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最先端の経営学論文に学ぶ - 「会議の空気」が意思決定を左右する?

経営学のトップジャーナルに掲載された最新英語論文から、ビジネスパーソンが明日から使えるアイディアを学ぼうというこの企画。

「最近の会議、なんか空気が重いな…」と思ったことはありませんか?実は、その「空気」、意外とバカにできないんです。

今日は、"Academy of Management Journal"6月号に掲載されたエリック・ナイト氏ら(マッコーリー大学)の論文「集団での意味形成における雰囲気の役割」をご紹介します。

雰囲気が未来を変える!?

この論文は、オンライン銀行の戦略プロジェクトチームが行ったワークショップを観察することを通じて、「場の雰囲気」が集団の意思決定プロセスにどのような影響を与えるかを探っています。

研究によれば、雰囲気の変化が参加者の発言スタイルや思考の柔軟性を大きく左右し、リラックスした雰囲気では自由な発言が増え、対立的な雰囲気では議論が行き詰まりやすくなるという結果が明らかになりました。

さらに、「不協和音の瞬間」が会議中に積み重なると、雰囲気が一変し、議論の進行や結論に大きな影響を与えることもあるそうです。

つまり、雰囲気を意図的にコントロールすることで、会議の効率と成果を大きく向上させることができるというわけです。

職場の空気を制するテクニック

普段の仕事で、「今日はなんかダメだな」とか、「今日はイケる!」と感じること、ありますよね?実際、会議の成果はその場の空気に左右されるもの。この論文は、単に「空気を読む」だけでなく、「空気を作り出す」ことがどれほど大事かを教えてくれます。

たとえば、場がピリついたら、笑顔や軽いジョークで雰囲気を変えてみる。ちょっとした工夫が、驚くほど効果を発揮することがあることを、この論文は示唆しています。

明日から使える実践アイデア:空気を操るための3つのテクニック

アイデア1: 「オープニングジョーク」で会議の場をほぐす
会議の冒頭に、軽いジョークやちょっとしたアイスブレイクを行いましょう。これにより、場の緊張が解け、参加者がオープンに話しやすくなります。開始早々からリラックスした雰囲気を作り出すと、建設的なアイデアが自然と生まれやすくなります。

アイデア2: 「リセットボタン」を押すタイミングを見極める
会議中に「不協和音の瞬間」が生じたら、すかさず話題を変えるか休憩を提案してみましょう。議論が行き詰まったと感じたときこそ、空気を変えるための工夫を取り入れるべきです。例えば、「ちょっと一息つきましょうか?」という一言が、新たな視点で議論を再開させるきっかけになるかもしれません。

アイデア3: 「ポジティブ・エコー」で空気を盛り上げる
誰かが良い意見を出したら、それをすぐに称賛し、さらに次の意見を引き出すことで、会議の雰囲気を一気にポジティブに変えることができます。「それ、いいね!それに加えて…」というように、ポジティブなフィードバックを繰り返すことで、参加者全員が積極的に意見を述べやすい環境が整います。

会議を制する者が、ビジネスを制す!

この研究は雰囲気のコントロールがビジネスにおける成功の鍵であることを示しています。次回の会議では、場の「空気」に気を配り、自ら作り出してみましょう。それが、あなたのチームの成功を引き寄せる一歩になるかもしれません。

出典:

Knight, E., Lok, J., Jarzabkowski, P., & Wenzel, M. (2024). Sensing the Room: The Role of Atmosphere in Collective Sensemaking. Academy of Management Journal. https://doi.org/10.5465/amj.2021.1389

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