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上手いのと面白いのはぜんぜんちがう

上手いと面白いは、格が違うと思う。

それが文章であれ、ヘアデザインであれ、「上手いなあ」と思った場合、それを読んでいる人(見ている人)は、感心してるけど感動はしてない。

なんてことを思ったのは、本日も質問の多いライターの友人に、「ゆみさんが面白いと思う文章は、誰の文章ですか?」と聞かれたから。

面白いという言葉は、「面が白い」が語源だそうです。
昔、天の岩戸にこもった天照大神を引っ張り出そうとした天宇受賣命がストリップをして、やんややんやの大盛り上がりになり、「なにごと?」と思った天照大神が岩戸の扉を開けた時、その光で人々の面が白く照らし出された、というのが、この言葉の語源。(雑な説明ですみません)

転じて、ひとびとの顔が白く輝くほど、心を動かすほどの輝きを持った芸事を、面白い、というようになったらしい。

この話を私は昔、授業で狂言を習った野村萬斎先生から聞きました。その話のインパクトが強くて、いまでも面白い文章に出会うと、本やパソコンからビームが出て、それを浴びてる感覚になります。(まあ実際ブルーライト浴びてるとも言える)

うまいと面白いの間には、このビームの有無がある気がします。
こちらが顔色が変わるほどのビームがあったかどうか。
こちらの心が動かされたかどうか。

ちなみに、私は過去に尊敬するクリエイターさんと文筆家さんから「君の文章は上手いけど面白くない」とズバリ言われたことが結構なトラウマで、いっとき、面白い文章が書けないコンプレックスがひどかった。


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最近編集&ライティングを担当させていただいた「内田本」では、内田さんと浦さんの対談で、やはり、上手と面白いの違いの話が出てきます。

Q若い子たちのヘアデザインを見て感じることは?
(浦)じ・ょ・う・ず、のひとこと。
(内田)俺もそう思う。
(浦)おもしろいかどうかはわからないけれど、素直に上手だなあと感じます。私はあんな風にいい感じに作れなかったから。

面白いのって、やはり、なかなか難しい。


んでは、また。

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