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ネコを仕舞え!~猫は本当に無害か~

大前提として、私は猫が好きです。また、猫の生態について無知なわけではありません。生後間もないころから猫に湯たんぽ替わりにされて過ごしました。
だからこそ、私は問いたい。猫を外で飼い、かわいそうだというお題目を唱えて気まぐれにえさをやる。この現状が正しいものなのか。猫にとって幸せなものなのかを。

猫とは

猫とは非常にかわいい中型の「肉食獣」です。非常に狩りがうまく、ネズミや小鳥をとらえては飼い主に自慢してくれるかわいらしい習性を持ちます。いかに狩りがうまく、悪魔的かといえば、狩りによっていくつかの種を絶滅させるほどです。
また、特に外にいる猫は病気や寄生虫のリスクにさらされており、猫自身の寿命に影響することもあれば、これにより人に重篤な症状を引き起こしたり、時に死亡事件を引き起こすこともあります。さらに、猫自身の持つタンパク質によりアレルギー反応を起こす人も多く、人によっては命に係わる症状を引き起こします。

【医師監修】猫アレルギーの症状・原因と対処法|What’s 猫アレルギー (benesse.ne.jp)

猫は自然になじめるか

猫の愛好家の一部には、猫は自然の一部であるとか猫を外に出さないのはかわいそうだという主張をする方もいます。この主張は本当なのか、個人的には絶対に間違っていると思います。
なかなかショッキングな映像ですが、下の動画の3分あたりの映像を見てみてください。

映っているのは奄美大島と徳之島の固有種で絶滅危惧種のアマミノクロウサギが猫に捕食される映像ですが、あまりにあっけなく捕らえられていることがうかがえます。
当然ながら、生物は捕食者に対して無力だと絶滅します。このことは人間が食肉目的で捕獲した結果滅ぼしてしまった生き物たちが証明しています。
では、なぜこのような現象が起こるか、猫がその地域の生態系に組み込まれていない、その地域の生き物たちにとっては想定外の敵であるためです。
これは奄美大島に限った話ではありません。一部地域の一部生物が猫に適応したという事例もあるとは思いますが、今も世界の各地域で発生している現象です。このような現状があるにもかかわらず、猫は生態系の一部であるという主張は無理があるといえるのではないでしょうか。
また、猫は無駄な殺生をしないという主張も(それと自然の一部であることとは無関係なように思いますが)よく見かけます。これについても猫を飼ったことがある、あるいは猫の被害に遭ったことがある方なら間違いであると理解しているはずです。
特に田舎で猫の外飼いをしていた方だと、猫が鳥やネズミなどの生き物を捕獲して、特に食べるわけでもなく見せつけてくるという体験をした方は多いと思います。
また、上記の事例は飼い主に狩りの方法を説明しようとしているなどの理由で説明されることもありますが、明らかに快楽目的の殺生(水瓶の金魚を頭を嚙んで殺してその場に放置する)などの事例も少なくとも私は何度も目撃しており、無駄な殺生をしないという主張に関しては少なくとも私は無理がある主張であると考えています。(猫からしたら無駄ではないのかもしれませんが)
このような現状を踏まえると猫は自然環境どころか人類社会にもなじめてはいないと言えます。うちの地域に希少種なんていないからいいじゃないかという方もいるかもしれませんが、あなたにとっての猫と同様に他人がかわいがっているペットの命を奪ってしまう可能性がある時点で猫の外飼いは控えるべきではないでしょうか。
※たとえ希少な生物がいなくても数が減れば普通種も希少種になりえるので希少な生物がいないという主張もどうかと思いますが。

猫にとって外飼いは幸せか

猫が周囲に与える被害の話をしましたが、猫にとって外飼いは本当に幸福と言えるのでしょうか。
これについて、猫本人の感情は当然ながらわかりませんが客観的な事実としてはリスクが高く猫自身を苦しめる結果になるので止めるべきであると思います。
猫の殺処分はかわいそうだという話題が(誤った認識によるものも含めて)SNSでバズっているのを見かける機会は割と多いと思います。一方で日本にはその10倍の猫の命を奪っているといわれるものが存在します。交通事故です。

また、ロードキルに比べれば微々たる被害と言えますが、猫がボウガンにより撃たれたニュースなど、猫に対する虐待も見られます。大変腹立たしい事件ですが、屋外にいる猫はそのような被害に遭いかねないということもまた現実です。

さらに、最初にも挙げましたが、屋外の猫は屋内での飼育と違い寄生虫や感染症のリスクにもさらされ続けることになります。

個人的によく見かけるなと思うのは疥癬です。正直、痛々しくて見ていられないのですが、ネット上で見かける猫の写真に疥癬に感染しているものが一定数存在し、感染症のリスクというものはあまり認知されていないのではないかと考えたりもします。(人間にも感染するものなのですが普通に触っている方も見かけますし)
現実として猫にこれだけの被害が出ている以上、猫に外で生活させるという選択肢が本当に猫にとって幸福なものと言えるのかはいささか疑問に思います。

まとめ

まず前提として、猫はかわいい、そして外来種かつ優秀なハンターです。狩りが下手ならまだしも優秀なハンターを野に放てば野生動物の被害が生じますし、現実として野生動物以外の他人の大切なペットにも被害が出ています。
また、猫の外飼いは猫にとってもかなりリスクが大きく、死亡事故、虐待、伝染病など様々なリスクが付きまといます。本当に猫のことを思うのなら少なくともご自身のペットは自宅に仕舞いましょう。
また、野良猫の問題については一昔前と違いTNRが推進されるなど、野良猫の再生産がなくなり不幸のループが発生しなくなるような社会へと変わりつつあります。このような活動が発展しつつ、新たなに野良猫が生まれない、また、可能なら今屋外にいる猫たちにも家族が見つかることを祈っています。


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