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「うんこドリル」と「おしりたんてい」と「パンツをさがせ」

1週間に最低3冊は新刊を買ってくる息子氏と付き合ってると思う。児童書、ほんとに奥が深い。

いま息子氏が一心不乱に読んでる本は、『パンツをさがせ』という本です。


読みながら突然
「ねえ今度、岡山県に行きたい」と言うので何事かと思ったら、この本、パンツが脱げちゃった怪獣が日本全国を探し回るうちに、自然と47都道府県の勉強ができる本だと書かれています(帯に)。
なぜ岡山県に行きたいのかと聞いたら、「マスカットの産地だから」だって。


『うんこドリル』や『ざんねんないきもの』シリーズが空前の大ヒットとなった時にも思ったのだけれど、
児童書を作る人たちって、日頃どういうことを考えてあのような本の企画に至るのだろう。
その頭の中を知りたい。本当に天才だと思う。


現在、息子氏が全巻揃え、新刊が出る日を指折り数えて待ち、その発売日までは北海道に行かずに東京にいるとまで言い、
「版元発売日は倉庫を出る日だから書店さんにはまだ届かない」って言ってるのにもかかわらず、「ハチたいクモは、もう届いてますか?」と、発売日朝イチのレジで聞くほど(私が著者なら泣く……)待ちわびているシリーズがこれ。

その名も、どっちが強い!? シリーズ。

これとかもう、絶対私には思い付けない企画です。(これはほんの一部で、シリーズは結構冊数あります)

だいたい、イヌワシVSオオワシが、企画になるなんて、人生のどのタイミングでも思ったりしない。
ヘビVSワニもアレだけど、コブラVSガラガラヘビとか、さらにニッチをいくあたり、すごい。
クジラVSダイオウイカとか、なんか種別的に並べていいのかどうか不安になるものもあるし、オオカミVSハイエナとかは、人生に対するカタルシスを伝えようとしてるのかさえ感じる。
というかそもそも、VSさせようと思ったところがすごいです。

あと、こういうのも、私の貧相な発想では出てこない

昆虫本があるのに、同じシリーズにカブトムシとクワガタムシがあるところとか!!!入れ子じゃん!って、私なら思ってしまう。

もちろん、昆虫好きの子が、もっと知りたいと思ったらカブトムシとクワガタムシにたどり着くのかもしれないけど、これ、普通の書籍で同じような企画出したら「読者の数は、絶対に1冊めの半分以下でしよ。売れません」って、言われておしまいな気がする。
いや、昆虫本っていうほど、ばくっとしたものでは満足しない読者もいるんだよとか、むしろ、カブトムシとクワガタムシという固有名詞の方が(固有名詞じゃないですね)引きになって売れるんだよ、とか、企画会議でそういうこと話されてるんだろうか。カブトムシとクワガタムシなら出せるけど、チョウと蛾だと少し読者が減るかなとか、そんな会話されてるんだろうか。

そして、そして、そして。

うんこドリルよりも、パンツをさがせよりも、私が衝撃を受けたのは、この『おしりたんてい』シリーズです。

こちらも息子氏大のお気に入りで、新刊を書店で買うと、その場で袋から取り出し、エスカレーターだろうが、階段だろうが、二宮金次郎ばりに、読み終わるまで絶対に目を離さない。

いつか車に轢かれるんじゃないかと思うくらい中毒性がある本みたいなんですが、この主人公、顔がおしりなんですよ!

大事なことなので、もう一回いいます。

顔がおしりなんですよ!

普通、は!? ってなりません?

話をするのも、ご飯食べるのも、おしり経由なんですよ。おしりから大真面目に人生の真理が語られたりするんですよ。
いろんな価値観が崩壊する貴重な本なのですが、これが絶対におもしろいと自信を持って一冊めを世に送り出した編集さんを(作家さん以上に)、心から尊敬します。

息子氏の書籍代、私の仕事の資料本代と同じくらいかかっていて、ときどきドキドキするんですが……

私の仕事の資料本だけでは見ることのできない、書籍の奥深さというか、業の深さというか、なんというか、いろいろ垣間見れて、私的にも元はとれてます。

インタビューさせてくださる、児童書の編集さんいらしたら、ぜひ教えてください。

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執筆2時間

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