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クラシック音楽 名盤探訪9

 シフ(p)ショルティ(P,指揮) ウィーンフィルハモーニー管弦楽団
ブラームス ピアノ協奏曲第1番 他

 アンドラーシュ・シフと言えば、現代クラシック音楽界を代表する、ハンガリー出身の大巨匠である。すごく知性的であり、常に問題意識を持ってひたすらピアノ道を極めている印象がある。レパートリーは主にドイツ音楽の王道。中でもバッハは高い評価を得ている。モーツァルト、ハイドン、ベートーヴェンもほぼ全集を出していてこれらも名盤と評される。ショパンやチャイコフスキー、ラフマニノフ、ドビュッシーなどはほとんど弾かない。

 そんな彼の若いころ、1988年の録音。同じハンガリーの巨匠、ショルティ、とウィーンフィルと入れた、ブラームスのピアノ協奏曲第1番。今や屈指の人気ピアノ協奏曲となった曲。ブラームスの若いころの情熱がなんともすごい、炎のような曲である。そんな曲をシフが弾くとどうなるか。シフは独特のリズム感を持った人である。難しい曲であるが、シフは余裕をもって弾きこなしている。上手いのである。ここでは透明な音色を放っている。まだ、現在ほど音色が成熟していない。シフは大器晩成型のピアニストであると思う。今では光沢のある美音を放つピアニストになった。来日公演も近く、ぜひ聞いておきたい巨匠である。ちなみに奥さんは日本人。

 指揮はゲオルグ・ショルティ。筋肉質(?)と評される指揮をする。だが、聞いてみると、たしかに音が引き締まっており、なるほど筋肉質だ。すごい批評である。この人はピアニストでもある。だが、併録の、「シューマンの主題による変奏曲」では、やはり、シフの方が上手い。この曲は難解だ。シューマネスクの世界と人は言うが、個人的にはシューマンは苦手である。もちろんそれは、ただの偏見であるが。

ヨハネス・ブラームス

ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 作品15

シューマンの主題による変奏曲 作品23

*値段 数千円。

 

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