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命は海から生まれ森へ還る

岐阜県揖斐郡の山奥に、かつて春日村というところがあった。今では揖斐川町に合併されて、揖斐川町春日地区になっている。

この最奥、滋賀県との境に美束(みつか)という地区がある。戦国時代に追手に追われた顕如が隠れ住んだという岩屋が今も残る。村の入り口には蝋燭を思わせるシンボルが立っている。

このまた最奥に「春日森の文化博物館」がある。こんな所に博物館?止めを疑いたくなる代物だが、この博物館、すごくいいのだ。縄文の雰囲気を纏い、深閑とした森の入り口にひっそりと佇んでいる。

ここで明日から始まる企画展。藤原市三郎という彫刻家の展示会。本人は無名ですでに故人だが、ここに勤めるスタッフが、市三郎さんを掘り起こした。

石の持つ不思議な魅力。まるで石が市三郎さんを待っていたかのようだ。

春日は伊吹山の東麓にあり、不思議な伝説が幾つも伝わっている。酒呑童子の伝説もその一つ。

命とは海から生まれて森に還っていくのだろうか。そんな生命の連環を思わせてくれるミュージアム。

ぜひ、森の博物館で、市三郎さんに会ってほしい。

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