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Basketball Diary Ep.03 『帰属』と『家族』

さらに、アメリカ遠征で印象的だったことがあります。それは、当時在籍していた1年生と2年生をあわせた24人のプレーヤーと遠征した際、アメリカのコーチから、「なんで、一つのチームにこんなに大勢のプレーヤーがいるんだ?」と質問されたことです。「こんなに人数がいても、彼らのほとんどは試合に出場できないだろ」と続きました。
来るもの拒まずの文化である日本の部活動においては、例え、満足なプレータイムが保証されていなくても、何十人ものプレーヤーが一つのチームに所属することが多々あります。彼らは、そのチームの一員として「帰属」し、時間や空間をチームで共有することに価値を見出しているのかもしれません。バスケットボールをプレーしたい高校生にとって、部活動が果たす役割がまだまだ大きいということも深く影響していることは間違いないでしょう。
しかし、時にチームを「家族(ファミリー)」とまで表現するアメリカの文化では、チームには適正な規模があり、出場機会の得られないプレーヤーはカットされ、チームの一員として認められません。プレーヤーにとってカットされるということはとても厳しいことのように感じますが、プレータイムのないチームにずっといることの方がより厳しいことなのかもしれません。カットされたとしても、自分のレベルにあわせて地域のクラブチームで活動することもできますし、それぞれのチームでプレータイムを得ていくチャンスがあるわけです。
大人として、子どもたちがバスケットボールに取り組める環境をどのように準備してあげられるか、その活動の中でコーチとしてプレーヤーにどんな価値を与えてあげられるか、とても考えさせられる質問でした。

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