家族の有り様を書いた記事が炎上したわけ

1.きっかけはこのツイート

どうやらこの記事のことらしい、私もよく読むハフポスト日本語版の1つの記事が炎上しているという。
私も読んでみました。

2.初めは違和感を感じなかった

境治さんのツイートは、いつも誘導しないように心がけられていらっしゃるのか、なぜ問題なのかという確信について触れられていない感じがします。

で、帰りの電車の中で読んでみました。自民党総裁候補つまり次期首相候補の岸田さんがTwitterに投稿した夫婦の写真は、陰で夫を支える慎ましい妻と
政治家の夫。

次期首相候補たる人が、旧態依然の夫婦を演出するかのような姿を公に公開するのは、多様な家族の有り様がある現代において、いかがなものかという
記事のように受け取れました。

この記事を書かれた記者の方は、次期首相候補がSNSにこんな投稿をするのでは、ますます男女間格差や差別を助長するのではないかという問題提起かと思い、境さんの言うほど問題なのかなと率直に思いました。

3.自らに置きかえてみて

私は人の気持ちを酌むことがとても苦手で、いま現在でも失敗することがよくあります。確かにこの記事に対する批判は辛らつで、著名な方から一般の方々までありとあらゆる立場の人が憤慨しています。

いったい何が悪かったのだろう。

こういうときは想像できないときもあるけれど、私は自らに置きかえてみて考えることにしています。

私の家族は妻と私の2人家族で、共稼ぎをしています。子供はいません。

例えば「奥さんに仕事させて大変じゃない。養ってあげればいいのに。」と言われたとします。(実際に言われることもありました)

それって、余計なお世話じゃないですか?

4.こんな場合はどう思います?

※実際の政党や個人とは一切関係がありません。あくまでも仮定の話です。

(1)社会のためにも大家族がいいと主張する政党の議員がSNSへこんな投稿をしてみました。

「やっぱり大家族はいいものですよ。若い世代の方は早く結婚して私のように子供をたくさん作って、幸せになりましょう。それは自らの幸せだけではなく社会のためにもなりますよ。」

(2)多様性がいいと主張する政党の議員がSNSへこんな投稿をしてみました。

「女性も社会へ出ましょう。それが貴女のためにもなるし、社会のためにもなるんです。」

(3)社会のためにも大家族がいいと主張する政党の議員がSNSへこんな投稿をしてみました。

「私の家族は写真のように大家族です。ですが世の中にはいろいろな家族の形態があると思います。私はどんな家庭も幸せにしたいと思います。」

(4)多様性がいいと主張する政党の議員がSNSへこんな投稿をしてみました。

「私は子一人の家庭ですが、とても幸せです。様々な家庭がこの国にはあり、性別や国籍、血縁に関わらず多種多様な家庭があると思います。私はそんな人々の笑顔を作るお手伝いがしたいと思います。」

私は(1)と(2)を投稿されたら「余計なお世話だ」と思います。
逆に(3)と(4)なら「そういう考えなのだなぁ」と思います。
みなさんはいかがだったでしょうか。

5.最後に

何が多くの人の不評を買ったのかということは、既に述べているように多様性を主張しながら、人それぞれの家庭の価値観までに踏み込んだことにあると思います。

一般市民は「公(おおやけ)」と「私(わたくし)」を持っています。芸能人や政治家等の著名人もまた「公(おおやけ)」と「私(わたくし)」を持っています。一般市民に比べたら著名人の「私(わたくし)」はごく僅かですが、その重さは一般人となんら変わりがありません。

自らの運動や主張に一生懸命になるあまり、それが当たり前だと錯覚してしまうと、結果として相手の人権を踏みにじってしまうことがあるということです。

そして、私もまた偉そうなことは言えず、いとも簡単に真逆のことに賛成してしまいそうになりました。

各々の属性、女性、男性、国籍、肌の色などでくくることはあったとしても、女性だからといって全員が少女マンガが好きではありませんし、男性だからといって全員が野球観戦が好きなわけではありません。また、日本人だからといって全員が几帳面でもありません。

個々人の価値観は多様で尊重しなければならない。
そう思い直すいいきっかけになりました。