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【恋愛ショートショート】告白水平線 恋の海岸通り編


 海沿いの通学路には「告白水平線」という伝説がある。
 潮が満ちる夕刻、沖合に浮かぶ雄岩と雌岩の間に水平線がかかるタイミングに合わせて告白すると、恋が成就するという伝説が。

 私は、写真部の部活が終わって下校する時、ここを通りかかるたびに想像する。
 同じ写真部員で一緒に帰ることの多いタダシが、告白水平線の前でこっちを振り返り、告白してくれることを…
 そうなったら、私は一瞬驚いた顔を見せた後、彼に駆け寄り思いっきり抱きつくのだ…

 そしてついにその時が来た。

 その日一日、どこか沈みがちで部活の練習撮影にも身が入っていなかったタダシが、改まった顔で一緒に帰ろうと言ってきたのだ。
 この雰囲気はもしかして…

 果たして、告白水平線の現れる時刻。
 海岸通りの真ん中で、タダシが振り返って私を見た。
「あの!俺、実は!」
 タダシはカバンの中から、私が貸していたデジタル一眼カメラを取り出した。
「ごめん!借りてたデジイチ、コーヒーこぼして壊しちゃった!」
「!」
 私は一瞬驚いた顔を見せた後、彼に駆け寄り…

 真空飛び膝蹴りをくらわせて、このバカを砂浜に沈めた。


 たらはかにさんの募集企画「#毎週ショートショートnote」参加作品です。
お題は「告白水平線」。
ちょっと文字数オーバーの471文字です。
オチと、彼氏の名前の関係がわかる人は昭和生まれだと思います。
😅

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