最先端の経営学論文から - 失敗は怖くない!?パッションが生み出すイノベーション
経営学のトップジャーナルに掲載された最新論文から、ビジネスパーソンが使えるアイディアを学ぼうというこの企画。
新しいことに挑戦して、期待通りに進まなかったこと、誰にでもありますよね?今日はそんな悩みを解決するためのヒントを提供してくれそうな論文をご紹介します。"Journal of Product Innovation Management"に掲載された、サセックス大学のシャンミン・タオ氏らによる論文「新製品開発における失敗の正常化が製品イノベーションを促進する方法 〜パッションと学習の役割〜」です。
失敗がチャンスに変わる瞬間
タオ氏らの研究は、製品開発のプロジェクトにおいて「失敗」をどう捉えるかが、最終的な成果、つまりイノベーションにどれだけの影響を与えるかを探っています。プロジェクトが思うように進まない時、失敗を単なる障害と見るのではなく、そこから学び取ることが大切だと言います。そして、失敗を積極的に「正常化」する組織では、社員が失敗を恐れずに新しい挑戦をしやすくなり、結果的に製品開発においてイノベーションが促進されるとのこと。論文で述べられている主なポイントは次の通りです:
失敗を日常の一部として受け入れることで、社員がより挑戦しやすくなる。
失敗を経験したリーダーがその経験から学ぶことで、次のプロジェクトでより優れた製品を開発できる可能性が高まる。
「発明への情熱」を持ったリーダーが、失敗をより深い学びに変え、次のプロジェクトでのイノベーションを推進する。
研究によると、特に「発明への情熱」を持っているリーダーは、失敗を学びに変え、次のプロジェクトでよりイノベーティブな成果を出せる傾向があするそうです。情熱が強いリーダーほど、失敗から新たなアイデアを生み出す力が高まるのです。
明日から使えるライフハック
ここからは、タオ氏らの研究を基に、失敗をうまく活用するためのユニークなライフハックのアイディアをご紹介。
失敗を小さな成功に変える「失敗リフレクションタイム」
毎日10分、失敗したことを振り返って、その経験から何を学べたかを紙に書き出してみましょう。タオ氏の研究でも、失敗から学びを得ることが次のイノベーションに繋がると指摘されています。書き出すことで「ただのミス」ではなく「成長の一歩」として自分の中で再構築できます。「失敗を笑い飛ばす」カルチャーを作る
職場でも家庭でも、「失敗は恥ずかしいものではなく、成長のために欠かせないこと」と捉える雰囲気を作りましょう。それにより、メンバー全員がチャレンジしやすい環境が整います。タオ氏らの研究も、失敗を「普通のこと」として受け入れる文化がイノベーションに貢献すると示唆しています。パッションで自己暗示
朝起きた時や大事な会議の前に、「自分は絶対に新しいものを生み出す!」と鏡の前で言ってみましょう。バカバカしいと思っても、意外と脳がその気になって、発明的なアイデアが生まれやすくなります。情熱があれば、乗り越えられないものはありません!
まとめ
失敗は誰にとってもほろ苦い感情を伴います。でも、実はそれが成長やイノベーションのためには不可欠なステップなんです。失敗を避けるのではなく、前向きに捉えて、そこから学び、次に繋げていきましょう!
出典
Tao, X., & Ucbasaran, D. (2024). How does failure normalization foster product innovativeness in new product development? The role of passion and learning. Journal of Product Innovation Management, 1-27.