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「伊流花がせめてきたぞっ!」完結にあたっての創作メモ

先日完結した連載SFラノベ「伊流花がせめてきたぞっ!」についての雑記です。

決して良いアプローチとは言えないかもしれませんが、自分はよくタイトルから創作に入っていきます。
しかもそこには大抵元ネタがあって、それをひねったりパロディ化したりしたものがほとんどという不真面目さ。
今回タイトルの元ネタになったのは、1974年に刊行された児童向け書籍に掲載された1枚のイラストのキャプション
「イルカがせめてきたぞっ!」
でした。

イルカが攻めてきたぞっ
小学館「なぜなに学習図鑑9/なぜなにからだのふしぎ」より

「イルカは人間並に頭がいいの?」という疑問に対する答えから派生した空想画で、描いたのは挿絵やプラモデルの箱絵で有名な小松崎茂画伯です。
頭のいいイルカがさらに知的進化を遂げ、独自のテクノロジーで地上へ侵攻し、人間を駆逐してゆくという衝撃的なイラストでした。
これをそのままイルカの侵略SFにしたのでは面白くない…ということで、伊流花という語呂合わせキャラの女の子が生まれたのでした。
適当ですね。
😅

それがなぜ、「世界平和部」などという架空の部活動に繋がったりしたのかはよくわかりません。
当然、昨今のロシアによるウクライナ侵攻が影響してると思われます。
しかし、あまりに生々しい話は自分の手に余るので、登場する国家や紛争は全て架空のものにしてあります。
キューバ危機の話とかも出てきますが、その当事国も現代においては「某自由主義超大国」としてぼやかしました。

書いてて興味深かったのは、物語をふくらませて長くするほど、スケールが小さくなっていったという不思議な現象でした。
以前にも書きましたが、この小説は某募集企画に応募するため、1万字に収めるつもりで書いていたのです。
その目安で書いていた時は、伊流花たちのイルカ軍団は世界中でメンバーが参加し、イルカスーツの大部隊が国際社会を席巻するという、大規模なお話でした。
地球侵略という目的を隠すこともなく、割とタイトルに相応しい雰囲気だったのです。
ところが、連載用に文字数を増やして登場人物の描写もふくらませていったところ、結局I.L.P.K.A.は最後まで三人だけとなり、侵略テーマは陰に隠れてしまいました。
本編は短編というにも中途半端な長さですが、これをさらに長編化すれば、またスケールアップして大規模な大騒ぎを描くことが出来るかも…などと考えています。

アイデアと工夫と努力次第で、小さなスケールの物語で大長編を書くことも出来るだろうし、壮大なドラマをショートショートで書くことも出来ることでしょう。
創作の面白さは奥が深いです。

そんな気づきをくれましたのが、「伊流花がせめてきたぞっ!」の連載でした。
感想いただけると嬉しいです。

よろしくお願いします!
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