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Basketball Diary Ep.08 『フェイク』と『フェア』

日本バスケットボール協会が提唱する、指導者としての「インティグリティ(integrity)」という言葉が、バスケットボール界では一般的となりました。大切なことは、「インティグリティ」という言葉や、「高潔さ・誠実さ・品位」といった意味を知っているかではなく、その理念の実現に向けて努力できているかどうかだと思います。
ルールブックのファウルに関する記述に「フェイク(ファウルをされたと欺くこと)」という行為があります。これはルール上認められていない行為であり、テクニカルファウルの対象となります。あたかもファウルをされたかのように振る舞うことは、NBAなどプロの世界でも大きな問題となっていますが、試合中にはこれとはまた違う形の「フェイク」も存在するように思います。それは、本来ならばファウルとなる行為を審判の目を盗んで行ったり、あたかも正当なプレーのように行うことです。自分はファウルはしていません、という「フェイク」です。反則行為であると分かっていながら、審判に見つからなければ、ファウルが吹かれなければ、プレーヤーはその不当な行為をし続けて良いのでしょうか。
審判や相手チームを欺く行為を目にすること自体がとても残念なことですが、それがゲームに勝つことを目的として、勝敗にまで大きな影響を与えてしまっては、もうやるせない気持ちでいっぱいになります。これらの不当な行為がプレーヤー個人の判断なのか、またはコーチの指導や指示の下で行われているのか内実までは分かりません。しかし、プレーヤーの不当な行為に、指導者の影響が少なからずあるとすれば、そのコーチは「インティグリティ(integrity)」に反する指導を行っていると言えるでしょう。
バスケットボールを愛する一人として、ゲームは「フェア」に行われて欲しいと願いますし、今後もプレーヤーには「フェア」プレーを心がけるよう指導し続けたいと思っています。

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