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英検1級はライティングゲーム!?

英検1級は○○ゲー(ム)と表現されることがあるようです。
たとえば、単語ゲーム、リスニングゲーム、そしてライティングゲームです。

私はこれまで○○ゲームという表現を目にしてもピンと来ていませんでした。
リーディング、リスニング、ライティングでそれぞれ7割を取ることを目標に勉強してきました。

しかし、自分が英検1級一次試験に実際に合格してみると、「ライティングゲーム」という表現には一理あると思いました。

ライティングのCSE スコア次第で、英検1級が「ハードモード」にも、「イージーモード」にも変動するためです。

英検CSE スコア方式では、ライティングもリーディングやリスニングと同じ割合の得点が与えられています。各分野の満点は850点です。


ハードモード

英検1級でリーディング、リスニング、ライティングをそれぞれ7割のCSE スコア676点ずつ得点することは言わばハードモードです。

リーディングとリスニングでCSEスコア676点を上回る場合を考えてみましょう。
2023年度第1回なら、下記の素点が必要になります。
リーディングの676点は素点で28/41点(正解率約68%)
リスニングの676点は素点で20/27点(正解率約74%))
参考:FURUさんの素点と英検CSEスコアの換算表

リーディングが7割近く、リスニングは7割超の正解が必要になります。

英検1級は語彙問題の難化やリスニングのリサイクル問題の減少などで出題傾向が変化しており、リーディングやリスニングで安定して7割得点できる人は相当な実力者だと思います。
理想的ではありますが、試験合格を目指す場合には遠回りとなります。

イージーモード

仮に、ライティングでCSE スコアが730点取れる場合、残り約1300点をリーディングとリスニングで取ればよいことになります。
もし2023年度第1回なら、下記の素点が必要になります。
リーディングの650点は素点で23/41点(正解率約56%)
リスニングの650点は素点で17/27点(正解率約63%)
それぞれ得点すればいいことになります。
参考:FURUさんの素点と英検CSEスコアの換算表

ハードモードのリーディングが7割近く、リスニングは7割超の正解が必要と比べると、ぐっと現実的になると思います。

例えば、リーディングで語彙問題が得意で語彙で20点取れる人なら残り3問は長文で鉛筆転がしでも取れそうな確率です。
逆に長文問題が得意な場合には、語彙問題は5割程度の正解率でも合格には十分な点数が取れます。
リスニングはパート1で8問取れる人ならパート2以降の正解率は5割程度でクリアできます。

ゲームで遊ぶ時には適度な難易度がないとつまらなくなるものですが、合否のある試験で難易度が下げられるなら選ばない手はないでしょう。
実際に英語以外の試験でも選択科目があれば、自分が得点しやすい科目を選択するのが受験生の常道です。

ライティングは毎回問題数が1問で、答案用紙のサイズに制約があるため回答の文字数が限られています。
他のリーディングやリスニングと比べると、形式的には難化が難しい分野だと思います。
CSEスコアの配分を見直すなどの大胆な変更がなければ、「ライティングゲーム」を狙うことが最も確実かも知れません。
(注) この記事を書いてすぐの2023/7/6に2024年度からの出題形式の一部変更が発表されています。
https://www.eiken.or.jp/eiken/info/2023/pdf/20230706_info_eiken.pdf

「リーディングゲーム」を狙うことは、語彙問題と長文問題に分かれているので、どちらかが得意であれば合格には十分な点数が取れますが、両方得意にするにはハードルが高いように思います。
「リスニングゲーム」は、帰国子女やリスニングが得意な方には有利かもしれませんが、そうでない方が狙うには英検1級のリスニングは難しすぎると思います。

イージーモードに「確変」するために

もちろん、英検1級の試験問題を試験本番で他に差し替えてイージーにすることはできません。
しかし、受験生の取り組みは変えることができます。

そのためには、ライティング対策を優先しましょう。

過去問を開くと語彙問題からはじまるので、英検1級の語彙対策から始めて、リーディングの次はリスニングの対策を始めて、ライティングの対策が後回しになり試験本番でハードモードをプレイしがちになります。
ハードモードでは運が通じ難くなります。
連続して受験しても跳ね返され続ける可能性が高いです。

ライティングをまず優先することでイージーモードに乗りやすくなります。
繰り返し受けているとリーディングやリスニングで運良く正解数が伸びることもあり、その時には一次試験に合格できます。

さらに、ライティングで準備した内容は二次試験の面接でも役立つと思います。
一次試験に偶然合格してから焦らないように、ライティングを対策することは有益だと思います。

ライティング対策

これまでの主なライティング対策は主に下記がありました。

  • ライティング対策本で学ぶ

  • 英作文添削サービスを利用する

  • ネットで英作文対策の情報を調べる

上記に加えて、今注目されているのが、ChatGPTに代表されるGenerative(生成) AIを活用した対策です。
英検1級の対策にもAI が登場する時代に私たちは生きているのです。


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