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サツダイの授業紹介 #6

札幌大学は、北海道札幌市にある私立文科系総合大学で、学生や地域の方から「サツダイ」の愛称で親しまれています。

札幌大学について

本学では、「他者と協働しながら地域に新しい価値を創り上げる」という「地域共創」の行動原理に基づき、「地域共創学群」内に8専攻を設置しています。本学の学生は、多彩な専門科目の中から「学びたいこと」を組み合わせて学ぶことができます。2022年度からは、全専攻横断型の新しい教育プログラム「サツダイ:みらい志向プログラム」がスタートし、学生は自身の専攻と掛け合わせて最先端の知識やスキルを身につけることができるようになりました。

「サツダイ:みらい志向プログラム」について

この度、みらい志向プログラムの柱の一つである「ビジネス創生『食・観光』プログラム」の一環として専門家講師による3つの科目が実施されましたので、今回はそれらの授業の一部をご紹介します。

なお、「情報発信演習」と「地域経済演習A」は、経済学専攻の専門科目となっています。


北海道観光概論

▲石井至先生

科目名:北海道観光概論
講師:石井至先生

「北海道観光を地域共創の観点からプロデュースする視点を養う」というテーマで、石井至先生に全15回の講義を行っていただきました。

石井先生は、ご自身が代表を務められる石井兄弟社にて過去に6冊の旅行ガイドを執筆され、世界各国の旅行地での取材経験をお持ちです。また観光立国推進有識者会議(国土交通省)などの委員として長年さまざまな観光振興に携わってこられました。さらに観光リスクマネジメントについての研究実績もお持ちです。

▲「北海道観光概論」の授業の様子

この科目では、「観光とは何か」という観光学の基礎からスタートし、観光マーケティングや観光政策についての講義が行われました。例えば、マーケティングの基礎である「マーケットイン」という考え方が、観光政策の中で活用されている事例を、ご自身の経験から具体的に紹介していただきました。学生は、観光についての見識を深めながら、北海道の観光資源について理解し、今後さらなる活用方法について考えることなども求められました。

観光政策とアドベンチャートラベルについての回では、国土交通省北海道運輸局観光部長である水口猛氏による講義も行われました。石井先生は「観光を通じていろいろなことを学べるので、好奇心を旺盛に持ち、何か一つでも自分がすごく好きだなと思うものを見つけてもらえたら」とお話されました。

情報発信演習

▲長瀬亜美先生

科目名:情報発信演習
講師:長瀬亜美先生

「地方創生に必須のインバウンド観光において、観光地の経営について実務に沿って学びながら、今後に向けたプロモーションの手法を考える」というテーマで、長瀬亜美先生に全15回の講義を行っていただきました。

長瀬先生は、ホスピタリティ&ツーリズム業界において約14年間の経験をお持ちで、現在は海外政府観光局の日本事務局広報部長として観光促進PR業務に従事されています。また、米国デラウェア大学・大学院にてホスピタリティ経営学の修士号を取得されるなどグローバル視点での観光業への見識をお持ちです。

この科目では観光地域づくり法人(DMO:Destination Management/Marketing Organization)への理解を主軸に、海外や日本国内のDMOにおける成功事例の紹介や効果的な情報発信方法について講義が行われました。

▲小樽でのフィールドトリップの様子

学期中には小樽へのフィールドトリップも行われ、観光庁の登録DMOである小樽観光協会の方々の協力の元、DMOについての基礎知識や、観光地プロモーションについての事例について教えていただきました。その後、講義やフィールドトリップで学んだことを元に、学生は小樽のプロモーションアイデアを作成し、小樽観光協会の担当者へプレゼンテーションを行いました。長瀬先生は「観光に興味のある学生は多いと思う。旅行会社に就職することだけが観光業ではない。地域のステークホルダーの方と一体になり地域を盛り上げていくDMOについても理解を深めてもらいたい。授業を通じて観光プロモーションのさまざまなチャンネルを知り、効果的な情報発信方法について学んでいただけたら」とお話されました。

地域経済演習A

▲佐々木学先生

科目名:地域経済演習A
講師:佐々木学先生

「食分野における、未来にわたる地域共創力を培うこと」というテーマで、佐々木学先生に全15回の講義を行っていただきました。

佐々木先生は、食材付き情報誌「北海道食べる通信」の編集長として、北海道内における食の一時産業の現場を数多く取材。さらに加工や流通、政策に関わる人々との交流を広げられています。また北海道大学静内研究牧場で飼養される日本短角種「北大短角牛」の食肉販売も手がけています。

▲調理実習の様子

この科目では、座学と実習の2回の授業が1セットとされ、学生は各回セットでテーマとなる北海道の食材(伝統野菜、ジビエ、越冬野菜、酪農畜産、水産物など)を、座学と調理実習および実食によって多角的に学びました。

「食分野における冷熱利用」の回では、沼田町役場から分けていただいたという平成27年収穫のお米を用意。収穫後、雪室で7年間保存されていたものですが、新米と変わらず美味しくいただくことができ、学生は実食を通して貯蔵条件の重要性を学びました。佐々木先生は「食材について、その歴史や文化、地域的背景を理解するとともに、自分で調理したり味わったりすることは、どちらも大事。その一連の流れを体験するとその食材がどんなものかを語れるようになる。学生たちは北海道という食の宝庫に住んでいるので、ぜひ『食を語る力』を培ってもらいたい」とお話されました。

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