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2023年

2023年もあと数時間で終わろうとしている。
私の2023年を漢字一字で表すとしたら、「痛」だろうか。

5月に大怪我をして救急搬送され、今年後半は手術後のリハビリに費やすことになった。搬送先の病院で「手術が必要で全治6ヶ月」と聞かされた時には、カメラマン人生が終わった、と思った。

2023年12月31日、入院で落ちた筋力は理学療法士による適切なリハビリ指導のおかげでバランス良く強化されて回復し、撮影業務に完全に復帰出来ている。
先日、12月28日に発売になった「商店建築」誌・2024年1月号の私の連載「東京歳時記Vol.37」には、俳人・大高翔氏の以下のような文章が添えられている。

何が起ころうとも、
時は速度を変えず、季節は繰り返す。
それを突き放されたように非情と思うこともあれば、
新たな一歩を促す救いだと感じることもあった。
季節の循環のなかで、わたしの時も巡る。
踏みだすことも、立ち止まることも、
悲しみも喜びも、同じくらい意味がある。
そう噛み締めて、寒風に向かう。

連載「東京歳時記」は、私の写真を見て、俳人・大高翔氏が俳句を詠み短い文章を添える、というコラボレーション。Vol.37の写真は、先月、2023年11月に開業した麻布台ヒルズ森JPタワーの写真だ。

月刊誌は制作に2ヶ月程度かかるので、写真と俳句を発売時の季節に合わせるために、ちょうど1年前に撮影した写真を掲載しており、この写真は2023年1月に撮影したもの。

この写真を撮影した今年1月には、5月に大怪我をすることを知る由もないのだが、大寒波が到来した朝の東京の風景はその後の私の運命を予感させるような厳しい冬景色だった。

この写真には、私が搬送され手術を受けた日赤医療センターも写っている。神業のような難しい手術を執刀して下さった先生方、昼夜を問わず献身的に看護して下さった看護士のみなさん、リハビリを担当して下さった理学療法士のみなさんには感謝の言葉しかない。

多くの人たちに支えられて今日の大晦日があることを噛み締めて、寒風に向かう。

2023年大晦日


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