#12 札大・秋の七草さがし
みなさん、こんにちは!
8月とはいえ、お盆を過ぎて、秋の気配を感じる季節になりました。
草花も、黄色や紫など少し濃い目の色の花が増えてきているように感じます。
キャンパス内で秋の七草さがし
さて、秋に咲く花の代表格と言えば、「秋の七草」ですよね。
秋の七草は、奈良時代、万葉集で山上億良が詠んだ歌に由来するもので、萩(はぎ)、尾花(おばな)、葛(くず)、撫子(なでしこ)、女郎花(おみなえし)、藤袴(ふじばかま)、桔梗(ききょう)の7つとされています。
今回は、これらの草花をここ北海道の札大キャンパス内で探してみることにしました!
さて、いくつ見つかるでしょうか?
〇萩(はぎ)
まずひとつ目は萩です。こちらは、正門から入って左手の方、芝生の上をサツドラ方面に歩いていく途中にあるものです。マメ科の植物で、濃いピンク色の蝶形の花が枝垂れた枝に多数ついていました。小さめの丸っこい葉がたくさん付いているもかわいいです。
〇尾花(おばな)
次に尾花です。尾花とは、ススキのことを指します。ススキは身近な植物で、お月見のお供えとしてもよく使われますよね。キャンパス内では陸上競技場の周りにありました。株立ちになって、穂が風にそよぐ姿が涼しげです。
〇撫子(なでしこ)
撫子と一口に言っても、外国産のものや園芸種など、さまざまな色形の花がありますが、秋の七草の撫子は、野生種のカワラナデシコを指すとのこと。北海道にはエゾカワラナデシコが分布しています。うろうろてくてく探してみましたが、残念ながら、今回キャンパス内で見つけることはできませんでした。どなたかご存じの方はいませんか?見つけたら、ぜひ教えてください!
〇桔梗(ききょう)
4つ目は桔梗です。第1駐車場から1号館へ向かう左手の花壇に植えられているものを見つけました。上品な紫色の花は、まさに秋色です。キキョウは広く栽培されていますが、野生のキキョウは数を減らしているとのこと。日本の絶滅危惧種のリストである環境省レッドリストに絶滅危惧Ⅱ類として掲載されています。
〇葛(くず)
葛は、旺盛に成長するつる性の植物で、大きめの3枚葉が特徴です。大学の森の西側、市道沿いのフェンスに絡んでいました。写真のクズは花を付けていませんが、先ほどのハギと同じマメ科の植物で、8~9月頃に赤紫色の蝶形の花が塔状に集まって咲きます。クズの根からはでんぷんが取れ、葛餅、葛切り、葛湯など、日本の伝統的な食べ物の原材料となっています。
〇藤袴(ふじばかま)
藤袴の分布範囲は本州の関東以西。キャンパス内にもありません。
でも、大学の森の奥の方、薄暗い林の中に、フジバカマによく似たヒヨドリバナが見られます。
ヒヨドリバナはフジバカマの近縁種。1m以上の草丈の上部に、白色の小花が多数つきます。ちょうど手持ち花火を上向きにしたような形で、なかなかの存在感があります。
〇女郎花(おみなえし)
最後は女郎花です。オミナエシは1mくらいの草丈に黄色い小花を多数咲かせる草花です。北海道にも分布していますが、残念ながら、キャンパス内で見かけたことはありません。
オミナエシの仲間で、同じく黄色い花を付けるマルバキンレイカという植物があります。6月にこのマルバキンレイカと思われる植物を大学の森の中で確認したのですが、その後見失ってしまい、今回は見つけることができませんでした。また、捜索したいと思います。
終わりに
今回の秋の七草さがしでは、萩、尾花、桔梗、葛の4つと、藤袴の仲間のヒヨドリバナを見つけることができました!秋の風情を感じることができたでしょうか。
なお、札大キャンパスは、大和ハウスプレミストドーム(札幌ドーム)4個分の広さがあります。これらの草花はキャンパス内のあちこちに点在しているので、すべて見て回ると2km以上のウォーキングになります。
これからは過ごしやすい季節となります。運動不足の方も、夏の暑さに疲れた方も、札大・秋の七草さがしに行ってみてはいかがでしょうか?
※「大学の森」は自然林です。散策の際には次の点に注意しましょう。
マダニ、ハチ、ウルシ等の動植物に注意してください。マダニに咬まれないよう、長袖・長ズボン、足を完全に覆う靴、帽子、手袋を着用するなど、肌の露出を少なくしましょう。
頭上からの落枝に気を付けてください。風の強い日は特に注意しましょう。
安全と植生保護のため、散策路以外の場所にむやみに立ち入らないようにしましょう。
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「うろうろてくてく、サツダイしぜん散歩」は、札幌大学のWEB版広報誌「リンデン通信」のマガジンの一つで、2カ月に一回の頻度で更新します。
キャンパス内で撮影した季節の写真とともに、私たちの周りにある身近な自然をご紹介しています。
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