「油断と味のしないカレー」2020年9月4日


刻一刻と誕生日が近づいている。9月8日。あと4日だ。しかし昨日から微熱が続いている。とても怖い。
人一倍ビビリで、コロナ対策しすぎて6ヶ月電車に乗らなかった私が、なんで居酒屋でワイワイしているのをインスタにあげているような人より先にこんな怖い思いをしないといけないんだろうか?

でも居ワイスタ(略)の人たちは私より運動してるし、私より外出してるし、友達多いし笑う回数も多い。その結果、多分私より免疫が強い。
あの人たちが元気なのはその、この状況の中で居ワイスタ出来るアクティブさも一つの理由なのだろう。ちょっと羨ましい気もする。絶対真似できないし絶対近づかないで欲しいけど。

今日の話に戻る。
今朝、体温を測ると36.7度だったので、昨日の37.4度はまぐれ微熱(体調悪い人間がよくなるやつ)だったのだと思いバリバリ油断した。
人一倍ビビリだけど、人一倍油断しやすい。ホラー映画で5番目に死ぬみたいな性格なので、祖母とかいる所で釜玉ぶっかけうどんを作って食べたりしちゃった。
「揚げ玉と生姜とうどんが混ざるとおいしいのは当たり前だよね〜〜」みたいなことも言った。

けど、危険な行動はそれくらいだった。生来の引きこもりとこの状況が相まって(一応安静にしてろと学校から言われてるし)昼間はずっっっっっとジャンプラで「SPY×FAMILY」と「地獄楽」を読んでいた。
どっちもめちゃくちゃに面白くて、公開されている分は全部読んでしまった。
午後4時ぐらいにかけてはそうやって時間が経っていたんだけど、「地獄楽」の公開中の後半の話を読んでいるあたりから、微妙〜〜〜に体がぼんやりしてきた。
頭もぼんやりしていたんだけど、体の方がぼんやりしていた。

読み終わって、体温を測ってみると37.4度と出た。油断。その2文字が頭をよぎった。すぐマスクをし、自分の使ったコップや食器を洗い、アルコール液を自分が触ってそうな所に塗りたくった。そしてベッドに横になって寝てしまった。目が覚めたら体がバキバキで、夕食の時間をとっくに過ぎていた。
台所を見ると、父が作ってくれたであろうカレーが鍋に入っていた。ご飯をよそってカレーをかけて、自主隔離のために自室で食べようとした。

味がしない。

え?となって、もう一度食べた。やっぱりカレーの味がしない。


え?あれじゃん。これってあれじゃん。ニュースでやってたやつじゃん。

ガチコロナじゃん。

めちゃくちゃ焦って、どんどん口に運んだ。何度食べてもカレーの味がしない。

けど米の優しい甘みは感じられる事に気がついた。
混乱は加速していく。噛み締める事で分かる米の甘み、じゃがいものほのかな甘み、鶏肉の旨味、分かる。アクセントで入れられた鷹の爪が、弱った胃にダイレクトアタックしていることも手に取るように分かる。
しかしカレー味、わからない。
なんで?

ググってもカレー味だけが分からないとかそういう情報は出てこない。怖い。本当に怖い。パニックになり相談できる所に電話をかけようと思って、手を止めた。
何か、カレーに準ずるような強い味を持つ物を食べてみて、その味がしなくなっていたらマジでヤバイ(マジヤバコロナ)なので電話してみようじゃないか。
そう思った私は、祖母が切ってくれていたキウイを口に放り込んだ。


メッッッッッッッッチャ味する〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


結果的に、あのカレーがマジでうっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっすいカレー味だった、というだけだった。

よかったね。





↓以下「SPY×FAMILY」と「地獄楽」の簡単な感想


「SPY×FAMILY」遠藤達哉
手塚作品のような、可愛くデフォルメが効きつつ、実はカッコ良い構図と緻密な作画。そして作中で起こる数々の事件も、冷戦下を舞台にし、人が簡単に死ぬ世界観の中でギリギリほっこりな家族ギャグになっている作風も、まさにテーマである「薄氷の上での平和」が作品全体を構築している構造がシンプルながらとても楽しい!続きが見たい!となる作品だった。
一見不必要では?と思うような会話や豊富な独り言も、キャラクターの魅力や造形を増加させハッキリさせていく要素になったり伏線になったり全てに無駄がない!
それら全ての要素のおかげでキャラが大好きになっていく………。
あといいな、と思ったのはセクハラが一切無かったことだった。
ラッキースケベとかも無い。ジャンプラの他作品を覗いてみると、まあかなり多かったので、作風といい結構異質な作品なのだなと実感した。
全ての要素を含めて、本当にずっと読んでいたい作品だった……。
一番好きなキャラはアーニャちゃんです。


「地獄楽」賀来ゆうじ
初見の印象は、「バジリスク」や「ファイアパンチ」「チェンソーマン」「北斗の拳」など。それらに影響を受けたであろう残酷で、豪快で、露悪的かつ淫靡な世界観を描くこれまた劇画調の緻密な作画が最高。わぁ〜〜〜〜〜〜〜地獄のような極楽の島!!!宗教モチーフの異形の化物!!!花に寄生される人間!!異能の死罪人バトルロワイヤル!!めちゃくちゃ好み!!!!と、途中まで完全にジャンル物としてだけ読んでいたが、
途中からじわじわと、この作品が人間の強さと弱さの間にある悩む姿を肯定し、秩序と混沌の間にしか生きられない人間を肯定し、「普通」の生を何よりも尊いものであると肯定する。そんな作品だという事に気づいていった。おかげでメチャクチャ泣ける。というか泣いた。後半に行くにつれてどんどん泣く回数がふてる。
人がバリバリ死んでいく世界観の中で、キャラの「死」が悲しいと思い続けられるのは本当に……作品として………最高。
あと作風が似ているな、と思った「ファイアパンチ」「チェンソーマン」調べてみれば当たり前で、作者の賀来ゆうじさんは両作の作者である藤本タツキさんのアシスタントをしていたらしい。どちらも最高に好きな作品なので、最高が最高と集まり最高となっている。
これも早く続きが読みたい……単行本買います……となる作品だった。
一番好きなキャラは十禾さんです。


お疲れ様です。おやすみなさい。

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