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小説執筆にAIを活用してみる

AIを試してみましたよ、という話です。

AIと創作というのは密接に結びついていて、しかしながら相容れないような、そんな印象をもたれがちである。割合イラスト描きさんのほうがよくAIをとりあげがちなような気がしている。しかし、文字情報の集合である文章のほうがAIの構造としてはプリミティブであるような気がして、きっと世の中に跋扈していることは想像に難くはない。なんであんまり取り上げないんだろう。

私個人としてはAIに対して、如何とも形容しがたい感情を抱いている。自分の創作物(小説)が誰かの(創作の)学習データとして使われるのであれば、なんとも気色わるい話だ、と思う一方で、これから創作をしていくうえでは避けて通れないだろう、と思っている。上手く使えるなら使ってみたい、とは思う。

自語り。AIといっても、なにか知っているわけではない。大学時代(10年以上前!)、当時にしては新しい音楽の表現の方法のひとつとして、統計の演算を用いて作曲しましょうという課題があった。そういえばあれはAIの前身だったなあ、と今となって思い返す。あとは社会人(SIerだ)時代、隣の席ではAIの案件をやっていて、社の先輩がAIチューニングをしていたなあ、くらいの関わりだ。(これもだいぶ前)
課題はRを使って雰囲気で課題を作ったし、私はAIの案件に関わってない。今は絶賛ニート中。なので、どんな技術で使っているとか、そういうことは何も知らない。まあただ、そういうのがあるんだなあ。くらいの距離感。

で、使ってみようと思った。そして以下二つを使った。
AI校正サービスによる小説の校正
Chat-GPTによる小説生成
といっても興味があったというよりは、なんとかしたかったの気持ちが大きい。特に前者(後者は確かに興味かも……)。

AI校正サービスによる小説の校正

ここ数日同人誌を作っていた。同人誌といっても、すでにweb 公開しているものの再録だ。今度作りたい同人誌にむけてためしに既存の文章を流しこんでみたら思いのほか気に入ってしまって、これも物理本にしたい!の気持ちで制作した。こっそり鍵垢で頒布の予定です。

そしてAI校正サービスを校正のために使ったのだった。私の創作を知っているひとは知っていると思うが、私の書く話はとにかく誤字が多い。そもそもADHDであること(診断済)と病気による認知機能の低下で、注意力という注意力が全く機能していない。気をつけていても、どうにもならなくて毎回泣きをみていた。今回も例外なく、誤字脱字は難題だった。

でも、ようやく(?)AIにみてもらえばいいじゃん、とふと思った。もちろん誤字をとるだけが校正ではない。事前に何度も小説を読み返して、誤字を確認しながら日本語のチューニングをして、それから、AIに文章を放り込んでみた。

こちらのサービスを使った。

サービス選定にあたり、UIと精度と価格のバランスをとってこれにしようかな、と決めた。(価格は結構大きかった。あまり個人向けのこういうサービスはないらしいね。小説書くのに使う人も少なそうだ)
月2200円。AIで校正してくれますーっていうのにこの金額は人によって多寡の判断は分かれるだろう。私は「これで誤字みてくれるなら最高〜!」の気持ちでペイした。今はまだ無料期間だけど、このまま使うつもりです。
新聞社の校正ルールをつかってるんだそう。詳しいことはわからない。

流しこむと早速の誤字が

画面は写真の通り。左側に文章を流し込んで、右側に校正の提案が並べられる。ボタン一つでできる。写真では早速誤字(「中心なの『て』」)を指摘されている。
小説なので、ストーリーによっては脱字や誤記、誤用を意図して使うということもままある。なので、全て従うことはしない(できない)のだが、前述の誤字はもちろん、誤用について、一度思考を止めて考えるすきまをとれるのはありがたい機能だった。

散々見直したはずの原稿を流しこんでみても、やはり誤字が浮き出て「まだ、(誤字)おったか……」と思いながら誤字修正。誤用の再確認。脱稿。「最後の見直し」にはまたとないツールだった。

ただ、そのなかで「人が校正する」という部分の大切さもあった。日本語のリズム的に適切か、とか。ここの日本語は漢字でよかったか、ひらがなでよかったか。求めたい文章になっているのか、とか。そういう手でする作業に意味はあって、なので私としては手作業も大切にしながら、AIを活用したいなと思った次第である。

Chat-GPTによる小説生成

これはもう趣味のきもちではじめた。Twitterでみかけたのが最初だった。なんか吉野家構文の文章読んで「すげ〜」と思って使った。

Chat-GPTはこれ。ざっくり、チャット型のAIサービス。

https://chatgpt.com/

だいたいこんな感じで、オーダーをした。拙作を食わせて小説を書かせてみた。
・あなたは優れた小説家だ
・あなたは人の文章の文体を真似ることができる
・(自作小説を流す)これは例文です。この例文の文体を真似て高校生の一組の男女が付き合うまでの小説を4000字程度で書いてください。

できた文章はこんなかんじ(女オタクはすぐに文字を画像にしたがる)

私っぽいかと言われるとまったくそんなことはない。が……ないはずだが……なくはない話になった。
うーん、なくはない、んですよね。少なくとも小説としては成立している。
きっと上手くオーダーをすれば私の書いたような話を作ることもできるし、なんなら好みの話も作れるのでしょう(自分の小説を餌にして)。

ここで気付きは二点。
・小説を読んで、自分にはない視点を知ることができる。
・書き手が日本語を書く「意味」
後者は情緒的な話です。

小説を読んで、自分にはない視点を知ることができる。
AIに書かせると、こういう切り口で書いたことはないなあ、とか、こういうふうにストーリーを構築するのだなあ。その時に使う要素はどんな語群のもので……とかそのた諸々「知らない世界」が見えます。

もちろん他の人の文章を読んでいても思うのでしょうが、AIはそこはかとなく私の「書きそう」が集まっているので、なおのことコントラストがよく見える。
小説の勉強にいいかも!と思う。

書き手が言葉を書く「意味」
情緒的な話。
これだけひとつのスクリプトで大した文章が作ることができる今、それでも人が言葉を紡ぐ、小説を書くという行為について。それは意味のあることなのだと、改めて書くのって楽しいぞ!?という気持ちにさせてくれた。
小説執筆は膨大な言葉から一つ一つ言葉を選定して、それが積み上がったものなのかな、と私は思っている。その是非はさておいて。そして、ぐっと心にためたものを日本語で飾ったときに得られるカタルシスを拠り所にしているなあと再認識した。

私は、ただ好みの小説あったって意味がなくて、その過程に見える作者の脳内だとか、言葉の選定過程とか、そういったもの(自作も含め)があってこその作品なのだと再認識。

腐っても字書きなんですね。わたしは。
というとりとめのない話です。



というわけでこれからもAIは活用して、創作をより良くしたいなあ、とおもっています。もちろん、私の書いた字で!

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