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採用広報の目標/KPI設定|採用広報TOBEマガジン #5

HR-TOBE Consultingのさつきです。
TOBEマガジン第5回目では、採用広報の目的や目標設定、定めるべきKPIについて解説します。

採用広報とは何か?注目された背景などを知りたい方は、第1回目の記事をご確認ください。

採用広報の目的

採用広報とは、企業が新卒学生や中途社員、アルバイト・パート、派遣社員などの採用活動において、求職者に対して行う広報活動を指します。

採用広報の最終目的は、採用ターゲットに入社をしてもらうことです。あるいは、入社後に活躍してもらうなど、もう少し先の未来を見据えて目的を定める場合もあります。

この目的を達成するために、目標や達成すべき指標(KPI)を定めますが、採用広報の目標設定に悩む方は少なくありません。

採用広報の目標、KPIの例をいくつかご紹介したいと思います。

ケース別!採用広報の目標例

採用広報の目標は、企業が抱える採用課題ごとに設定するとスムーズです。以下に一例を挙げます。

ケース①【求人広告を掲載しても全く応募がない。採用サイトも保有していない】

■具体的には…
企業サイト内の採用情報が少なく、独立した採用サイトを持っていない。求人募集の際は、一時的に有料の求人広告に掲載をするが、予算がなく上位枠を使えないし、PR文も広告会社に丸投げでいつも同じ文章。とりわけ有名企業でもなければ業界もやや不人気な中小企業。母集団形成のはじめの一歩に課題をもつ。

■採用課題

  • 自社の強み、弱みや業界内でのポジショニング、求める人物像といった基本情報を言語化できていない。求人広告会社に制作を丸投げして、自社で取り組む余力がない

  • 採用サイト、応募ページなどが存在せず、採用コンテンツが少なすぎる

  • 無料の採用ツールを全く活用できていない

■採用広報の目標例

  • 求人票をベースに「仕事内容/採用ターゲット/応募条件/求める人物像/自社の強み弱み」などをまとめ直し、詳細にわたり言語化をする

  • 言語化した採用情報を採用サイト、求人票(応募ページ)に記載し、外部から閲覧できる状態を整える

  • 無料で使えるツールを活用し、採用の基本コンテンツを作成、公開する

上記例のように、採用サイトもなければ求人票も穴だらけの企業様は意外にも多いです。いきなり有料広告を掲載したり、やみくもに人材紹介会社に依頼しても効果は期待できないでしょう。

「採用広報で応募を●件獲得する!」と数値設定をするよりも、「採用の基本コンテンツを●個作成して公開する」「求人票、社長メッセージ、採用基準の3つの項目を見直して1か月以内に更新をする」といった目標設定がおすすめです。

ケース②【基本的な採用手法は一通り試していて、次の一手を検討している】

■具体的には…
公式サイト、採用サイトを作成済み。有料の求人広告やダイレクトスカウト経由での応募はそれなりにある。人材紹介も使用しており、そこそこ応募は来るがミスマッチが多かったりところどころで歩留まりがある。候補者から質問されれば、自社の強みやポジションごとのターゲットは明確に回答できるが、能動的な外部発信まで手が回っていない。

■採用課題

  • 母集団形成よりもミスマッチを減らしたり、選考中辞退を減らしたりするなど、歩留まり改善に課題

  • 採用業務を回せているが「プラスアルファ」の外部発信まで手が回らない

  • 社内イベントや入社したメンバーの活躍などPRしたいネタはたくさんあるが整理しきれていない

■採用広報の目標例

  • 採用広報コンテンツで候補者の企業/事業理解を促進して応募者のマッチング精度を高める

  • 採用広報コンテンツで選考フェーズの候補者の動機付けを行い、選考辞退を防ぐ

採用サイトに必要情報はそろっているし、求人票も定期的に更新をしている。人材紹介経由の応募もそこそこ入るけど、応募者の半数がミスマッチだったり、欲しい人に限って辞退されたりするケースです。中小企業や認知度が高まってきたベンチャー企業などで、よくあるパターンだと思います。

このケースでは、①マッチング精度を高める、②辞退率を下げるなど、ポイントを絞った目標設定をすると良いでしょう。
②に関しては、書類選考通過率を10ポイントアップさせる、内定承諾率を〇%高める、スカウト返信率を〇%まで引き上げるなどの目標に置き換えが可能です。

ケース③【採用オウンドメディアの立ち上げ期】

■具体的には…
採用広報の手法に、採用オウンドメディア(採用ブログ)を選んだ。書きたいコンテンツはたくさんあるが、どんな指標設定をすればいいか分からない。

■採用広報の目標例

  • 転職理由ランキング上位5つの対策コンテンツを3記事ずつ、合計15記事作成して3か月以内に公開する

  • 毎月5記事ずつ社員インタビューを作成して公開する

  • 〇月までに30記事公開させ、noteの月間PV1000を達成する

  • 「ベンチャー企業×〇〇」のキーワード検索でSEO5位以内を達成する

  • 「noteの採用ブログを読みましたか」と候補者アンケートがとれる状態にするため、〇月までに30記事公開させる。〇月以降はアンケートをもとにKPIを再設定する

採用オウンドメディアの立ち上げ期は、PV数や応募数、いいね数、バズった記事数などをKPIにするのはおすすめしていません。
1回のバズりで一瞬の応募獲得を狙うよりも、中長期的に候補者と関係構築を行うことが大切です。

また、採用オウンドメディアは効果を実感しづらいため、更新を諦めてしまいがちです。そのため、始めの3か月ないし半年ほどは、記事公開数を基準にすることをおすすめします。

そもそも記事を公開しなければ、PVやいいね数などのデータを蓄積できないためです。

まとめ

今回は採用広報の目標設定の例をご紹介しました。企業の採用状況によって、定めるべき目標やKPIはさまざまです。

採用広報に取り組もうとしている企業様で、目標設定についてお悩みの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

企業様ごとの状況をヒアリングしながら、具体的なアクションや目安となる目標設定をサポートします。

【お問合せはこちら】
中小企業やスタートアップを中心に、採用広報起点の採用コンサルティングを行っています。

HR-TOBE Consulting
Satsuki Yokouchi
jinji.writer@gmail.com

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