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高齢者のシンプル運動療法シリーズ   「ステップ」

こんにちは!さっとんです!
御利用者様と運動を楽しんで充実した日々を送っています!畑をやっている方は本当に元気です!

今回は「ステップ」運動をお伝えしたいと思います!ってこれはデイケアで使っている名称で、シンプルに段差昇降運動です!

私なりの視点でこの運動の素晴らしさをお伝えしていきます!←前置き長すぎ!

日常生活では、単関節での動きはほとんどありません。実用的なトレーニングは「多関節運動」が重要だと私は考えます。
まずこの運動は主に、股関節、膝関節、足関節が協調する運動を学習していくことができます!

ではステップ運動による各関節の効果をみていきましょう!

股関節

人体最大の関節です。となるとシンプルに身体機能への影響が大きいです!日常生活動作でも股関節周りの筋肉は「安定」しながら「可動性」の両方を求められます!
それを運動学習する為のckcトレーニングになります!

筋活動は?
大殿筋 中殿筋 大腿筋膜張筋 内転筋が鍛えられます!

私は特に高齢者の大殿筋、中殿筋は重要と考えています!
歩行時の衝撃吸収、立脚期の安定性向上、骨盤と姿勢への影響、基本動作のほとんど全てで筋活動が起こっています。

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膝関節

膝関節は主に「屈曲」と「伸展」の動きが重要です!
その自然な関節運動が促せます。

筋活動
大腿四頭筋 ハムストリングスが鍛えられます!

特に大腿四頭筋の中でも「内側広筋」の筋活動が大きいです。
高齢者はO脚でパテラの外方変位が見られることも多いです。内側広筋は膝の最終伸展域での活動が大きいと言われています。膝痛の緩和や下肢のアライメント修正にも有効なトレーニングとなります!

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足関節

主に底屈、背屈の関節運動が学習できます!
更に細かく、中足指節関節の可動性を高められます。歩行の遊脚前期【prs】期の蹴りだしに重要な関節です!

筋活動
前脛骨筋、ヒラメ筋が鍛えられます!

「前脛骨筋」は歩行時にほぼ筋活動が起こっています。つまずきの軽減や転倒予防にも重要な筋肉がトレーニングできます。

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漢字がいっぱいで見えにくくてすいません!色々書きましたが何を伝えたいかともうしますと、これだけの関節運動と筋活動を同時に促せる運動とゆうことです!

日常生活でどんな動きに繋がっているか

機能面ももちろん重要ですが、生活動作にこの運動がどう繋がるかが最も重要ですよね!

・起立、着座
・歩行の安定性向上
・方向転換
・階段昇降←そのままやん!(一人ツッコミ)
・転倒予防
・更衣時のバランス保持
・入浴時のまたぎ
・水たまり、不整地をまたぎ
・車の乗り降り
・バス、公共交通機関の乗車
 ⇧移動手段が限られる高齢者の活動増加の為には重要です!

他にも利用者様、患者様の目標に合わせて様々な目的に繋がっています!

台の高さと昇降向きの筋活動の違い

・台の高さが20㎝から30㎝で股関節の周囲筋の筋活動が高まる
・側方での昇降は外転筋の筋活動が高まる

との報告があります!デイケアでは動画よりも高めに設定させて頂き、運動して頂いています!
この報告を参考に応用的なトレーニングも紹介します!

⇧側方バランス強化が必要な方はこの動きも有効です!

⇧方向転換も加えるとより実用的になります!降段時には衝撃吸収をより高めるトレーニングにも使えます!

更に筋活動だけでなく、側方への重心移動や支持基底面の変化への対応等、多くの要素を含んだトレーニングになります。

声かけについて

私はこの運動をやって頂く際に慣れてきた御利用者様には
「段を上がる時は段よりもかなり高く足を上げて、上がって下さい!」
と声かけしています。動作や筋肉をコントロールしているはなので、脳や運動神経の反応をより高める為です。

「ステップ」運動は病院、施設、自宅でも行えるのでおすすめです!
このようにどなたでも行えるシンプルな運動療法を今後もお届けしたいと思います!何か普段のリハビリやケアに生かして頂けると嬉しいです!

最後までお読み頂き、本当にありがとうございます!

高齢者のパフォーマンスアップをお手伝いしていきます!


参考文献
・高齢者の歩行・階段昇降動作時における主動作筋および拮抗筋活動についての筋電図学的分析(理学療法学28(1)35-38 2013)
・福井 基裕 動作スピードの違いが階段後段動作の足関節制御に及ぼす影響
・鈴木 裕也 CKC運動における中殿筋・大殿筋・大腿筋膜張筋の筋活動量はどの運動が多いか
・伊藤 隆 基本動作における大殿筋上部繊維と下部繊維の筋活動について
・浅川 康吉 踏み台昇降訓練における股関節周囲筋の筋電図学的分析

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