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ドラえもんの元ネタ

藤子不二雄の漫画「ドラえもん」の元ネタは、ハインライン作、アメリカの古典SFの「夏への扉」だ。藤子不二雄氏のアシスタントが明かしているが、確かに猫、タイムトラベル、自動機械などのモチーフは借用されているのだろう。ハインラインはアメリカのバイブルベルトと呼ばれる地域出身で、旧約聖書ヨブ記を下敷きにした宗教的作品も書いている。機動戦士ガンダムの元ネタもハインラインの小説「月は無慈悲の女王」ですというと日本のアニメに与えた影響の大きさが窺い知れる。

「夏への扉」そのものも元ネタがあって、デュマの「モンテクリスト伯」。確かに復讐劇という点で一脈通じるものがある。確かに夏への扉の主人公ダンと、モンテクリスト伯のダンテスは名前が似通っている。モンテクリストとは、「キリストの山」という意味で、イタリアには現実にそういう名の島があるのだ。

モンテクリスト伯を翻案したのが黒岩涙香で、「巌窟王」という題で読まれた。涙香のお兄さんが黒岩四方之進といって札幌農学校一期生のクリスチャンでクラーク博士の謦咳に接している。涙香と万朝報という日刊新聞との関りは、兄四方之進の後輩にあたるキリスト者の内村鑑三が勤めていた関係からだろう。

デュマの生きた時代は、ナポレオンの時代なのだが、父はフランス革命時の人物。革命派ではなく王侯派の人物で、マリーアントワネットの警護を務めたというと、まるで「ベルサイユのバラ」の世界を思わせる。それにしても「ベルばら」と「ドラえもん」が意外なものを介して繋がるところが興味深い。


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