので実はそんなに疲れないという、阿吽の呼吸状態。ゾーン突入。撮影の向こう側(なんやそれ)。

鹿児島県民的には地味に長崎って遠いので、僕は修学旅行くらいでしか行く機会がなかったのですが、今回は長崎くんちの時期でもあったので、街もお祭り状態。龍踊りも見ることができて、とっても楽しい滞在でした。一点、伊東さんが手配した宿がひどいことを除いて…笑

皿うどんもカステラも美味しかったし、とってもうまかとこでした。また来ます!

<WONDER PHOTO SHOP/東京都渋谷区>
東京は原宿にあるWONDER PHOTO SHOP。若者文化の発信拠点ということもあって、高校生や若者が入りやすいポップな雰囲気の写真屋です。

個人的に驚いたのが、チェキと写ルンですの人気。どうしてもデジタルになりがちな世の中で富士フイルムが頑張ってる。

働いているスタッフも多くて、写真屋受難の時代でも工夫次第でなんとかなるという道筋を示しているような気がしました。これからも頑張ってください!

【余談】

いとう写真館に関わったなかで一番キツかったのは、2018年の夏に伊東さんがお盆休みのことをすっかり忘れていて、一晩で北海道(千歳)から東京(目黒)までドライブしないといけなくなったこと。

しかも函館-大間のフェリーだったので、ひたすらに長かった…

このドライブで僕の運転に関するネジは完全に弾け飛んだので、200〜300キロくらいだと近所に感じてしまいます。

ただ、無理を通すと道理が引っ込むという言葉もあるように、無理しすぎていると当たり前に通るべき道理が通用しなくなってきます。その後もその兆候が続いたので、それはよくなかったなと反省しています。

【これからについて】

今後は株式会社わざわざに入社します。新参者なので業務内容はまだはっきりと定まっていませんが、昨年オープンした店舗 問-tou-で働く予定です。

このnoteを読んでいる方で、もし長野に来る機会があればぜひお立ち寄りください。

過去のnote記事にも書いたように宮崎と鹿児島のイベントをきっかけに平田さんと知り合い、いまこうして長野へ行くことを考えると壮大な伏線回収が行われようとしています。

鹿児島に生まれ育った身からすれば長野に住むことを1ミリも想像していなかったのですが、変化は楽しめる方なのでこうしてご縁が繋がって嬉しい限りです。初めての海無し県、初めての雪降る県。生活する場も変わって、この年になってまた初めてのことに出会える機会にワクワクしています。

長野以外にも山梨や静岡や群馬、北陸や東北にも興味津々なので、個人的にドライブしまくろうと思います。まずは雪に負けないように四駆の車買わなきゃ…(誰か譲ってください)

【自分の撮影活動について】

今後会社に所属することにはなりますが、個人的な撮影活動はもちろん続けていく予定です。

XT3I1626のコピー

主に大判カメラを担いであちこちに出没する予定なので、撮影のご依頼があればお気軽にご連絡ください。でも基本的にフィルムでしか撮りません。めんどくさいので依頼しないほうがいいかもしれません。

【おわりに】

いとう写真館で過ごした時間全てが僕の記憶、経験として血肉になっています。なにひとつ無駄な時間はなくて、現場に対する考え方、自分の生き方に大きな影響を及ぼした1年半でした。

開催者目線とお客さん目線の「続けていく意味」がそれぞれ深まっていくさまを現場で感じ、自分の挑戦しようとしていることの途轍も無さを感じたこともありますが、それでも「僕の役割はそこにしかない」と改めて決心がつきました。

それに付随して、これまでおぼろげに見えていたけど、まだモヤがかかっていた未来への道筋がようやくハッキリしました。あとはやるべきことをやる、積み上げていくフェーズなので淡々とやっていかねば。

それを支えてくれるパートナーがいる心強さも本当にありがたいです。お金はほんとにないけれど、夢はでっかく裸一貫がんばります。ご縁をいただいた長野で少しずつ。まずは1週間後の引越しを頑張ります!

この記事が参加している募集

車と人を大判カメラで写す“Car with us.”を撮影しています。いただいたサポートは、フィルムや現像代など、“Car with us.”シリーズの感材費に充てさせていただきます。