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ほめるを深める(1)

前回、「こどもをほめる」ことについて、日頃から思っていることをそのまま文章にしてみました。


後になって読み返しているうちに、もう少し深く考えて整理してみたくなりました。
どう考えてどのように場を設定し、どう行動(ほめる)すれば「子どもが意欲をもち、取り組んでいくことができるか」を中心に据えて考えていきます。



前回の記事の結びに
(1)「自然な状況(日常生活)での子どもを温かく見守る目」
(2)「未来を見据えての、子ども自身が自分をきたえみがく方向」
この2つの「ほめる」が豊かにある家庭では、子どもが安心して自分を伸ばしていける、と記しました。

今回は主に(2)「未来を見据えての、子ども自身が自分をきたえみがく方向」での「ほめる」について、掘り下げて考えていきます。
今回から「頑張る姿をほめる」を深掘りして、3回に分けて自分の考えを述べていきたいと思います。

1.「ほめる」立場(主に小学校低学年の親を想定)の子どもに対する願いや希望をもつことの重要性と、「ほめる」場面の設定について

2.「具体的にほめる」ことの大切さと、「ほめる」ことに加えて添える
一言の有効性について

3.「ほめられて」育った子の「自己肯定感」向上と親子関係について

 

1. 「ほめる」立場が子どもへの希望をもつことの重要性、
「ほめる」場面の設定


親の願い

子どもに、「勉強への意欲を持たせたい」、「スポーツや音楽、絵画の実力を伸ばしてやりたい」という保護者の方は多いと思います。
実際に学力や体力技術の向上のために、幼い年齢から塾通いや家庭教師を付ける、またスポーツクラブや(ピアノや絵画等の)芸術教室に通わせる家庭も少なくないと思います。
一方で、子どものいろいろな方面での能力や意欲を伸ばしてやりたいと思いつつも、家庭事情や限られた環境のため特にこれといった具体的な状況を作っていない家庭もそれ以上に多いと思います。
  
まずは、親自身が「わが子には、こんな人間に成長してほしい」といった具体的な願いからスタートすることが必要だと考えます。
「勉強に意欲的な子どもになってほしい」、「野球やサッカーで楽しめる子どもになってほしい」、「ピアノが上達して、音楽に親しめるこどもになってほしい」など。
逆に言うと、親が子どもに対してその家族の環境や事情に応じた具体的な願いや希望がなければ、子どもが意欲や能力を伸ばす場面がないことになります。
何事も始めるのに遅すぎることはありません。
ぜひ、保護者が子どもに付けさせたい具体的な意欲や能力を、日常生活で子どもの様子をしっかり見る中で、一緒に楽しみながら考えてあげてほしいと思います。


頑張る場面の設定


次に、子どもが頑張る場の設定が必要になってきます。
場の設定とはいっても大がかりなことは全く必要ありません。子どもの興味や関心に合わせて、できることからスタートしてください
最初から「さあ!頑張らせるぞ!」と張り切りすぎれば、最初は勢いが良くても少し経てば子も親もくたびれてしまいます。
ゆっくりゆっくり、一つ一つステップを踏んで始める、そして結果が出るのを急がない、急がせないのが長続きする最も大切なコツです。

どんな時に褒めるか、場の設定について具体例を挙げてみます。

勉強の意欲を高めたいときは、
○興味を持つ分野の図鑑を親子で見て、興味・関心をほめる 
○教科書を音読してもらい、上手に読めた
○算数の簡単な計算問題を数個出して、解けた
○ひらがなや漢字の問題を数個出して、正しく書けた
○宿題に早く取り掛かり済んだら親が確認して、次の日の準備ができた
○「自分から進んで」漢字練習・計算練習・音読・書き写しをした

スポーツ・ピアノ・習字など技能・芸術への意欲を高めたいときは、
○基本の練習を粘り強く続けている姿
○少しでも前進、上達した姿
○自分から進んで練習、課題やめあてをもっている姿
○練習に取り組んだ後自分で振り返って反省する姿


我が子の未来・将来の姿を一緒に考え願いや希望を具体的に持つ、そして  
頑張る場面を設定し、ほめる場面が日常的にある、といったところまで準備できれば、次の段階に進むことができます。

次回は、
2.「具体的にほめる」ことの大切さと、「ほめる」ことに加えて添える
一言の有効性について考えていきたいと思います。

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