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ならいごとの旅

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世界の小さな村を訪ね、保存食や手仕事など昔ながらの知恵を学ぶ旅の記録
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#台湾

1日30名限定!タイヤル族の自給自足の桃源郷へ

不老部落について 台湾植物民族と発酵ならいごとの旅2日目。入域できるのは1日30名限定!タイヤル族の現在版桃源郷へ。 不老(Bulau) 集落のBulauというのは、タイヤル語で、のんびり過ごすという意味で、日本語で言うと、"ぶらぶらする"みたいな感じです。 入域制限しているため、数ヶ月先まで予約でいっぱいと言われてて、なんとかキャンセル待ちで1席ゲット。 ここはほかのテーマパークのような民族村とは違い、人が実際に住んでる。機織りをしてて、天然の薬草を採集していて、染

台湾原住民アミ族の酒と草麹作り

<ならいごとの旅in花蓮&台東> ときどき募集してます、原住民の森へのならいごとの旅。今回の旅のテーマは「台湾原住民の植物と発酵」。植物学や食品化学の研究者、麹やさんのスタッフなどとともに、原住民集落へ〜。発酵を教えている現地の学校で出会った人たちもみなさん、面白い方ばかりでした。 まずは、花蓮にある原住民野草学校に行ってきました。校長先生はお留守でしたが、スタッフのHanaさんが、丁寧に案内していただき、いろんな植物の知恵を学ぶことができました。 こちらの集落では、酒

中国語の勉強方法(2)3つの通訳メソッドを使った上達方法

以前に、日本人が中国語を勉強するメリットについて書きました。日本人は漢字が読めるので、何も勉強してなくてもだいたい新聞が読めてしまいます。あとは、音を覚えるだけ。今回は、通訳者が使ってる3つの訓練を中国語に応用してみてみましょう。 通訳メソッドというと、ちょっと上級編に聞こえるかもしれませんが、けっこういろんな場面でできる語学の習得方法です。 ①クイックレスポンス ②シャドーイング ③リピート(リテンション) 紹介したいのはこの3つ。 順に見ていきましょう。 ①クイッ

台湾文庫の本棚とHPができました

台湾文庫について里山文庫では、2012年から失われつつある農村文化を学びに全国の農村を訪ねた記録をまとめたジャーナルとして、おじい、おばあから学んだ手仕事や保存食、植物の知恵を公開しています。聞き書きの同行者を募集して農村に通っているうちに、ぜひ農村の知恵を学ぶツアーを企画をしてほしいという要望があり、旅行業登録をして正式な旅行会社としても活動してきました(奈良県知事登録第3種216号)。 台湾文庫は、里山文庫の中に2015年から台湾の食と農の産地を訪ねて聞き書きしてきた記

台湾愛好サークル「台湾文庫」の会員募集!2020年度

ときどき募集してます台湾への食と農をめぐる旅。 「参加したいのだけど、どうすればいいですか?」という声をいただいていました。 これまで、facebook友人にのみ通知していたのですが、旅行業法的に一般募集できないという制限がジレンマでした。今後は台湾愛好サークルの会員向けに旅の同行者を募集していこうと思います。 同時に、できれば、中国語を喋れた方がもっと旅が楽しくなるので、中国語会話教室や、台湾茶会なども定期的に開催していく予定です。 今回は、台湾茶を訪ねる旅で出会った

「医食同源」台湾の薬草文化

薬草(青草)のお店やカフェがどんどんオシャレになって面白い台湾。日本では薬事法の関係で使えないものも、普通にカフェや屋台でも食べられるし、食材として分けてもらえます。 「薬と食の境目?台湾ではないかな。医食同源だから。あえて薬膳って言わないよね。自然に料理に使ってる。」とのこと。 台湾では普段の暮らしに普通に溶け込んでいる文化なのでした。 いくつかのお店で使い方を聞いてみました。トウキやどくだみ、仙草は知ってるけど、他は全く知らない草がずらり。選び方がわからないので、鍋

ならいごとの旅in台湾

現在台湾に来ています。これまで海外の方を日本の農村へ案内する仕事をしてきましたが、将来的には台湾でのツアーもやりたいなあと思い、いろいろリサーチ中です。 台湾のなりわいと暮らし、ひとや土地とのつながりやガイドブックには載らない魅力を伝えていきたいと思います。

ならいごとの旅 in 台湾 (6)山に生きるルカイ族の民族植物と愛玉づくり

ルカイ族の集落で愛玉づくり数年前、台湾の屋台で初めて愛玉という植物のことを知り、なんとか現物と加工の様子を見たいと思っていましたがやっと実現しました。 愛玉のタネからペクチンを取り出し、ゼリー状に固めた物が屋台でもよく見られるオーギョーチ。 そしてこれがそのタネ。 愛玉の樹(学名:Ficus awkeotsang クワ科イチジク属)は、台湾の固有種で、主に南東部の山間地帯で育てられているようです。 屏東からバスで約1時間。今回おじゃましたのはルカイ族が多く居住する高雄

ならいごとの旅 in 台湾(5)台湾茶を学べる素敵な農家たち

台湾の多様な茶のカタチには多様な楽しみ方アリ台湾の農家さんを訪ねていると聞かれるのは、「日本にいったらお抹茶の体験はあっても、煎茶の体験ができるところがない。日本人は抹茶しか飲まないのか?煎茶は楽しまないのか?」ということ。日本の茶道というと型となって伝わっているのですが、たしかに、抹茶以外の煎茶や玉露、かぶせ、碾茶など、多様な茶が味わえる茶館のような場所は少ないのではないでしょうか? 台湾では、茶芸館で茶を飲みながら寝転がってるひとがいたり、茶農家さんのところに遊びにいく

ならいごとの旅 in 台湾(4)ふくろうの森と藍文化の復興

「1匹のふくろうのためにここに森を買いました。」 卓也小屋は苗栗三義の山奥にひっそりと佇むこの世界から忘れられた山荘。 三義駅からは公共交通がなく、タクシーで山を登ること20 分。そこには堆肥を使った有機農業、大陸から伝わる客家の藍染めの服作り、多くの生命を育む水源、自然生態と調和した暮らしがありました。温かく、懐かしい伝統的な農村を彷彿とさせる桃源郷が広がります。 鄭オーナー夫妻が一匹のフクロウに出会い定住することになったというこの土地は、実はふくろうだけでなく、鷲やか

ならいごとの旅 in 台湾(3)畑の中心で食卓を囲むひとびと

台湾で4年半前に始まった生産者とつながる畑の食卓イベントを主催するグループ「稻田裡的餐桌計劃-幸福果食」を訪ねて来ました。 幸福果食は4人のスタッフとボランティア(ここでは、「夢行者(夢を実践する者)」というそう)運営する農業支援の会社。 4年半を通じた活動で、台湾中の約300の農家とつながり、毎週どこかの農家のところでイベントを開催しています。 私が今回参加したのはそのイベントの一つでもあり、4年半前のイベントのはじまりとなった記念すべき地での晩餐会。 中山休閒農場に

ならいごとの旅 in 台湾(2)住み開きの種子博物館で植物とともに生きる暮らしを学ぶ

受け継がれるタネを訪ねる物語「たねはどうしていますか?」 旅先で畑仕事をしているおじいさん、おばあさんを見かけるとつい聞いてしまいます。きっかけはブータン王国で農業インターンをしていたときに見た種採りの光景でした。 きゅうりやなす、かぼちゃ、果実から取り出された色とりどりの種たちが桶に入れられ、ずらーっと並んでいました。トウモロコシは5種類、マメは10種類以上、用途別に使い分けしながら屋根裏に保存します。屋根の下は煙でいぶされるので、保存がきくのです。 じゃあ、にんじん

ならいごとの旅 in 台湾(1)薬草を学ぶ旅

アジアの農村で自然とともに暮らす知恵の聞き書きをしています。 前回記事では中国の発酵やお茶をテーマに書きましたが、多民族国家台湾の民俗文化も実に多様で面白いです。 原住民の暮らしと薬草薬草王国台湾でも特に薬草を生産しているのが台東。 原住民族が多い東は在来種の宝庫だったりします。 こちらの薬草園では、有機認証を取得している農園で200種類の薬草を生産し、商品加工をしたり、体験教育をしたりしていますが、とくに印象的だったのが、薬草バイキング! ここで提供されている薬草カ