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桃介橋のストーリー

旅をしていて、熱心に下調べしたスポットよりも、何気なく寄った所がめちゃくちゃ良かったなんて事ありません?

そんな、ノーマークで何気なく寄ったスポットがたまらなく良かった話。

桃介橋 ももすけばし

天気の良い清々しい朝、木曽川沿いの道を車で下っていた。
運転していた夫が、
「どっか散歩でもしたいね〜〜」

助手席の私は携帯で周辺を検索。。。

桃介橋 ももすけばし。

面白い名前 ^^。。。

私たち夫婦は、桃介橋に寄ることにした。
駐車場に車を停め、木曽川に架かるその橋を見た。

なんだ、このカッコ良すぎる橋は!!

橋を歩いて渡る。
橋の上から木曽川を覗く。
木曽川の石は白い花崗岩の綺麗な石。流れる水も透明度が高く美しい。

河原に降りて、下から見る。石積みで上部はコンクリート、橋の部分は木製の吊り橋は、大正11年に作られた。


電力王と呼ばれた福澤桃介(福沢諭吉の娘婿)が、木曽川沿いの水力発電事業の資材運搬のために架けた橋だそう。
橋の真ん中にトロッコが走っていた形跡のレールがある。

橋業界のことは分からないけれど、大正時代に建設されたこの時代の雰囲気は存分に感じられる、素敵な橋だった。

桃介の別荘

橋の近くには、桃介さんが水力発電事業をするために建てた自身の別荘が保存されていた。ここだけとても洋風な雰囲気のある場所。

素敵な洋風別荘は、大正8年に建てられた。ちなみに私は、明治から昭和初期に建てられた、洋館や建物がとても好きだ。その時代の洋と和がミックスされた、なんともいえないその時代特有の素敵さがたまらない。

心地よい陽の当たる洋風なテラス。
ここでアフタヌーンティしてたのかな。。。素敵だ。

ちゃんと和室もある。角部屋で心地良い陽が入る、落ち着いた部屋。
ここで、物書きでもしていらしたのかな。
洋と和が混在した、この時代特有の素敵さを持つ別荘だった。

案内板にもあるとおり、この別荘は桃介がLover、川上貞奴と過ごした別荘でもあった。水力発電事業でこの別荘に滞在している時は、貞奴がいつも一緒に滞在していたそう。桃介と貞奴が知り合ったのは桃介が学生時代の時。二人は恋に落ちるが、、、福沢諭吉に気に入られてしまった桃介が結婚したのは、諭吉の次女、福澤房子だった。
別荘の部屋を見て周り、説明書を読んでは、そこにはかつて、桃介と貞奴が暮らしていた形跡があった。記念館のスタッフが語ってくれるストーリーもまるで昼ドラのようにドラマチックで、興味深かった。

山の博物館

桃介の別荘に併設するようにあったのは、山の博物館。
木曽といえば昔から林業のメッカの場所である。
山しごとを生業とする夫の目は、釘付けであった。

木を出すのに、木製のやぐらが組まれている。その下には、大勢の山の仕事師たち。今や、重機が当たり前の時代だけに、ただただ、すごい。

以上が、ふと寄った木曽川沿いの桃介橋と桃介別荘は素晴らしく、
語られるストーリーも大変興味深いものだった話でした。

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