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つまり、佐藤の本棚。

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今まで読んできた本にまつわる「記憶」の記録です。
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#太宰治

古本をめぐる冒険 太宰治「パンドラの匣」

太宰治といえば「人間失格」や「斜陽」を思い浮かべる人も多いかと思います。自分の場合は以上の作品に加えて「パンドラの匣」が頭に浮かびます。その理由は、本作品が地元の河北新報で連載されていた作品ということで、それとなく身近に感じるからでしょう。 そんなわけで「パンドラの匣」は河北新報版で読みたいもの。装丁も美しくモダンで所有する楽しみも感じる一冊です。 今回紹介している「パンドラの函(河北新報版)」は復刻版なのですが、奥付けもちゃんと再現されています。「太宰」の判子が、いい感

同じ星 太宰治 【読書日記 九十七冊目】

こんにちは、コピーライターの佐藤(さったか)です。私ごとで恐縮ですが、今月は私の誕生月になります。すべての人に必ず存在する誕生日ですが(当然ですね)この年齢になってくると「え?もう誕生日になるの? オレって何歳?」と、時間の流れる早さについていけず、自分の年齢さえも曖昧になっていきます。 先日、免許の更新に行ってきたのですが……、と長くなりそうなので、この話題は別のところで書いてみたいと思います。さて、そんなわけで今回は「誕生日」にちなんだ内容の作品「太宰治 同じ星」を読ん

【92冊目】 井伏鱒二は悪人なるの説(佐藤春夫)

こんにちは、コピーライターの佐藤(さったか)です。100冊を目指して更新を続けてきたこのブログも、今回で92冊目、のこり8冊です。ここまでくると、逆に「まだゴールしたくない」ような気がしてくるのは、なぜなのでしょう? 人間の心理は不可思議なものです。 さて、今回紹介するのは「井伏鱒二は悪人なるの説(佐藤春夫)」です。今まで自分が信じていたことが、実は「出鱈目かもしれない」と知った時、あなたならどう考えますか?  井伏鱒二は悪人なるの説(佐藤春夫) 高校生の頃「太宰治は遺

【85冊目】 佐藤の本棚 「太宰治 葉」

こんにちは、コピーライターの佐藤(さったか)です。この前Y市へ行った時に、古本屋で探していた本を手にいれることができました。店主から「この本の前の持ち主は・・・」と、ちょっとしたエピソードを聞くことができたのもよかったです。古本を購入する楽しさのひとつは「一冊の本にまつわる物語」を受け取り、そしてつないでいくこと、かもしれません。大切にしよう。 さて、100冊を目指して更新中の「佐藤の本棚」も85冊目となりました。今回は、太宰治「葉」を読んで思い出した「小学生の頃の記憶」を

読書の記憶 七十七冊目 「兄たち 太宰治」

こんにちは。広告文案家の佐藤(さったか。)です。私が起業してまもない頃、ある経営者の方に「なにか嬉しいことがあった時は(たとえ、それが些細なことでも)大袈裟に喜んだ方がいいですよ。そうするとまた嬉しいことを呼び込めるから」と、アドバイスされたことがあります。 あの当時の私は、たいそう「つまらなそうな顔」を、していたのだと思います。それをさりげなく指摘してくれたやさしさと懐の深さ。今になって、その有り難さがよくわかります……。いつの日か若手の起業家の方に、このような言葉を届け

読書の記憶 七十六冊目 「太宰治との一日 豊島与志雄」

こんにちは。広告文案家の佐藤です。以前、図書館で借りた本に「コピーライターは広告文案家と呼ばれていた」と書かれていたことを思い出したので、ふと使ってみました。薄暗い部屋の片隅で煙草の煙をくゆらせながら、ひとり呻吟しているような、どこか物憂げな雰囲気がします。 さらに付け加えるのなら、私は「企業理念の標語(コーポレートスローガンというやつですね)」を手がけることが多かったので「企業理念的標語制作 広告文案家」という肩書きを考えてみました。こうなってくると、軽みが出てきてしまっ

読書の記憶 七十五冊目 「一問一答 太宰治」

こんにちは コピーライターの佐藤(さったか)です。今まで私が読んできた本を並べていく「佐藤の本棚」も75冊目となりました。ようやく75冊か。なんだか70冊を過ぎたあたりから、100冊のゴールがなかなか近づいてきません。むしろ遠ざかっていくような気配すら感じます(笑)このペースだと、年内のゴール達成は難しいか? いやいや、あきらめずに淡々と並べていこうと思っております。応援よろしくお願いします。 さて、6月になりました。私にとって6月といえば「太宰治」が思い浮かびます。太宰の

読書の記憶 六十三冊目「I can speak  太宰治」

小学生の頃の話。Hと言う友人がいた。彼は英会話の教室に通っていた。今でこそ小学生が英会話の教室に通うのはさほど特別なことでは無いかもしれないが、あの当時はわりと珍しい部類に入っていたと記憶している。 つづきを読む(無料) I can speak 太宰治

読書の記憶 六十冊目「皮膚と心 太宰治」

ジョギングをした後に、シャワーを浴びて服を着替えていたところ、首のあたりが赤くなっていることに気がついた。なんとなく痒みもある。走って赤くなっただけなのか? 首に巻いたタオルに何かついていたのか? じんましんなのか? よくわからなかったが、さほど気にすることもないだろう、と思いその日は寝てしまった。翌日目が覚めてみると、やはり赤い。痒みもある。しかしそこまで酷くもないようなので、放置したまま仕事へ出かけることにした。 つづきを読む(無料) 佐藤の本棚 六十冊目「皮膚と心