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オードリーというコンビ

金スマのオードリーSPを観た。
裏でラプンツェルが放送されている中、この放送を観た20代はどれくらいいるだろうか。しかも2時間では収まらず、今度後編も放送されるらしい。

オードリーは結成20周年。
男子校出身ならではのくだらないやり取りが大好きだ。
特にヒルナンデスでのイス破壊事件はめちゃくちゃ笑った。630万回もの負荷実験に耐えたIKEAのイスが春日さんの8回に負けた瞬間。あれはイスの上で飛び跳ねる春日さんも悪いが、途中から一緒になって負荷をかける若林さんが最高だ。イスと共に崩れ落ちた後、指をさしながら「壊れました~」と言う姿を見て、本当にヤバいコンビだなと思った。

ただ、オードリーの凄いところは炎上しないこと。
イス破壊は勿論、春日さんの浮気の時も、周りの芸人にいじられるのではなく自身達の力で笑いに変えている。よく、笑いを水に例えて消火するという表現を聞くが、僕は花火だと思う。小さい火を利用して、元の火なんて気にしなくなるくらい皆が笑顔になる大きな花火を打ち上げる。
そんな気がする。


1.春日俊彰という人間

春日さんはスターだ。この一言に尽きる。

物凄く変人だし、笑いのスキルも同じくらい活躍している芸人さんに比べたら正直低い方だと思う。以前若林さんがラジオで「春日はボケてない。変なことを大声で言っているだけ。」と言っていたが本当にその通りだと思う。それでも、場にいるだけでテレビに華が生まれるし、司会者も困ったら何となく春日さんに振ってみたくなる。よくテレビで全然喋らないといじられるが、このスター性こそがM-1から10数年、一度も落ちずにテレビに出続けられている理由だ。

あとは奥さん(クミさん)も凄い。
知っている人も多いが、10年交際した後にテレビで感動的なプロポーズをした。その一週間後、浮気でフライデーに載った。しかもプロポーズについての密着中に。プロポーズでは、不器用ながらも栄光の架け橋をピアノで演奏しており、その為に練習もしていたが、「遊んでなきゃもっと上手に弾けたんじゃないか」と若林さんも言っていた。
その直後のラジオで、なんとクミさんは電話出演した。春日さんのことを「とんだ大馬鹿ヘンタイ野郎」と揶揄しながら面白おかしく説教していた。誰も不快な思いをしなかったこの放送は神回と呼ばれており、とにかくクミさんの喋りが達者でめちゃくちゃ笑った。そんな人間として完璧な奥さんと出会え、結婚できるなんて相当運が良い。

このままではただの運みたいに捉えられかねないので言うと、春日さんの凄いところは一貫できるところだ。「浮気してんじゃねーか」と言われると元も子もないが、春日というキャラクターを続けることは本当に凄いと思う。

あと、最近ツッコミがキレキレだと一部で話題だ。春日さんのツッコむ姿を観たい人は「あちこちオードリー」「日向坂で会いましょう」「オードリーさん、ぜひ会って欲しい人がいるんです」という番組か、オールナイトニッポンをチェックして欲しい。


2.若林正恭という人間

若林さんは思考力が本当に凄い。

昔の人見知りも、紐解けば「ここでこういう発言したらどうなるか、相手はどう感じるか」等を考えすぎた結果だし、ラジオでは頭の回転も早い。
そして春日というキャラクターをプロデュースしたり、炎上しそうなことを笑いに変えたりと、戦略の立て方も上手い。
物事をナナメから見て、毒を吐いたり、ひねくれたりするのも、ひとつの物事を色々な角度から考えられるからこそだ。

これだけ思考力に優れているのに、勉強面でいうと実は頭が悪いし、イス破壊事件のように春日さんと一緒にバカやっている時だけは想像力が欠如する。それもまた愛される理由だろう。

僕はラジオを聴いてから「物事をナナメから見る」という部分のみに憧れを抱き、ひねくれてしまった。今もその名残は健在だが、若林さんの著書である『ナナメの夕暮れ』を読んで本質に気付かされた。


この本はエッセイ集で、タイトル通り物事をナナメから見て批判するという考え方を辞めるという内容だ。ゴルフなど、今までやってもいないのに批判していた色々なことに挑戦して感じたことが書かれている。

読んで凄いと感じたのは30代後半になってそれが間違っていると、自分の弱さに気付き、認め、行動したこと。要は何歳になっても変わること、成長することが出来ることだ。それも結局は若林さんが人一倍考えられる人間だからだろう。

また、成長のきっかけが亡くなった父の言葉だったことにも驚いた。
何故なら、ラジオで親父さんの死をネタにしているからだ。

父の話をする時、「隠れた親父がさ」と若林さんが言うと、春日さんが爆笑するくだりがある。まず父の話をする前から空気を作るし、”死ぬ”という言葉を”隠れる”と表現することで、笑いやすくしている。
本当に笑えないことを笑いに変えるのが上手い。何回もネタにしているので、「父の死も気にしないサイコパス野郎なのかもしれない」と思うこともあったが、金スマのインタビューで涙しているのを観て、強い人間だと思い、グッとくるものがあった。

また、若林さんを観て結婚したいと少し考えるようになった。
ラプンツェルよりも金スマを観るような数少ない20代女性と出会いたい。


3.「春日が天才で若林は秀才」

以前A-Studioでオードリーがゲストだった際に鶴瓶さんが言っていた。

まさにその通りだと思う。
春日さんの変人要素やスター性は、読んで字の如く「天から授かった才」だし、若林さんは40歳を過ぎた現在もなお人として成長し続けているように、常に色々なことを考え、努力している。
芸人として面白いのは勿論、人間としても尊敬できるオードリーの2人には一生ついていきます。

最後に、ラジオの10周年記念ツアーのファイナルを武道館で行った際に披露した「板子」という漫才を共有。亡くなった親父さんと話をしたいというネタで、ここでも父親を笑いに変えている。

M-1の頃の漫才しか知らない人はビックリするかもしれないがオードリーは漫才も進化し続けている。芸人がネタ中に素で笑っちゃう瞬間が好き。


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