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「台湾文庫」蔵書より、マニアックな食と農の本5選

台北だけじゃない台湾の地方が紹介されている本だったり、台湾ならではの食材が紹介されている本だったり、最近、日本語に翻訳される台湾の本が相次いでいます。

今年4月に奈良の古民家をセルフリノベしてオープンした「台湾文庫」では、まだ翻訳されていない台湾の面白い食と農の本をご紹介しています。原住民の植物民族の本だったり、エディブルフラワーや漢方、農家の食卓訪問記、発酵の本などなど。お料理に関する本だと、中国語が読めなくてもイラストや写真を眺めているだけでまた楽しいかも。読めないよ、という人が多いと思うので、ときどき、文献を読み解きながら一緒に仕込む会をやってます。

そんな「台湾文庫」の蔵書から、インスタでおすすめの本ご紹介を連載中です。どういう基準か、いいねがついたり、あまりつかなかったり・・・。マニアックすぎ説もありますが、もしよかったらフォローください。

インスタ:https://www.instagram.com/taiwan_library/

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台湾の食農本おすすめ5選

❶「農村廚房尋味之旅」 

台湾農家のキッチンを訪ねる旅。農家の料理教室や農家民宿など訪ねることができる場所もたくさんあり、実際私が滞在していたことのある農家さんも掲載されていました。次台湾行くときの参考になる本です。

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❷「藏種於民」果力文化編

日本でも話題のコミュニティシードバンクですが、アメリカやヨーロッパ、アジアの他の国ではどのような活動がされているのか知る機会は少ないですよね。グローバル社会における種子保存の位置付けと事例の他、台湾での取り組みも紹介されています。実践編では、種取りのQ&Aや、シードバンクの始め方などが解説されています。

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❸「台灣漬 二十四節氣的保存食」種籽設計

台湾にも二十四節気という考え方があって、冷蔵庫のなかった時代から、その土地のその季節ならではの食材が保存されてきました。台湾の保存食には、砂糖漬け、塩漬け、油漬け、酢漬け、酒漬け、天日干しなどがあり、二十四節気の保存食をテーマに台湾各地から集めたレシピや食文化を丁寧に紹介されています。

台灣漬

❹台湾の美味しい調味料 台湾醤

24節気の保存食を伝える「台湾漬」の第2弾。台湾の代表的な35の食材を紹介。魚漬け、黒酢、豆豉、豆板醤、酒釀(チューニャン)、辣椒紅油、醬油、からすみ、老菜脯(干し大根の漬物)、干しエビ、緑豆、ピーナツ、豚肉の漬物、きのこ、豆乳、薬膳、桂圓、パイナップル、魚の干物、苦茶、ねぎ、紅麹、腐乳、干し菜、漬け菜、ぷどう、破布子、ラード、青草、麻油、フライオニオン、黑糖、さつまいも、酒、生姜,などなど、それぞれの食材についてのアレンジ方法も掲載されていて、食材の図鑑のようです。

ここまでマニアックに台湾の「醤(じゃん)」のことを書かれた日本語の本はないでしょう!マニアックすぎて、実際に作れるレシピは少ないかもしれませんが、斬新な食材の使い方にアイデアやインスピレーションが湧く1冊です。

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❺「釀酒:米酒、紅麴酒、粟酒、コーリャン酒、果実酒、野菜酒,釀造酒基礎篇」徐茂揮著

発酵オタクにはすごくマニアックで面白い台湾の発酵本。特に面白いのが日本にない紅麹と餅麹の起源、作り方や使い方について、ここまでマニアックに書かれた本は日本にはないのではないでしょうか。大陸と台湾の麹の分類や発酵の化学方程式、アルコールや糖度の測り方から様々な麹を実際に使って醸す酒の種類の数々。目次をみるだけでワクワクします。写真もカラーでいっぱいのってて見てるだけで楽しいです。発酵好きにイチオシの一冊。

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以上、ちょっとマニアックで楽しい台湾で出版されている食の本のご紹介でした。

中国語の勉強にもおすすめなんですが、時々、中国語の読書会をお知らせするも、マニアックすぎて全然集まらず・・・。意外と日本人の漢文に対する心理的ハードルが高いことに気づく。どういう人にニーズがあるのか全く不明ですが、超マニアックな図書室やってます。

読書会はハードル高すぎるみたいなので、ときどき、オンライン講座で、実際に保存食などの文献を読み解き作ってみる講座をやってます。興味ある人がいたらぜひいつかどこかでお話しましょう〜!

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