読書の記憶 五十六冊目 「模試の小説」は、わりと好きだった。
受験生の思い出と言えば「模試」である。毎月一回(または二回)定期的に行われる「それ」を受験しては、その結果に一喜一憂する。いや、実際のところ、ほとんど対策らしい対策もせずに模試を受験していたのだから、結果はでないのは当然で「一憂」する資格などないはずである。
それなのに結果を見ながら「今回は調子が悪かった!」などと考えていたのだから、実にどうしようもない受験生だったと思う。勉強の成果を確認するのではなく、勉強をしていないことを確認するために模試を受けていたようなものだ。なんというか本末転倒の模試活用方法だったなと思う。
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