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東京リベンジャーズとヨハネ

ヤンキー自体が今や歴史的存在で、絶滅危惧種に近いと思われる令和の時代に、東京リベンジャーズのような漫画が流行する現象は興味深い。おそらくは、一種のファンタジーか異世界物のような読まれ方をしているのだろう。実際にタイムリープが大きな鍵になりますし。

もともとヤンキーは歴史的にはアメリカでイギリス系住民がニューヨーク近辺に住むオランダ系住民に対して呼称した呼び名。オランダ人にヤンという人名が多かったためと思われる。東京駅近くの八重洲の地名の由来となったヤン・ヨーステンもオランダ人です。

日本的に言うとヤンはヨハネです。英語で言うジョン。聖書のヨハネ福音書や、ヨハネの黙示録にも名前を残す愛の使徒。ヤンキーのもともとの意味をたどっていくとヨハネにたどり着く。そう言えば、東京リベンジャーズにも教会でクリスマス礼拝を欠かせないキャラクターが出てきます。

タイムリープ物というと筒井康隆の「時をかける少女」を思い出す。21世紀に入っても細田守監督の手でアニメ化された。この作品ではラベンダーの香りとタイムリープが密接に関係する。香りが時間を遡及させる設定の元ネタはきっとプルーストの小説「失われた時を求めて」だろう。本家本元はラベンダーではなくマドレーヌの香りだ。

マドレーヌとは聖書に出てくるマグダラのマリヤのフランス語読み。フランスのブルゴーニュ地方には世界遺産にもなっている聖マドレーヌ聖堂があります。ここはサンチャゴ・デ・コンポステーラの巡礼路なのですが、ホタテ貝がシンボルになっています。お菓子のマドレーヌがホタテ貝の形をしているのはそのため。

マグダラのマリヤは聖書のヨハネ福音書にも登場するのですが、期せずして、タイムリープ物である「東京リベンジャーズ」と「時をかける少女」の源流にヨハネ福音書があるとも言えるでしょうか。

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