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テモテへの手紙第一5章9節ー16節

「知恵を尽くして」
パウロは身寄りのない女性に対する社会的奉仕に目を向けています。ここにあるのは具体的な助言です。登録制にしなさいとあるのです。しかも60歳以下の女性は一律登録すべきではないと言うのです。古代と比べて平均寿命の伸びた現代では60歳にプラスアルファして読んだほうがいいのでしょう。さらに条件が加えられています。ひとりの伴侶だけをもった貞淑な女性。そのうえで教会員として評判のいい女性が登録の対象になるのです。

この件に関して教会は様々な困難や問題を通って、多くの事例から主によって知恵が与えられてきました。それが具体的な手引きづくりという形で整理されていくのです。登録する女性にはどうも今後結婚する予定はありませんと誓約を課していたようです。若い女性は軽々と登録しないほうがいいのは、再婚ができるに越したことはないからです。再婚しませんと誓って援助だけ受けて、舌の根も乾かないうちに再婚するようでは困るのです。

そういう女性の中には、うわさ話やおせっかいで話してはいけないことを話す者がいたようなのです。これは単なる世間話の井戸端会議などではありません。異端の教えに引きずられ、結婚を軽んじて、複数の男性と不自然な関係を築いて、福音ではない間違った教えを伝えるために家から家へと渡り歩く者がなかにはいたということなのです。そうやって道を踏み外して、悪魔に唆されていく者が少なからずいたのです。

彼女たちは教会を混乱に陥れているわけでしょう。悪影響を及ぼしているのです。それなのに、どうして教会が間違った教えを信じる人たちにまで援助をしなければいけないのでしょうか。それはあまりにもお人よしすぎる話ではないでしょうか。それは教会の善意を逆手にとって、悪用しようとする態度だと言われても仕方のない話ではないでしょうか。援助ではなく、間違った教えが間違った行動を生むことを指摘すべきなのです。

要するに教会に必要以上に負担をかけないようにという戒めなのです。どうしてかというと教会が本当に助けを必要としている人に手を伸ばすことができるようにするためです。そのためには家庭にできることがあるならば、家庭で責任を負うのが筋なのです。何もかも教会に責任を押し付けるなどということになると、教会は身動きがとれなくなってしまう。私たちも愛と知恵をもって対応することができるよう祈りたいものです。

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