UCL 起業論プログラム Term 2 (2学期目)
1学期目のTerm 1が12月の2週目に終了し、その後は冬休み。
ヨーロッパ出身の学生や北アフリカ、中東地域出身の学生たちは、イギリスから自国が近いのでクリスマスを過ごすために戻る人が多かったです。アジア出身の学生の多くはそのままロンドンに残り、ヨーロッパに旅行に行って束の間のホリデーを楽しんでいました。
わたしは、念願のオーストリアに行きVienna Philのオーケストラを聴きに行きました。ウィーンフィルはもちろんのこと、コンサートホールのウィーン楽友協会大ホール(黄金のホールとも呼ばれているそうな)は豪華で美しく圧巻でした。また、美術史美術館も美しく観るところたくさん。2泊3日では全く足らず、次回行く際は1週間は少なくとも日程が欲しいです。
余談はこの辺にして、、、
2学期目であるTerm 2は1月の2週目から始まります。私のTerm 2のスケジュールはこんな感じでした。週の前半に授業を詰め込み、木金は休み。
月曜:9:30-12:30 Product Development and Prototyping
火曜:16:30-19:30 Managing the Growing Firm
水曜:9:00-12:00 Retail and Customer Entrepreneurship
12:30-15:30 Entrepreneurial Marketing Strategy and Branding
木曜:休み
金曜:休み
木金を休みにしたものの、学校で友達と自習したりグループワークなどでほぼ毎日学校には行っていました。
各クラスの詳細は以下の通り。
Product Development and Prototyping: プロダクト開発のための理論と開発にあたり必要な要素を学び、製品開発のプロセスを深く理解する。
大企業からスタートアップまで企業の中でどのようにプロダクト開発が行われているのかを、開発フレームワーク、最新のプロダクト開発ツール、プロダクト開発の組織構成、開発フローなどと合わせて理解できるよう授業が構成されていました。物理的およびデジタル領域にわたる製品開発とサービス開発の両方をカバーする予定だったのに、ほぼデジタル領域でのサービスプロダクト開発に偏っていたと思います。
課題
・課題 1 : Figmaを使用しサービスプロダクトのプロトタイプを制作
自身の提案するサービスプロダクトの顧客導線を明確にし、なぜそれが顧客を惹きつけサービス利用になるのかをプロトタイプ内で証明するといった具合でした。
・課題2 : Bubbleを使用しレスポンシブルなプロトタイプを制作
自身の提案するサービスプロダクトに対し、複数の他者よりフィードバックをもらい、それに基づいてBubbleを使用しプロトタイプを制作します。Bubbleを使用し、Landing Pageに対しログインページをつけたりDashboardをセットしたり、データベースを作成したりするといった具合でした。
エンジニア出身の学生たちは余裕で、私みたいなエンジニアリングど素人たちは苦労しました。
Entrepreneurial Marketing Strategy and Branding
スタートアップや初期段階の起業家に必要なマーケティング戦略の概念と手法を学ぶ。
スタートアップやアーリーステージの起業家に必要な主要なマーケティング戦略の概念とツール、フレームワークを理解し、学生はそれらをスタートアップのビジネスモデルに適用させる方法を学ぶ。Bullseyes、カスタマーファネル、カスタマージャニー、ペルソナ設定などの基本的フレームワークで顧客をクリアにした後、各マーケティングツールの特徴を理解し、効果的なマーケティング戦略を考えます。
課題
・課題 1 : グループエッセイ(6,500 words)
3もしくは4名でグループを作り、自分たちのビジネスアイディアを一つ選び、顧客ターゲティング、顧客開拓に使用するツールを選んだ理由、そのツールを使い実際に2-3週間テスト、考察みたいな感じで一連のマーケティング活動をレポートします。
・課題2 : エッセイ(3,500 words)
理論とフレームワークを用いて、自分のビジネスアイディアのブランディング、ターゲットカスタマーペルソナ設定、カスタマージャーニー作成を行います。また、ストラテジーキャンバスというフレームワークを使い、その顧客へのアプローチ方法とそれを選択する理由を説明し、それを測るメトリックス、全体のマイルストーンをまとめます。
ここからは選択科目について。こちらの記事にも記載したように選択科目として2学期目は5つのうちから2つを選びます。
https://note.com/satsuki_co_jp/n/n16858994ec91
Retail and Customer Entrepreneurship
テクノロジーの進化によるリテールビジネスの新しいコンセプト、アイディア、ビジネスモデルについての理解することを目的とする。
リテールビジネスのケーススタディを活用し、1学期目で習得したフレームワークやリテールマーケティングの分野で学生の知識、スキルセット、ネットワークを強化することに焦点を当てています。何人かのゲストスピーカーの中で、リテールフォーカスのインキュベートファンドのGPが来た時の講義は、世界各国のユニークなリテールビジネスを知ることもできました。
課題
・課題 1 : エッセイアウトライン
課題2で提出するエッセイのアウトラインを書くのみ。
・課題2 : エッセイ(3,000 words)& プレゼンテーション
自分の興味があるリテールビジネスを1つ選び、今まで学んだフレームワークを活用しながら、1次情報と2次情報を得てエッセイを書きます。それと同時にプレゼンテーションがクラスの最後の日にあるので、エッセイでまとめた内容をプレゼン資料に落とし込み、7分以内で発表が終わるように練習(プレゼンが苦手なのでその準備に時間を使いましたが、それ以外は他の課題に比べてかなり楽でした)。
Managing the Growing Firm
スタートアップがユニコーンになる際に直面する課題をケースを通して学ぶ。
企業がスケールする際にビジネスモデルが課題となったり、マインドセットが課題になったり、プライオリティ、ブランド、適合性、イノベーション、カルチャーなどの点から企業のスケールチャレンジを読み解きます。授業中は先生がいくつもケーススタディに関連した質問を出すので、事前にケースを読んでいないと全くついていけません。
課題
・課題 1: エッセイ(1,000 words)
ケースが出されるので、それを読みこみ、授業で学んだ概念やフレームワークを使用し、いくつかの質問に答えます。1週間以内に提出。
・課題2: エッセイ(1,000 words)
課題1と同様。
・課題3: グループエッセイ&プレゼンテーション
分析するスタートアップを1つ決め、1次データと2次データを取り、彼らの現在のポジショニング、スケールの課題を説明し、独自のアドバイスをエッセイにまとめる&授業の最後にプレゼンテーションを行います。
以上のような形で授業が行われました。2学期目は1学期目に習ったフレームワークや理論を使って、自分のビジネスアイディアを深めることやいろんなケースを理解することに重きが置かれていた印象です。
個人的にはプロトタイピングの授業はITサービス系ビジネスにのみ内容が偏っていたので、もう少しプロダクト系ビジネスなども含めて授業を進めてほしかったです。また、マーケティングの授業に関しては、TikTokでマーケティングを7,8年やっていた中国人のお友達の女の子が「実際のマーケティングはあんな表面的なフレームワークで成り立たない」と酷評していました。笑 アイディア段階で初期ステージのスタートアップであれば、どのようにポジショニングしてターゲットカスタマーにアプローチするかなど使えるフレームワークは多くあります。しかし、成長ステージに移行した顧客獲得が成功し出したスタートアップにとっては、授業で習う理論やフレームワークの理解のみでは、複雑化した顧客群へのアプローチの仕方が全くわからないかもしれないなと思いました。
1学期目と違い2学期目は勉強のリズムが掴めてきたこともあって(だらけてきたというかもしれませんが・・・)、気持ちに余裕を持ちながら授業や課題に取り組めました。しかし、そうこうすると2学期目も終わりで、残す3学期目は修士論文のみ。イギリスの院は1年なので、あっという間ですね。
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