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【青梅市立美術館について】

【青梅市立美術館について】

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青梅市立美術館が2024年から約3年間、休館する。

それに伴い、3年後に新しくスタートするであろう青梅市立美術館について、

考えてみようという企画を仲間と勝手にスタートさせた。

正直、今の青梅市立美術館には残念に思う所が多くある。

地域社会や行政からの、なんのために存在しているのか

という明確な思いを持たれず、

ただ、「以前からあるからある。」という

形骸化した存在になってしまっているように感じる。

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美術にかかわり、美術の可能性を信じる人間として、

一番近くにある美術館がそのような形で存在している事に

とても残念な気持ちを膨らませている。

美術館は、もっと地域において有益であり、大切であり、

行政や市民が地域社会を形成していくことに、

活用し貢献できる存在であると確信している。

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3年間休館して、電気・空調の施設改修を行うらしい。

きっと、このまま施設改修をして3年たっても、

今までとなんら変わりのないワクワクしない、

美術館という名前だけがついた施設になるだけだろう。

「美術・美術館ってそんなものじゃないんだよ!」

と本当に爆発しそうな思いと共に、

どうしたら、青梅市立美術館を地域社会の中で、

心踊る重要な存在にできるのか、

多くの人と話をしたいと思っている。

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そんな話をする場として、

青梅市立美術館で開催していた、

展覧会「アートビューイング西多摩2023」の関連企画で、

4回のトークワークショップイベントを企画していた。

この展覧会、2月4日までの開催だったのだが、

なんと急遽、1月19日付で中止になってしまった。

参加作家や関係者には、「中止しました」という1通のメールのみ。

作家が、ほぼ手弁当で、時間とお金と思いを費やして

作った作品を持ち寄った展覧会を、

美術館側の一方的な判断で即中止にするなんて、本当に信じられない。

そして、市民に対しても、鑑賞する機会を一方的に奪ってしまっている。

それは、行政が一番大切にしているであろう「公共」

という言葉の意味においても、

あまりにも乱暴すぎる。あきれて少し笑ってしまった。

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この中止の判断に対して、文句をいう市民はいないだろう。

行政や美術館側はそう思っているのだろう。

確かに、たぶん、だれも文句を言わないだろう。

それが、今の青梅市立美術館を表している。

青梅市立美術館、自ら、美術館を必要としている人はいないですよね。

と発信しているようなものだ。

この今回の展覧会「アートビューイング西多摩2023」のあとに、

3年間休館する、という話だったのだが、

突然の展覧会中止と共にそのまま3年間休館になるらしい。

とんでもなくメチャクチャで、

青梅市はこのまま文化的に沈んでいってしまうのか?

もし、もしも「ちょっと待ってくれ!」と思う方が

いらっしゃいましたら、

ぜひ、次に開催する青梅市立美術館について考えようというイベントに

ご参加ください。

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日時:1月28日(日) 13:30~15:00

場所:S&Dたまぐーセンター(青梅市文化交流センター)アートルーム

https://www.city.ome.tokyo.jp/site/art-museum/73603.html

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以下概要なのですが、

当初、この4回のイベントで提言書なるものを勝手につくって、

行政や美術館に提出してみようという話でスタートしました。

しかし、すでに3回を行ってみて、

行政や美術館に対して一方的に意見や思いを伝えるのではなく、

もっと時間をかけて、行政や美術館と一緒に、青梅市立美術館について

考えていく場をつくっていく事ができたらいいのではないかと思うようになりました。

このイベントがそのきっかけになればよいと思っています。

ぜひ多くの思いある方々のご参加、

お待ちしております。

佐塚

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【青梅市立美術館への提言書をつくろう】

青梅市立美術館が2024年2月から約3年間、施設改修に伴い休館する。休館後の美術館には、どのような可能性があるのか?どのような美術館になれば、より多くの人にとって有意義なものとなり得るのか?美術館は多くの人に開かれたものであり、社会にとって、もっと重要な場であるはずとの思いから、未来の美術館について提言書をつくる。

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「美術館」について話を進める前に、まず「美術」という言葉が何を指し示すのかを共有する必要があるだろう。「美術」という言葉は明治期につくられ、現在の一般通念としては「視覚芸術・造形芸術」というジャンルを指す言葉とされている。しかし、「美しさ」は視覚的にしか感じられないものではないし、誰かの作った造形物からしか感じられないものでもない。そして、「美術」はそれらを扱う人や物や事だけを指すジャンルでもない。

日常のあらゆるものに「美しさ」は潜んでいて、それに気が付く「術」、気が付いたことを伝える「術」が「美術」である。さらに「美」という文字は、ただ「美しい」という状態だけを指すものではない。物事に向き合い、喜怒哀楽あらゆる方向に心が動いた状態を指し示す象徴として「美」という文字が使われている。心を動かす術、心にまつわる術が「美術」である。

そう考えると「美術史」とは、人間が何に心を動かして来たかの歴史であると言えるし、「美術館」とは、心を動かして生きている人間と、生きてきた人間たちが、出会い交流する館(やかた)である。そのような視点に立つと、全く美術に無関係な人は誰もいない。

現在、「美術」は芸術の一つのジャンルになってしまっている。絵を描いたり、物を作ったりする人や、それを楽しむ人たちだけが関わるジャンルになってしまっている。そうではない、心を動かして生きる全ての人が関わる「美術」と、それらが交わる館(やかた)としての「美術館」について多くの人と考えていきたい。心踊る新たな青梅市立美術館の誕生を望んでいる。

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先述したように、美術館は心を動かし生きる全ての人が関わることのできる場である。豊かな心を育む教育拠点となり、新たな観光や産業を生み出す商業拠点にもなり得る。そして、青梅市立美術館周辺の豊かな自然環境を生かし、整えることで、青梅ならではの場をつくることもできる。それらを実現するためには、まちづくりを担う行政、さまざまな活動する人たちと共に、美術館について考えていく必要がある。今回は「教育」「商業」「行政」「環境」という4つの項目から未来の青梅市立美術館について考え、提言書をつくりたい。

繰り返しにはなるが、「美術」は心を動かす術、心にまつわる術である。美術は全ての人が関われるものであり、大袈裟に言えば皆、美術家であるといえる。そんな皆さんの知恵をお借りし、地域の美術館がどうあるべきかを考える機会になればうれしい。

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チラシデザイン:三熊 將嗣

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