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姿勢が大切だなぁ…と思ったお話

今回は嚥下障害や構音障害の患者様と関わる上で、僕が大切にしていることについて少し触れてみたいと思います。

大切にしていること自体はたくさんありますが、
その中でもまず一番大切にしているのは「姿勢」です。

これは発声発語器官が重力下の中で最も高位にあり、
姿勢による影響を受けやすい末梢だから、です。

姿勢の影響を評価出来なければ、今目の前で起こっている現象が「本当に発声発語器官による問題なのか」、「姿勢の影響を受けた結果なのか」判断することは出来ません。

これは何もSTが姿勢に対して治療的介入をしていきましょう、ということではなく、発声発語器官の評価だけでは、摂食嚥下機能や発声・構音を十分に評価することは難しく、治療の立案・実施が行われにくい。ということを頭の片隅においておくだけでも、随分とその後の臨床感が変わるのではないかなぁ……と思っています。

とはいえ、はい!姿勢を見ましょう!といってそんなにすぐに見れるものではないので、まずは車椅子座位の中で姿勢をちゃんと正してみる。もしくはポジショニングしてみる。あたりから始められると良いのかなぁと思っていたりします。

この姿勢をちゃんと正してみる、という時ですが、まず確認して頂きたいなぁ……と思うのは、骨盤の位置、です。STでは、あまり触り慣れていないことも多いかも知れませんが、まずは触りましょう。

骨盤ってどこにあるんだろう……?
どんな形してるんだろう……?
骨盤の右と左、どっちの方が上にあってどっちが下にあるんだろう……?
また、どっちが前に出てて、どっちが後ろに下がってるんだろう……?

とかでも良いかなぁ……と思います。座りなおす前と後で、少しでも骨盤の前後や上下の傾きが整えられていると良いですね♪それだけでも、上部体幹の傾きや頭頚部の側屈等に変化がみられやすいと思います。


ここで、すごく大切にしてもらいたいことが、一つあります。


それは、姿勢を修正する前後で発声発語器官の確認を行ってもらいたい……ということです。


これはすごく大切に思っている所で、この前後での発声発語器官の評価が無いと、姿勢が変わったから何なの?となりかねません。姿勢を修正することで、発声発語器官の運動範囲や代償性に変化がみられた!ということをSTが自身で評価出来なければ、姿勢を修正するのはきっと最初の1,2回だけで、それ以降は普段通りの臨床に戻ってしまうかも知れません……。

これは姿勢に限った話では無いのですが、STはまずは発声発語器官がより細かく評価が出来る。ということが前提です。その上で、姿勢の変化によって発声発語器官がどのように変化をするか、ということを拾い上げられなければいけません。

なので、普段から行っている発声発語器官の評価をより細かく、より丁寧に観察するようにしましょう。そして、姿勢の変化による影響にも目を向けてみましょう。

姿勢が変われば、多かれ少なかれ、ほぼ必ず発声発語器官に変化は見受けられます。そうした細かい変化を拾い上げて、少しでも良くなっている所を見つけましょう。


きっと毎日の臨床がとても楽しくなることと思います。


一人一人の臨床に対する前向きな楽しさが、この業界の活気に繋がればとても素敵だなぁと思います。

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