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1年に1個の自分スタイル

今回は『習慣』ということについて自分の考えていることを綴ってみます。辞書によれば「日常の決まりきった行いのこと」、「長い間そうすることによって、そうすることがあたかも決まりきったようになったこと」という意味のようです。
視点を少し変えてみれば、『習慣』の習は、習うこと・学ぶことの意味があり、また慣は、その状態に対して違和感を感じず、自然に受け入れ対応できるようになることの意味があるようです。



長いスパンで考える


先生の中でも、順調に仕事に取り組めている方、経験の積み重ねにより成果を出せるようになっている方もいれば、毎日を余裕なく送っている方、毎日の仕事のハードさに疲れ切っている方、など一人一人の状況は様々でしょう。
しかし、順調な教師生活があるきっかけによってリズムが崩れたり、転勤などのきっかけで好転したりと、長い目で見れば浮き沈みがあるものです。
教師に限らず、自分の意思で良い習慣を身に付けることができれば、長いスパンで見たときに幸せになる確率が高くなると考えています。
良い時もそうでないときも変わらず貫く自分のスタイル、根本の考えの持ち方について考えるところを述べてみたいと思います。

ずばり言えば、いくつかの項目を作って、その項目で「1年間に1つずつの確かな実感と学びに基づく自分のスタイル、考えを柱として設定する」と考えることを提案します。
私は大学生の時に研究室で授業論・教師の資質の向上をテーマに研究しました。
20代のころには、大学で研究した授業論を実践の中で試したり、教科では先輩から算数の根本的な考え方を学んだりしていました。
学級経営では全国生活指導研究協議会(全生研)の理念や実践家から教えを受けたりしながら、教師としての地力をつけたいと精進しました。


転機


教師生活は順調でしたが、大きな転機が訪れました。
それは私が30歳の時、体を壊してほぼ一年間休職して療養することになったのです。
その1年間で、学びが進んだことと疎かになったことを整理し、これからの教師生活30年を見通す計画をたてました。
当時立てた計画とは少し形は違いますが、次のような項目を立てて、それぞれ深めていこうと決心しました。

(1)人生観・人間観について・自己啓発・目に見えない力のこと
(2)仕事:授業の研究・算数の研究・学級経営
(3)子どもの理解・子供に対する基本的なスタイル
(4)同僚との人間関係・距離感
(5)実務・事務仕事・仕事進捗管理

今振りかえれば、計画では少し欲張った内容を盛り込み、結果的に成果を出せた項目と、不得手なまま終わった項目がはっきりと分かれてしまいました。
また項目によっては、途中で項目の目標自体があいまいになり、積み上げという点では十分でなく反省することばかりです。
そこで私の反省を元に提案したいのが、前に述べた「それぞれの項目で1年間に1つ大きく自信をもてるようにする自分のスタイルをつくる」ことです。
そうすれば、無理なく、ブレも少なく、長いスパンでの自分を成長させることができるのではないかと考えます。
柱を決めたら、毎日毎日意識して実践、振り返りをしながら成果と反省を行う。そして1年ごとに少しずつ深めていく。これが冒頭で述べた「良い習慣づくり」の提案です。

私の場合は


ちなみに、私の5項目の到達点は、次のようなものです。
いくつか挙げてみます。少しでも参考になれば幸いです。

  1. 人生観・人間観について自己啓発・目に見えない力のこと
    「そ:そうじ わ:笑い か:感謝」(小林正観)
    「怒らず 恐れず 悲しまず」(中村天風)

  2. 仕事:授業の研究・算数の研究・学級経営
    ・授業の研究「楽しい・分かる授業」:
     集団の中での「考えの対立」と、個人の中での思考の対立・発展
    ・算数の研究「量とその関係のイメージ」文章問題の解き方指導
    ・著書から学ぶ:一年間を見越したその時期ごとの指導

  3. 子どもの理解:「子どもは将来必ず大人になっていく存在である」
    最高の教師は子ども。すべてのことは目の前の子どもから学ぶ

  4. 同僚との人間関係・距離感
    「課題の分離」と「共同体感覚」(アドラー心理学)
    「人の不機嫌の心理学」

  5. 実務・事務仕事・仕事進捗管理
    「まず手を付ける」 
    「優先順位」     

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