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雪の町

昔暮らした雪の町を

ふと思い出すことがある


幼いわたしと

家族


なぜだか家族の面影はおぼろげで

雪の光景だけが

強く印象に残っている


しんしんと降る雪

降り続く雪

あるいは

激しい雪嵐


または

降り積もった雪の

すべてを埋め尽くした

すべてを隠した

すべてを封印した

光景


あれは

幼いわたしがはじめて感じた

無だったのだろうか

永遠だったのだろうか


今では

雪とは縁遠い町に暮らし

大人になってしまったわたしは

時おり

あの雪の町を思い

無とか永遠とかに

思いをはせている

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