見出し画像

ウィンダムの元ネタ

以前「ウィンダム」という語が検索ワードに上昇してきて、なぜと不思議だった。どうも、当時放送中のウルトラマンZに、ウルトラセブンに出てきた昔懐かしいカプセル怪獣「ウィンダム」が登場したからのようでなるほどと疑問が氷解。カプセル怪獣。ポケモンの発想の原点になったカプセルに入った怪獣ですね。


この怪獣の名前の由来はイギリスのSF作家ジョンウィンダム。代表作に「トリフィド時代」があります。知性があるらしい動き回る毒性植物トリフィドの話。ソ連の遺伝子操作で生まれた植物という設定が1950年代らしい時代性ですが、壮大な思考実験にはなっている。クリスチャンのコミュニティも物語には登場します。動く植物は空想特撮的発想ですし、ウルトラマンのシリーズに出てくる植物系の怪獣の元ネタがこの作品でしょう。

ケロニアという植物怪獣が子どもの頃、怖かったです。人間に化ける知性のある植物でしたね。このエピソードの題「来たのは誰だ」は、戦前の推理作家大下宇陀児の「見たのは誰だ」が元ネタと思われます。ドラマの「とと姉ちゃん」にも出てきた「暮らしの手帖」編集者の花森安治が高く評価した作家です。脚本書いた方、推理小説もSF小説もお読みになっておられますね。

人の名前が元ネタなのはよくあることで、小さいお子さんをお持ちの方なら、最近のウルトラマンジードをご存じかもしれません。人気作家の乙一が構成に入っていることで注目されました。押井守の娘の結婚相手ですね。攻殻機動隊の。登場人物の名前をことごとくSF作家から着想するこだわりぶり。

たとえば主人公の朝倉リクはアーサークラークのもじり。「2001年宇宙の旅」の原作者。そもそもウルトラマンジードの骨子がアーサークラークの小説「幼年期の終わり」が元ネタらしいです。これはキリスト教終末論抜きには語れない作品。

ウルトラマンゼロに変身する伊賀栗レイトは、オーストラリアのSF作家「グレッグ・イーガン」が元ネタ。1961年生まれの現役作家です。父親がクリスチャンで、聖公会からカトリックに改宗しています。お兄さんもカトリックなのですが、カトリックの聖霊刷新運動に参与しておられる。この辺りは自伝に書かれているようです。1960-70年代くらいのオーストラリアにおけるカトリック聖霊刷新の広がりが背景にありそうで、この辺りの文脈を詳しく知りたいと思う次第。オーストラリアの聖霊刷新にお詳しい方ご教示を願いたいなと。ご本人に信仰があるかは不明ですが、父親や兄からの影響がどの程度あるかは聖霊派クリスチャンとしては気になるところです。

まさか聖霊刷新運動と最近の平成ウルトラマンが関係してくるとは思わなかった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?