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『行動経済学の使い方』(大竹文雄)を読んで。

 こんにちは佐藤です。今日は『行動経済学の使い方』を読んだので、感想と内容紹介を書きたいと思います。学問の使い方です。

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 人間の意思決定は合理的なものからずれる。情報を集めれば集めるほど、合理的な意思決定ができると考えがちだが、逆に選択できない状況に陥る。それを行動経済学という学問で修正できないかと考える。

 たとえば延命治療を受けるとして、メリットとデメリットの説明を受けたとしてもうまく判断できない。そこでは情報よりも、感情の動き方、の方が大事であるし、そこを踏まえて判断する方が望ましい。

 最も有名なのは「プロスペクト理論」です。額は少なくても利益は確定させたいし、損失は膨らむ可能性があっても、確定させたくないという心理。非合理的な判断が心理学的には当然として起こる。

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 上記の二つは、確実性効果損失回避、ときちんと名前がついています。つまり人が陥りやすい心理には名前があり、それを自覚していれば回避できる可能性が上がるということです。

 他に有名なのは、現状維持バイアスコミットメント手段、があります。これは名前がそのまま内容を表しています。夏休みの宿題ができないのは、だらけた日常が現状維持しているからです。

 禁煙の有名なエピソードに「煙草を吸ったら体調が悪くなる」というのを会う人全てに話す(コミットする)ことで、本当にそのように体調が悪化し、禁煙できるようになった、というのがあります。

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確実性効果     ・損失回避
現状維持バイアス  ・コミットメント手段

 4つの例を紹介しましたが、これらを理解して意識するだけで、非合理的な判断を回避できます。「これはバイアスがかかっている良くない心理だ」との気付きが、冷静な判断へと導きます。

 行動経済学を利用すれば、自身の気持ちをコントロールしたり、良くない非合理的な判断を回避できたり、また自分や他人が満足のいく決断ができるようになります。

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 ナッジという言葉があります。「軽く肘でつつく」という意味で、行動を促すという効果があります。例えば不法投棄を減らすには、イラストや標識でゴミ箱へ誘導するというのもナッジの一例です。

 懲罰で行動を制限したり、良心に訴えたり、ご褒美を与えたりと、我々の世界はありとあらゆる手段を用いて行動を促しています。行動経済学を利用すれば、振る舞いを促進することができます。

 今回は感想というよりも、内容紹介になりました。読んでいる時点では、あまり頭に残りませんでしたが、こうして文章にまとめてみると、興味深い内容になっていました。是非ご一読を。


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