【舌】過去ツイートまとめ②

①発話時と食事時で舌の運動性が異なる、ということは良くあります。運動の誘因になっているものは、フィードバックなのかフィードフォワードなのかという所に思いますが、口腔への介入の際にはそれぞれを分けて考えらえると、また臨床の幅が拡がるかも知れません。

②個人的にはですが、舌については、あまり抵抗運動のような筋トレはしていないかも知れません。筋力が問題!と思った時は別ですが、基本的には「分離性」や「運動域」、「速度」あたりを問題点に感じることが多いかも知れません。

③アクティブタッチは舌においても同様のことがあると思っているのですが、舌が柔軟かつ能動的に食塊を探索できる事が、食塊が何であるかの知覚や認知へと繋がり、それが咀嚼や送り込みに必要な舌の協調的な反応を引き出す側面もあるのかなぁと思っていたりします。

④立位での安静時の舌は口蓋へと接触することで、下顎と頭蓋の安定性を生み出すことに寄与していると思っていたりします。舌の緊張が乏しく、安静時に舌と口蓋の接触が十分に得られないようなケースでは、重心動揺が大きくなりやすいように感じています。

⑤舌を引っ張る場面を良く見かけたりしますが、まずは舌の緊張が高いの低いのか、前後や左右で緊張の分布は均一なのか、触って確認をしてみる、ということが大切かなぁ…と思っていたりします。緊張が低ければ高める方向に、緊張が高ければ緩める方向に、筋緊張を整えてみるだけでも構音は良く変わります。

⑥舌が対象物を捉えるためには、舌自体が柔軟性を保ち能動的に対象物を捉えようと知覚探索を行うことがとても大切です。食事の時、食塊の形状等あまり意識をしたりしてはいないかも知れませんが、舌が緊張を一定の範囲内に保ち柔軟である、ということはとても大切です。

⑦挺舌をした時の偏倚ですが、麻痺側の弱さによって偏倚してしまうだけではなく、非麻痺側の引き込みが強くて偏倚してしまうこともあります。偏倚してしまっている中身を考えてみると、また視点が拡がるのかも知れません。

⑧舌が口腔内の食塊を探索できる……ということは、とても大切です。探索できるということの背景には、舌自体の柔軟性や分離性、口腔内の湿潤、対象物の形態にあわせた口唇や頬部の協調性、対象を捉えようと能動的かつ連続的な近くのもとに舌が働き続けられること等、多くの要素が関わっています。

⑨たべっ子どうぶつ…結構好きなんですけど、そのままポンっと食べても形態は分かりませんが、箱の図柄を見ながら”これなんだろう…”と思ってみると、口腔内の知覚から対象の形態を捉える事が出来ます。患者さんの場合、まず出来ない方がほとんどですが、舌を考えた時に大切な要素の一つに思っています。

⑩舌内部の分離性……という言葉を使ってしまうことがあるんですが、構音動作や嚥下動作を考えた時に、舌縁は口蓋に接しながら舌尖だけ細かく動く、前舌が口蓋に接しながら奥舌が挙上してくる…等、舌の中でも部位ごとに異なった動きが出来るということはとても大切にしています。

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