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スキーガイド実践マニュアル1 ! 準備編

この記事は登山とスキー好きな貴方がスキー
ガイドを目指すために必要な知識を学ぶスト
ーリーです。一般愛好家にも役立ちます。
私の信念はガイドを増やすことで地球環境の
保全を実現する事です


「スキーガイド実践マニュアル1! 準備編」


<目次>
1スキーガイドの基礎知識
2スキーガイドの用語解説
3参加者のニーズ分析
4スキーガイドの職能
5スキーガイドの実行の流れ
6実行前の行動
7装備



1スキーガイドの基礎知識
(解説)
 まずはじめのスキーガイドについての基礎的
 な知識を紹介します。

<基礎的な知識>
・「スキーガイド」とは
積雪がある山岳や斜面を何らかの方法で斜面を
登り、下りについてはスキー等で滑走しながら
移動しそれを安全に楽しく案内する行為となり
ます
もちろん職業的なガイド資格を有するガイドが
報酬を受け取るために行う仕事となります

・スキー等とは
山スキー・テレマーク・スノーボード・クロ
カンスキーも含みます

・登り方について
想定出来るのは、リフト・ゴンドラ・ロープ
ウェイ・ヘリコプターなどの機動力自力登山
についてもシールをつけたスキー及びスノー
シューなど用具を使うことが多いです

・JMGAの定める職能
日本山岳ガイド協会ではスキーガイド・ステ
ージ1の職能範囲を定めています
その内容について
(JMGAウェブサイトより抜粋)
 国内で四季を通じて整備された登山道、お
よび無積雪期での整備された登山道におい
て登山ガイド行為を行う事が出来る。但し
スキーガイド分野は別に資格を取得する

<活動エリア>
無積雪期の一般登山道。登山地図の実線
で示されたコース。破線、難路と示された登
山道は除く沢登りはできない
積雪期は、森林限界を越えない範囲
例:北八ヶ岳中山峠~高見石、縞枯山、
北横岳まで。天狗岳・硫黄岳は範囲外

・職能外の行為
下記の内容については職能範囲外となるので
決してやってはいけません
もしくはスキーガイド・ステージⅡの資格が
必要です

■スキーガイド・ステージⅡ
ピッケル、アイゼン、ロープなどを使用
せず登高できる雪山で、ゲレンデや、一
般交通路に隣接しないエリアでのスキー
スノーボードガイドを行うことが出来る
この資格は登山ガイドステージⅡ・Ⅲ、
山岳ガイド資格の付帯資格となる

<活動エリア>
登山ガイドステージⅡの範囲に準じる

(注意)
 あくまでもこの記事で紹介するのはいわゆる
 バックカントリー(ゲレンデ横)程度のガイ
ディングとなります




2スキーガイドの用語解説

(解説)
このレポートをより良く理解するために、専
門的な用語を解説します。

<用語解説>
・「バックカントリー」
 裏山という意味ですがこのレポーとではゲ
 レンデ以外という事になります

・「クロスカントリー」
 雪の野山をスキーで駆けるスポーツ
・「オフピステ」
 スキー場などスキー等で滑走するために整
 備されたコースに対し、雪が降った自然の
 ままの状態、非圧雪の状態のコースの事

・「テレマーク」   
 ノルウェー南部のてれマルク地方を中心に
 発展したスキー技術、歩くことも滑ること
 もできるスキー道具

・「アバランチ」
 avalanche(英)で「雪崩」

・「雪庇」      
 山や地形的に崖などに積もった雪が何らか
 の影響で斜面にせり出していつ崩れだして
 もおかしくない状況の事

・「ブッシュ」    
 ゲレンデやオフピステのコース上に樹木や
 植物が残存している状況

・「ツリーホール」
 立木のまわりに出来た雪穴

・「デブリ」     
 雪崩によって堆積した雪のかたまりや岩石
 が崩落してできる堆積した岩や土砂

・「リスクアセスメント」  
 想定するリスク洗い出し、数値化すること

・「雪崩ビーコン」 
 積雪時における登山や山スキーなど、雪崩
 に遭遇する危険のある場合に携行する小型
 の機器であり、電波の発射及び受信が可能
 である。同行者が雪崩に巻き込まれ雪の中
 に埋没してしまった場合、埋没した人が携行
 しているビーコンから発射される電波を救助
 者のビーコンで受信することにより、埋没し
 た人の位置を探索できる
 (アバランチトランシーバー)

・「プローブ」   
 アルミやカーボン製の折りたたみ式の探索棒
 です。雪に突き刺しビーコンで見つけた遭難
 者の場所を特定したり、積雪の料を調べたり
 します。(ドイツ語ではゾンデ棒)

・「ショベル」    
 このレポートでは雪を掘ったり、固めたりす
 るためのスコップ

・「ホワイトアウト」
 吹雪やガス等でまわりが真っ白となり、視界
 が悪くなる事

・「ツボ足」    
 バックカントリーやゲレンデにおいてスキー
 靴や登山靴のまま雪面に穴を開けて、歩く事

・「カービングターン」 スキー板のエッジや
 サイドカーブを利用し、出来るだけ細いシュ
 プールを心がけるターン技術

・「シュテム・ターン」 
 ドイツ語でターンのきっかけじV字型に開き
 だす事

・「ジャンプ・ターン」 
 ターンのキッカケ時、ジャンプする事




3参加者のニーズ分析

(解説)
 実践的に参加者が求めるニーズは何なのか?
 どのようなニーズがあるのか?
 それを思考することで提供するサービスが
 理解出来ます

<参加者の想定ニーズ>
 □ゲレンデ以外を滑って楽しみたい
 □その山岳エリアを滑って楽しみたい
 □パウダーなど自然の状態の雪質を滑って
  楽しみたい
 □その山を登って(移動)して楽しみたい
 □そのツアーにより景色や自然環境を楽し
  みたい
 □その行動を体験してみたい
 (ファッション)
 □そのガイドと行動を共にしたい
 □知り合いや仲間と行動を共有したい
 (コミュニティ)
 □運動したい(健康になりたい)
 □非日常を体験したい


<想定する感情的なニーズ>
 □ドキドキしたい
 (スリルとスピードを味わいたい)
 □リラックスしたい
 □癒やされたい
 □快感を得たい(気持ちよくなりたい)
 □上達を実感したい
 □冒険したい(チャレンジしたい)
 □ホメられたい・自慢したい
 (認められたい)
  SNSなどに公開したい
 □お金を使いたい
 
<その他のきっかけ>
 ・そのエリア(山)へ言ってみたかった
 (滑ってみたかった)
 ・業者や仲間に誘われた(誰かの推薦)
 ・魅力的な情報・広告

★重要
  日帰りのツアー参加者は「滑りに来ている」
  できれば「登りたくない」と思っている
 (ヘリスキーがベストだがお金がかかる)



4スキーガイドの職能

(解説)
 職業的なスキーガイドとして必要と思われ
 る職能はどのようなものがあるのか?
 その内容とカテゴリーを紹介します

<スキーガイドの職能>
●ナビゲーション
予定したルートを迷わず、しっかりトレー
スする内容です

●安全管理
ツアー中のアクシデントを防ぐための予防
や行動です
さらに搬送を含めた、アクシデントの対処
も含みます

●技術指導
ツアー参加者がより快適に楽しめるためや、
安全を管理するために必要な技術的な指導
です

●楽しませるナビゲーション
予定したルート上において、滑走ラインの
指示、地形の楽しみ方、雪質的な楽しみ方
などを提供します

●サービス・ホスピタリティ
参加者に対してのサービスやホスピタリテ
ィの行動です

●環境保全
自然環境への配慮はもちろん、ルール・
マナーの伝達、保全のための啓蒙活動など
です

●自然解説
自然や環境に対しての解説です

●コミュニケーション
参加者との信頼関係や良好的な関係を築く
ための行動です

●行程管理
スケジュールを予定通り実行するための時
間の管理です

●用具のアドバイス
より、今後楽しむためのアドバイスやメン
テナンス等を含めたアドバイスです

●情報提供
他エリアの情報など、楽しみ方を広げるため
の情報の提供です
などがあります。

★重要
冬季シーズンであり、滑走するという行動
から実は危険度が高く、通常の登山ガイド
に加え、提供する職能は多いです




5スキーガイドの実行の流れ

(解説)
 スキーガイドを実行する流れを紹介します。

<スキーガイド実行の流れ>
1ツアーの企画
   ⇓  ・スケジュ-ル
      ・テーマ(ターゲット)
      ・料金
      ・内容 (場所・ルート・行程)

2下見(訂正)   
   ⇓  ・リスクアセスメント

3告知・広告    
   ⇓
4集客
   ⇓   ・条件の確認
       ・技術・経験レベルの把握
5ご案内
   ⇓    ・スケジュール
       ・装備・服装
       ・集合・解散場所など
6実行
   ⇓       
7改善(次回のために)

★重要
基本的には通常の登山ツアーと同じ要領とな
りますが、スキーガイドの場合は参加者の技
術レベルを確認し、適切な対応や場合によっ
ては参加をお断りする決断が必要となります
特にお会いする参加者については慎重にレベ
ルを確認する必要があります
(技術的に滑走が出来なかったり、大幅に遅れ
るなどはパーティ全体のリスクが向上します)
対処法としてはレクチャーやスクールの開催
など、とにかくその参加者が参加可能である
か見極める事が重要です




6実行前の行動

(解説)
スキーガイドを実行する際、実行前に行なわ
なければならない行動を紹介します
この行動を怠ると過失になる可能性がありま
す。なによりもリスクを大幅に減らすために
必要な事です


<実行前の7つの行動>
1下見
実際に行動するルートを下見します
その下見の元リスクアセスメントを行います

2 リスクアセスメント
リスクアセスメントにより、想定したリスク
に対し、リスクを軽減するための対策や必要
な装備を洗い出します

3 装備や当日の条件の連絡
参加者に対し、必要な装備を連絡します
又、おおまかな実行日に気象や気温、条件
等分かる範囲でお伝えします
・予想気温      
・予想積雪量  
・危険箇所の連絡
(雪崩・雪庇・クレパスなど)

4 レベル・経験の確認
再度、最終的に参加者の経験や滑走技術のレ
ベルを確認します
 (山スキー・スノボ・テレマークなどについ
  ても)

5 健康・コンディショニングの確認

現在のコンディションや持病・常用薬などを
聞き出します
又、危急時において連絡する場合の相手と
連絡先番号を聞き出します
 (個人情報の取り扱いに注意しましょう)

6当日の連絡先の確認
当日のミート場所・ガイドの連絡先(携帯番
号)など確認します

7保険加入の確認
 参加者の保険加入について確認します

★重要    実行前の段取りがリスクを左右します




7装備

(解説)
基本的には積雪期のガイディングプラス、滑
走のために必要な道具や装備となります
又、冬季シーズンであり、低体温症などのリス
クも高いためそれを予防するために必要な服
装や装備も加算されます

<服装>
スキーガイドにおいてはハイクUPでは発汗し
滑走中は防寒したり、レイヤリングに適した
服装が基本となります
(速乾性と保温の重ね着の調整)その中で
快適に過ごせるものが必要です
・アウター  撥水性・保温性・給汗発散性
 (ゴアテックス系)
・中間着   防水性・保温性・防護性 
(ダウンフリース系)
・インナー  吸水性・速乾性・快適性
(速乾性下着)
・パンツ   基本的にはスキー用

<全員が携帯する装備>
・ビーコン
・プローブ
・ショベル
・ツエルト
・ヘットランプ

<全員の携帯が望ましい装備>
・予備のグローブ
・ヘッドランプ

<ガイドに必要な装備>
・GPS
・WAX
・修理道具

★重要
冬季シーズンは天候が急変したり、雪崩の
リスクもあります
滑走時においても転倒や、樹木等への衝突、
参加者同士での衝突も可能性があります
ガイドとして最悪を想定した服装と装備が
必要となります





       E N D
    ・・Just Do It・・


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